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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部11章『大ピンチ! リュウト包囲網!?』
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2話 「策略」

 暗い空間の中、蠢く影たち。影しか見えぬのではない、影のみが集まり会話しているのだ。


「我ら7大魔王も2人敗れた。」


「あのようなもの共に敗れるとはマモンもベルフェゴールも情けない。」


「いや、名ばかりのものと侮っていた我らの落ち度でもあろう。あのお二方に知られる前に・・・いや、すでに知られておろうが我らが罰せられる前に始末をつけねば。」


 自らを魔王と名乗ったその影は、全部で3つ。ならば足りぬ2つこそが・・・


「そもそも何故竜神は蘇った? あの方の方針では奴が下手に蘇らぬよう水面下で支配していくはずだったはず。」


「あのサキュバスの雌狐の失策だと聞く。だが、奴は仮にもあのお方の直属・・・もっとも、そうでなくとも死人に罰など与えられんがな。」


「そのようなことを話しても意味がない。問題はいかに奴を確実に葬るかだ。」


 ・・・僅かながらの沈黙の後、再び口が開かれる。


「ならば、俺が出向き始末しよう。」


「何を馬鹿な、今度失敗すればそれこそあの方の怒りを買う。」


「お、俺が負けるとでも言うのか!?」


 影のみで表情などあるはずもない身でありながら、発する気のみであたりに緊迫を漂わせる両者。もっとも、同席しているものはその程度で竦むものでもありはしないのだが。


「落ち着け。奴らはなかなかに手ごわい。それを失念しては足元をすくわれよう。」


「うぬぅ・・・確かにあのアシュラの奴がついているのだったな。」


「エルフと天使もなかなかに侮れぬ。そしてなによりも竜神と竜神剣・・・奴らの力は未知数だ。これ以上なく厄介な組み合わせと言えよう。」


 3つの影たちは再び黙り込む。どれほどの時が過ぎたころだろうか、影の一つが結論を出す。


「俺は他者など信用しない。それはお前たちも同じだろう?」


「そうだ・・・ならば方法は元より一つか。」


「だが、それこそが確実といえる。プライドは・・・今は目をつぶるとしよう。」


「「「我ら三人で竜神を血祭りに上げる!」」」






「で、ここが次の魔王の城? でも最近襲われなくて楽だね~。」


「そのために以前わざわざあんな大立ち回りをしたんだからそうなってもらわないと困るんだけどな。」


「ん~? なんかしたっけ?」


 レミー・・・キミはあの戦い(第2部9章)を覚えていないのか? いや、その意味を理解していないんだな、きっと。


「リュウト、レミーにそんな期待をするだけ無駄だといい加減気づいた方がいいぞ。」


「こいつの馬鹿さ加減は死んでも直らん。」


「ム~! なんかみんなが酷いこといってる気がするよ~!」


 ・・・レミー、気がするだけなのか? 思いっきり馬鹿にされ・・・いや、すでにその次元を通り越しているようだぞ。はぁ、結局俺が理解できていないってことなのかな?


「ん~? リューくんなんか疲れてる? これから戦いなんだよぉ~! ファイト、ファイト!」


 俺の疲れの90%はキミが原因なんだが? (ちなみに残り10%は前話のアキ)


「はぁ、まぁ、いまさら再確認しても意味もなし・・・そういうものだと諦めるしかないか。」


「そうそう、何事も諦めが肝心・・・ってレーチェル様も言ってたよ♪」


 ・・・きっと何のことを言ってるか理解してないんだろうけど・・・レミー? キミには諦めて欲しくないな。


「んじゃ、みんな準備はいいな?」


 こんなのんきな会話をしながら俺たちは玉座の間の扉を開ける。そこが今迄で一番の激戦の場などということは知る由もなく・・・

前半は不穏な会話。後半はほのぼの馬鹿話・・・これだけギャップがある話もそうはないですね。


レーチェル「この物語だとしばしばあるじゃない。あなたの文才がないから。」


・・・!? (作者逃亡)


レーチェル「ちょ、ちょっと、何で逃げるのよ。」


あ、えっと・・・前作でも、前々作でも(以前、とあるオンラインゲーム内で公開していました)あなたが単独であとがきに来るとろくな目に会わないので(特に前作)・・・。


レーチェル「ふ~ん、そうなんだ。そんなこと考えてたんだ。ふ~ん?」


あ、あの・・・まだ死にたくはないので・・・


レーチェル「大丈夫、死にはしないわよ。」


・・・ほっ。


レーチェル「だって私はレミー以上の回復の使い手よ? 大丈夫、死ぬ前に回復してあげるわ。何度でもね!」


・・・い、いやだぁ~~~~!!


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