最終部14章「女神として、人間として」8話「残ったもの」
はるか遠い過去、かつて何があったのかの全貌を知っているのは今となってはレオンとルーンぐらいなものでしょう。断片的なものならばリデアちゃんも覚えているかも知れないわね
そして私も・・・私の精霊情報網はこの世界の過去ならば調べられる。けれど消滅してしまった世界まではどうにもならない。だからこそ集めたのよ、この世界にわずかに継承された情報の断片たちを
「絶望に踏みにじられたとしてもそれは消えたわけではないわ。希望はそんなに弱くない。こうやって受け継がれたものがいま私たちに力を貸してくれている・・・レカムトロ」
例えばそれは面々と受け継がれた竜神の力のように。。。そして私が口にした名前に彼がびくりとする
「なぜその名を・・・?」
「失われていなかったでしょう? あなたの名前だって」
そういう私に彼はレカムトロはさらに驚いたみたい。彼は言っていた、自分たちのせいで生まれた絶望だと
英雄レオンにも数多くの仲間がいた。でもその中で人間の火属性でレオンが徴用する存在といえば・・・レオンの実の兄であるレカムトロだと、そう思ったのよ
「そうか、消えていなかったのか、これほど長い間・・・残っていたんだな」
途方もなく長い時、世界さえも超えて残った自分の名にしみじみと思いをはせたように見えたレカムトロは次の瞬間には顔つきがだいぶ変わっていた
「ならば見せてみよ、継いだ者たちよ! その継がれし希望が闇を切り裂き絶望を貫く力を備えていることを!」
私たちもまた次の時代に受けついでもらった立場・・・でも彼から見れば受けついだ者ね
「レーチェル」
「貴様も残る側なのだぞ? まだまだあのヒヨッコたちには先導者が必要だ」
両側から私の肩をポンと叩いてそんなことをいう竜2人。私の内心を読まないでほしいわね
「読まれやすいのが悪いと思うぞ」
「ウム」
・・・こういう老獪さはたしかにリュウト君たちにはないところね。これだけは受け継がせないようにしないと
「くくっ、くくくく・・・くはっはっは! 悪くない、悪くないぞ、新しい時代の風か。だが、まだ冥途の土産には遠い」
完全につき物が落ちた顔で笑うレカムトロ。そして彼が言う通り、これは冥途の土産でもあるわ。レオンが勝ったら世界が滅びる、万が一があるとしたらリュウト君が勝って私たちが負けたケースかしら? でも
「ええ、きっちり見せてあげるわ」
何故誰も彼もが私を死なせないとするのかしらね? リュウト君にライオス・ダロン、あげくにルーンや多分だけどレミーたちもそう言いそう。それに私自身がまだ死ねないって本当は思っている。あれだけ死にたかったくせに現金なものね
「ライオス、ダロン」
「ああ、これが正真正銘俺たちのラストバトルだ」
「まさかもう一度希望を託されしものとして戦うとは思ったいなかったがな」
本当よ、でも・・・悪くない。レカムトロではないけど心からそう思うわ
ということでいよいよ次がレーチェルのラストバトルです
レミー「レーチェル様頑張って~!」
そしてレミーが出ると場がギャグになると
レミー「ム~? あれ?」
なんかレミーが気が付くのが怖いのですが
レミー「戦う必要・・・ある?」
・・・そこらへんもまとめて次回ということでよろしくお願いいたします




