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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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最終部15章「夢魔の見る夢」1話「最後の言葉」

「行くわよ、竜の坊や」


「ああ!」


 残った仲間はルーンのみ、そして残った距離もあとわずか。先ほど別れたレーチェルの神殿を走り抜け、地下の扉から異空間へ


「ここが・・・」


 ここに来るまでの間にメイから少し話は聞いていた。レーチェルは本来メイに任せて死ぬつもりだったためかばつの悪そうな感じで話してはくれなかったが


「ええ、かつての・・・レオンのネフェーシアよ」


 華やかな、けれど動くものがいない作り物の世界。あそこにいるのは昔のルーン? それに人間だがアキとメイにそっくりな2人


「鑑賞している時間はないわ、こっちよ」


「あ、ああ」


 そうだ、俺はいまさらこれを見に来たわけではない。ここまできたらするべきことはもう1つなのだから


「ここが・・・」


 テラスというよりも空中庭園というべきだろうそこにいたのはきっとかつてのマルト、そしてリデアの遠い前世リターナ。だが今見るべきはそれではなく、その先にあるという入口

 そして


「さぁ、竜の坊や、ここが終点よ」


 俺はその闇のような入り口に立つ。俺がここをくぐればレオンとの最終決戦、そしてルーンは数多くの敵に襲われるのだろう


「ルーン」


「あら? 私にまで死ぬなとかいうつもりかしら? 仲間ですらないのに」


 なんてルーンはすました顔で言うが


「いや、もう仲間だろ?」


 そう返せば、驚愕したように目を見開く。ははっこんな顔をしたルーンは初めて見たな


「とんだお人よしね、あれだけのことをしてきたというのに」


「そうだな、言いたいことも話したいことも山ほどある。たぶん、ほかのみんなもな・・・それは生き残らないとできないだろう?」


 確かにいろいろされた覚えはある。けれど、それを言ったらレーチェルも同じだしな


「・・・お互いに生き残らないと出来ないことよ」


「ああ、そうだな」


 一瞬の沈黙、お互いに顔を見合わせて


「・・・ちゃんと勝ってきなさい、信じているわ」


「わかっている」


 ルーンに背を向けて俺は闇へと向かう


「その入り口を無事に向けることができるのは超越者、今はレオンとあなただけ」


 つまり援軍はやってこない。そんなことはわかっている・・・あとは俺が戦うだけだ

 闇に触れる瞬間、最後にルーンに言うべきセリフ・・・様々な言葉はあるがそれは今度でいい。ならば


「ありがとうな」


 ああ、散々いろんなことはされた。中には許せないこともあった。けれど、それは全部この時のため

 俺がいま、こうやって俺が大切なもののために戦うことができるのはルーンのおかげなのだから・・・あいつがいまどんな顔をしているのかを見ることができなかったのはちょっと残念だったかもな

ルーンだって立派に仲間をしていた、というわけですね


アキ「リュウトのファーストキスを奪っていったのは許せない!」


そ、それまだ言いますか? 1部の頃の話なのに


アキ「すっごく大事な話だよ! 私が貰うはずだったのに!」


あの頃、まだアキはリュウトに告白はしていなかったような・・・それ以前に


アキ「?」


マリア「余計なことを言ったらどうなるかわかっているでしょうね、作者くん?」


わ、わかりました! もう何も言いません! ってことで真のファーストキスを奪った人は誰なのかは謎のままです! ってことで今回はここまで、次回もよろしくお願いしますね~

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