最終部15章「夢魔の見る夢」7話「最強のコンビを」
「そう、だったらあなたの力、もう1度貸してもらうわ・・・アマテラス」
私の言葉に彼女がコクンとうなずく。こんな私なんかと付き合ったがためにあんな目にあったというのにまったく・・・そして
「カカッ、2人ならば勝てると? こちらも2人なのだぞ」
「ええ、私たちは2人そろえば負け知らずですから・・・1度を除いて」
そうね、その1度、レオンとの戦いが致命的だったというのはあるけど、それは間違いじゃないわ
「行きましょう、ルーン。あなたとのコンビではルナちゃんにもリリィちゃんにも負けませんよ」
「あらん、嫉妬かしらぁ?」
「ええ、随分仲良くされていたみたいですから」
冗談で問いかければ、素直にこんな言葉が返ってくる。これが打算や冗談で返したのならばやるわねと思うところだけど、この子はこれが素だから嫌えないのよね
「ふう、まぁいいわ。それじゃあ、やりましょうか。久しぶりのコンビ復活を派手にね」
「ええ!」
アマテラスが出した鏡、それはある意味では光の女神様の鏡のオリジナルともいえるもの。光の女神様は自分の水と光で鏡を作り出しているけど、アマテラスは神器・・・その性能は光の女神様の鏡を大きく上回る
そしてその鏡が放った光が『終焉を告げるもの』の無の中へと差し込まれ
「舐めないでもらおう。余の結界がその程度で晴れるとでも思ったか」
「まさかですね。この光は」
「こう使うのよ!」
私はアマテラスが作り出した光の道の中を突き進む形で無の結界に突撃する。この光は私には影響を与えない特殊なもの。そうつまりは以前、竜の坊やがスタースクリュータイプCでやったことと同じことができる。大出力の何かの中にいれば無の浸食を受ける割合が減る・・・違いと言えば、当時の竜の坊やの技などよりもこの光はよっほど高威力だということと光は消されてもあとからあとからアマテラスが供給しているからより消されにくいということ。だから
「ぬぅ!?」
「トントンと言ったところかしら」
さすがに無傷とはいかないけれど、消耗した分と同程度のエネルギーを吸収することができた。あとはこの無の結界から飛び出すだけ
「忘れてもらっては困るな」
けれど、そこに当然のように待ち受けていた『混沌より生まれし者』。アマテラスも妨害はしているはずだけど、光の供給と自身の防御も行っている関係上、この攻撃を行わせないことまではできなかった。でも
「それはこちらのセリフです!」
今まで攻防をやっていたのでしょうから忘れていたわけではないのでしょうけど、私が結界の中から飛び出ようとするということは光の中を逆走、そして少しでも出てくる場所を分かりにくくするために途中で光の中から抜けることを意味している
つまり、『混沌より生まれし者』が私へ攻撃しようとしている以上は完全にフリーになったアマテラスがその攻撃を代わりに受けることができる・・・完全防御状態の彼女の結界の頑丈さも健在のようね
「コンビネーションであなたたちには負けません!」
「ふふ、ごめんなさいねぇ。でも、そういうことだわ」
という感じでこれでほぼほぼ戦闘は終わりというところでしょう
ルーン「ええ、後は消化試合でしょうねぇ」
同じことを繰り返して消耗させていくだけですからね。おそらくは次の冒頭で勝負が決して
アマテラス「あとは私との交流ですね!」
・・・ルーンのことになると少女っぽくなるなぁ。ルーンほどじゃなくても結構な歳・・・
ルーン・アマテラス「何か言ったかしらぁ(言いましたか)?」
い、いえ! 何でもありません! と、というわけで今回はここでお開きです! 次回もまたよろしくお願いいたしますねぇ




