最終部14章「女神として、人間として」9話「かつての自分の重ねて」
かつて英雄として戦ってきただろうその姿にスキはない。命を懸けて真剣に戦った年月ならば私たちのほうがずっと長いだろうにいやいやながら戦わされた年月も十分にその技術を引き上げるものに足るものだったらしい
与えたダメージも千点裂破やさっきの攻撃で随分と重ねたはずだけど、復帰した気力はそれも凌駕している? そしてライオスやダロンはともかく私はそれ以上のダメージと消耗
「ふっ、くだらないわね」
自分たちの不利な状況を一つ一つ確認してそして意味などなかったと笑う。だって、どれほど不利でも負けることも逃げることもできない・・・そうでしょう? リュウト君
「行くわ! ミラーレイ!」
打ち出した光はどれほど圧縮され速度を増していても直線。そんな攻撃にわざわざ当たってくれるほどレカムトロは甘くはない。いえ、避けるほうが消耗が少ないと思う程度には評価してもらえたというべきなのかもしれないわ。でも
「「・・・」」
これならば行けると確信する私に返される2人からのアイコンタクト。けど、ライオスはともかく共闘した事なんてないダロンまで普通に私が何を考えているのか理解してアイコンタクトをやってくるのは腑に落ちないわね。私とライオスの間にあるものをなんだと思っているのかしら? 確かに彼が死んで今の一番は彼ではなくなったけど子供だって生んでいるのに
そんなことを言っている場合ではないだろうとまた2人してアイコンタクトを取ってくるなんて、本当に竜というものは戦いに関することならば何でも天才なのだから
「何を企んでいるかは知らぬが黙ってみているとでも?」
そう私たちの策をじゃあするために当然突っ込んでくるレカムトロ。けれど、その行動をこちらも当然予想していなかったわけもなく
「貴様こそ黙ってそれをさせてやるとでも?」
私とライオスも前に立ってレカムトロの突撃を防いだのはダロン。平然とやっているように見えてそれなりのダメージにはなっているはず
「レーチェル!」
「ええ!」
ダロンが抑えておけるのはあと少しでしょう。自由に動かれたら今の私の残り体力からみてよけながら実行するのは無理。だからこそ今すぐにやらないといけない、彼を・・・レカムトロも助けるために
そう、彼と少し前の私は同じよ。自殺もできず、逃げることもできず、希望もなく、自分が最も忌み嫌うことをやり続ける永遠の地獄。もう、彼こそそろそろ眠りにつかせてあげないといけない
「ライオスお願い! ・・・ごめんなさい」
「ああ、それに気にするな。俺はもともとこういう存在だ」
私はライオスの前に無数の魔法陣をレカムトロに向けて作る。私は強みは光を圧縮する鏡。そして彼は光の竜。そう、私がするべきことは彼を、ライオスを光の矢として・・・打ち出すことよ
と前回のレミーの疑問はこれで解決でしょうか
リデア「ために鋭いのよね、あのバカ天使」
何も考えていないが故の鋭さなんでしょうけどねぇ。思い込みがないというか
リデア「常識がないのよ。ところでこれライオスに」
・・・死んでいる奴に死亡フラグって立つのでしょうか?
リデア「・・・消滅フラグ?」
やめましょう、もっと悲惨になりそうなので。とこのあたりで今回はお開きです。では次回もよろしくお願いいたします~




