最終部15章「夢魔の見る夢」2話「食事の時間」
「仲間か・・・甘いわね、竜の坊やは」
かつて私をそう呼んだものを何度私は見殺しにしてきたのだろう。だからこそ私にはそんなものはいらない。竜の坊やもリリィも私の目標のための駒で
「でも、これが最後ね」
勝っても負けてもきっとこれが最後の戦い。私の、私たちのチップはすべて竜の坊やに賭けた。竜の坊やが進んだ先はレオンと竜の坊やような超越者かレオンが認めたものしか無事には抜けられない
その穴に手を伸ばしてバチリとはじかれる。一対一の戦いを、ゲームを望んでいるだろうレオンが他の者を招き入れるとは思えにけど、万が一にもこの先には通さない。竜の坊やの邪魔をさせるわけにはいかない・・・それに
「あら、レオンもなかなか気が利いているわぁ」
「ふん、血迷ったか淫魔? この数を1人で相手にできるとでも」
やってきた有象無象たちを見て私はそう笑う。返ってきた言葉にはちょっとカチンときたけれど、私は夢魔よ!!
「数が多い? それが・・・どうかしたのかしら?」
一番近くにいた数体がドサリと倒れる。その体がどんどんとやせ細れて行く姿に残りの者たちにも動揺が走っているみたい
「なっ!? これは一体・・・」
何を不思議がっているのかしら? 私は認める気はないけれど、あなたたちは私のことを淫魔と罵った。ならば、この私にとってもっとも栄養になる食べ物が何なのか知らないとは言わせない
「馬鹿な!? 触れてさえいないのだぞ?」
そんな低級なサキュバスと私を一緒にしないでほしいわ。これでも悠久な年月を生きたサキュバスのトップなのよ、私は!
「言ったでしょう? レオンも気が利いているわぁって」
これから大仕事が待っているのだもの、食事はしっかりしておいて損はないわ。こんなタイミングでこんなにたくさんのご飯を用意してくれたっていうのはまさに気が利いているわね
さらに数体が倒れる。私が食べる気になれば視界にいるものは男も女も無性も生きとし生けるものはすべて私のご飯。さすがに竜の坊やや悪魔の坊やぐらいのエネルギー量があると吸い尽くすのに時間がかかるけれど
「さぁ、本命が来る前にあなたたちを食べつくしてしまいましょう。あんまり美味しくはないけど・・・私、好き嫌いはあまりない方なのよ」
たまにこっそりと少しだけ食べていた竜の坊やの生気とかはすごく美味しくて、そういうのに比べたら本当にゴミみたいなものではあるけど、栄養には違いないしこれから消費する分を考えたら贅沢なんて言ってられないからね
というわけでルーンの戦闘・・・にすらなっていない食事の時間でした
アキ「なんか聞き逃せない言葉があったんだけど・・・リュウトの生気を吸ってた?」
え、えっとたまに食事に来ていたみたいですね。まぁ、リュウトのエネルギー量的には大した量ではないので問題ではないですが
アキ「大問題よそれは!!」
べ、別にいかがわしいことをしたわけではないので!? RPG的に言うと固定ダメージな毒みたいな感じですね。最大HPの何%とかではなくてがっつり固定で食らうのでHPが多ければ耐えられる的な
リデア「その吸収量がえげつないのよ、あいつ」
リデアからは大目に吸っていたみたいですね。減らす分にはルーンの気分次第なので・・・最大だと99999毎ターン吸収とかやっているイメージ? バグ的なHPか敵ボスとかのHPないとダメな奴です
リデア「なんであたしだけ多めなのよ!?」
嫌われていたんじゃないですかね、リターナ時代に。それにあなたも少々吸っても平気なHPの持ち主ですし・・・ってところで今回はここまでです。次回もまたよろしくお願いいたします




