最終部14章「女神として、人間として」10話「決着と」
ライオスの前に現れる無数の巨大な魔法陣。魔法において鏡は鏡の見た目をしている必要はないわ。これは光を極限まで圧縮するという概念の象徴
1つ1つの魔法陣に物理的ならば圧縮限界を万倍は超える鏡が億、その魔法陣がさらに兆 展開・・・これならば届くはず
「ライオス!」
「ああ、ありがとう」
こんな、こんなことをしたやつにお礼なんて・・・そう思うのにライオスは自身を光に変えて突撃する。もともとライオスの速度は光ほど遅くはない。それがさらに極限まで圧縮され、原子よりもさらに小さな線になりながら加速する。そして、まさに一瞬静寂の後
「悪くない、悪くない感触だ」
レカムトロはそうつぶやき、そして音もなく倒れる。細くとも確かに闇を切り裂く光、それは永遠ともとれる時を絶望にさまよっていた彼に希望を届けることができたのかしら
そして
「大丈夫、ライオス」
突撃の後、姿が見えなくなったライオス。あんな無茶をしたわけだし、消滅してしまったのかと・・・それを覚悟して撃ったはずなのに気落ちしていたらドサリと空中から落ちてきた
いえ、正確には体が、彼の場合はすでに死んで魂だけになっているから魂がというべきかしら? とにかく再生が終わって落下したというわけね。だいぶボロボロで普通の生物だったら助からないというか死体にしても酷いありさまという感じだけど
「竜の体はこの程度は再生しよう」
なんて気楽にダロンは言う。この兄は一見弟のことをそんなに気にしていないように見せて、実はかなりのブラコンだから本当に大丈夫だと確信しているのでしょう
「そもそも元々死したる存在だ。今までだって消滅していないほうがおかしいのだからな」
なんて当のライオスが笑っているのだから心配していた私は何だったのかってところよ
「ライオス・・・」
「レーチェル」
私が呼べばさわやかな笑顔で私を見てくれるライオス。本当にあのころと変わらない
「ん? いや、レーチェル? 俺はまだ再生中で・・・いたたたあああ!?」
とりあえずいろいろ思うところがあったし腹も立ったからキャメルクラッチでも・・・随分と久しぶりにやったけどまだまだできるものね。ええ、劣化コピーにはまだ負けていないわ
「いつもいつもいつも無駄に心配させないでと!」
「いや、今回はレーチェルも共犯だろ!? それにここで無茶をしなかったらどこでしろと」
それはそれ、これはこれってやつよ! 本当に、乙女の純情ってやつをなんだと思っているのかしら?
「・・・弟よ、これを後継者に託してよいのか? お前が責任を持つべきなのでは」
そしてとんでもないことを言い出したダロンは一睨みして黙らせておく。リュウト君に余計なことを言わないように躾けておかないといけないわね。こっちはようやく幸せつかめそうだっていうんだからね
これでレーチェル最後の戦いは終わりです
リュウト「なぁ、俺これから最後の戦いなんだが先が怖いぞ」
まぁ、マリアのオリジナルですからね。そういう点もやっぱりレーチェルが元だったようです
アキ「い、遺伝子レベルで組み込まれている? あれ、でもそうすると」
レーチェルのさらにオリジナルもいるわけなんですよね。そこのところどうですか?
ルーン「・・・ノーコメントにしておくわ、私は次の章の準備があるから」
とまぁ、レーチェルの話は次で最後予定。そしてその次はラスト1人の彼女の話ですからね。というところは今回はお開きです。次回もよろしくお願いしますね~




