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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部第13章『黒き光を纏う者』
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3話 「無敵!?」

 

 ルシファー、奴は小細工など通用する相手ではない。先ずは一気に接近、そして体術で圧倒してやる!


「リュム・・・第一封印、解除!」


 狙ってかどうか、一瞬遅れてリュウトが発動した竜神剣の力がオレの速度を上昇させる。急加速は奴の虚をつく結果になるはずだ!


「修羅・・・何!?」


 もはやオレの代名詞にも等しい修羅烈風斬。奴は無防備状態だった。完全に完璧に決まったはずだった。だが・・・


「初めの一撃ぐらいは受けてやろうと思ったが、この程度とは。この深層魔界の番人として知られた名ほどの実力を期待したが、過大評価だったようだな。」


 技の出だしの一撃、空に舞い上げるはずのその一撃は・・・ルシファーの体を僅かに動かすことさえも出来なかった。


「やはり貴様は不良品だ。攻撃と呼ぶのなら・・・最低でもこれぐらいはするものだ!」


 この言葉と共に痛みなど感じる暇さえもなく、オレの体は吹き飛ばされていた。戦場が無駄に広い空間だった所為もあり、壁に激突する前には体勢を立て直し着地は出来たが・・・


「な・・・に?」


 即座に切り返すつもりで走り出すはずだったオレの体は数歩前で膝をついた。このオレが・・・たった一撃の攻撃でここまでのダメージを!?


「・・・終わりだ。」


 片膝をつくオレに追撃を加えようとするルシファー。ちっ、オレもここまでか?


「おっと、俺たちを忘れてもらっては困るぞ!」


 まるで体当たりでもするように突撃してきたリュウトに奴はほんの僅かに虚をつかれたのか、その剣撃に身を乗せるようにしながら後方へと退避した。・・・虚をつかれながらリュウトの攻撃を無傷でいなすか。この化け物め。


「アーくん! 大丈夫!?」


 即座に涙目になりながらレミーが駆け寄ってくる。・・・大げさな奴だ。これしきの傷で・・・くぅ!


「だ、駄目だよ!? すぐ治すから大人しくしてて!」


「そうそう、しばらくは俺たちに任せておけ。なぁ、アキ。」


「うむ、私たちのコンビならば勝てぬはずが無い!」


 ちっ、まさかオレが戦線を離脱することになるとはな。だが、リュウトよ・・・お前の意図たしかに受け取った。




 さて、先ずは奴の全力を引き出さなければいけない。油断ならまだしも、ああまで余裕を持たれていたら当たる攻撃も当たらない。なにより、俺たちはまだ奴の戦い方一つ知らないのだから。頼むぞ、アシュラ・・・俺たちの戦いから奴の攻略法、見出してくれ。


「竜神流剣術・・・刹那!」


 最速の剣技、十分なコントロールさえも効かない中フェイントも混ぜ、繰り出した一撃だが・・・。


「ほう、なかなか速いな。」


 その手の第2関節辺りから生えた爪にあっさりと防がれた。くっ、こんなところもアシュラと同じか。しかも、俺の最速の技を『なかなか速い』程度に!


「どけ! リュウト!」


 無詠唱からのアキのファイヤーバード。軽くいなされたとはいえ、俺に集中していた為だろうか、8匹のフェニックスは無防備のルシファーに殺到した。


「ふむ、わざわざ暖めてくれんでも体はじき温まるぞ?」


「そ、そんな・・・!?」


 だが、業火の中から出てきたルシファーはまったくのノーダメージ。お、俺たちでは奴に本気を出させるどころか、ダメージさえ与えられないのか!? まさかこれほどの実力差があるなんて・・・


「いっけぇ~イリュージョンアロー!」


 レミーがアシュラを治療しながらも放った必殺の一撃。だが、それさえも・・・


「ふむ、幻影の矢か。なかなかうまく出来ている。だが、矢そのものに威力がなければ何の意味も無い。」


 一見、深々と胸に刺さったかのように見えた矢もポロリと地面に落ち、ルシファーにはほんの僅かな傷さえも見受けられない。これは・・・万事休すか?


「そして、どうやら貴様が回復の要のようだな。雑魚共と戯れる趣味は我には無い。そうそうに貴様を殺して終わりにしよう。」


「そうは・・・させん。」


 体を少々ふらつかせながらもそう宣言するはアシュラ。あのアシュラが・・・まだ完全回復しないほどの威力が一撃であったのか。


「ほう? その身でまだ戦うか? その天使・・・それほどまでに大事か?」


「・・・貴様の言うようにこいつは回復の要。まだ失うわけにはいかん。そして・・・」


「・・・!!」


 アシュラが繰り出した何の変哲も無く見える攻撃。だが、それにルシファーが動揺した? それに・・・


「ダメージが・・・通った?」


 僅かにアシュラの爪が掠めたルシファーの腕からは血が滴り落ちている。一体どういうことだ?


「やはりな。貴様は無防備に受けていたのではない。攻撃を受ける瞬間だけ闇の瘴気を放出し、攻撃をいなしていた。そのタイミングをずらしてさえやればこのとおりダメージは通る。それが貴様の防御の正体だ。」


 闇の瘴気・・・そういえばアシュラが全力で戦ったときも発生していたな。似たもの同士ゆえにわかるということか。


「リュウト・・・レミーを頼む・・・。」


 ん? どういうことだ・・・?


「あ、アーくん? な、何これ? きゃあああ!」


 アシュラの体から瘴気がふきだすと同時にレミーが悲鳴を上げ、体を振るわせ始める。そうか! 天使のレミーにはこの瘴気は毒になる。アシュラが今まで全力で戦わなかったのはそのためか!


「レミー! 俺の後ろから動くな! アキ、念のためにキミも俺の後ろにいるんだ!」


「「わ、わかった。」」


 俺の光の力で障壁を張っておけばおそらく影響は出ないだろう。だが、それでは・・・


「貴様1人で我と戦おうと?」


「ふん、それは貴様とて同じだろう?」


 ・・・そうだな、俺は信じているぞ。アシュラ、お前の勝利を・・・。

まるで、かってのアシュラを思わせる無敵ぶりを発揮しているルシファー。そしてそのアシュラとの一騎打ち。次回はアシュラの本気の戦いが見られそうです。


レミー「アーくん、今までわたしの所為で本気で戦えてなかったんだ・・・」


う~ん、確かにそうなんですが、レミーがいるからこそ限界を超えるってこともあるでしょう。


レミー「えっ? それってどういうこと?」


さぁ、そこらへんは次回のお楽しみってことで♪ ではまた~!


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