最終部14章「女神として、人間として」7話「光と闇と・・・そして風」
「さて、先ずは我が闇を受けてみるか? ダークブレス!」
ダロンは今の見た目こそ私に合わせて人の姿をしているけど本来の姿は小型とは言え竜。その吐息は闇そのもの
「ふん! いまさら闇の息で視界を封じる程度がなんだと・・・何?」
闇の刃などあるいは灼熱の息などであれば警戒するでしょうけど、ただの闇で視界を封じられる程度ならばここにいる全員が脅威とはしないでしょう。でも私は知っている、あれがその程度のものではないことを
「我が闇が視界封じ程度の物だとでも? 5感の全てを封じるが故の闇! 怖かろう? 闇の本質、知らぬ訳ではあるまい」
属性としての闇は恐怖を司る。あの闇はまさに中にいる者の恐怖を増幅させる物・・・何も感じられない空間、その外に敵がいることを知っていればそれだけで恐怖でしょうけど。ちなみにダロンが伝えようと思えば伝えることは出来るからあの声は聞こえているのでしょうね
「だ、だが!これでは貴様らも攻撃できまい!」
近距離戦を仕掛ければ私達もあの闇の中に入ることになる。そして遠距離攻撃ならば闇ではない空間がそこにできる。それを察知して避けるぐらいのことはあの存在のスピードならば出来るかも知れないわね
「だが、俺たちには関係ない。そうだろう? レーチェル」
「ええ、そうね」
闇が恐怖を煽るのならば私たち光は
「光の竜と」
「光の女神の共演をその身に受けてみなさい」
光は闇を切り裂く。先陣を切って希望となる者! 私達はリュウト君たちのために希望を見せつけてあげればそれでいい。その思いと共に闇へと飛込み斬撃を与える。私もリュウト君にすでに力を渡した残りに過ぎないライオスもそこまでの力はもう残っていない。それでも!
「ヌッ、だが! 甘い!」
ダメージは確かに積み重ねた。けれど爆発的に広がった炎に私達は吹き飛ばされる
「甘いのは主だ」
そこに追撃を行ったのはダロン。折れかけのシャドーブレイカーを持つ私や愛剣である竜神剣がすでにないライオスと違いダロンの武器は己が爪。その打撃は私達の攻撃よりも深く刺さる
「主はいい加減眠ると良い。主も我ら兄弟も新しき時代には不要だ。深き闇の底は眠るには都合が良かろう」
光が先陣を切る希望ならば、闇はそこに留める鎖。それは時に甘き眠りを伴う。だったら
「新しき時代・・・だと?」
「そうだ、我らが後継者が導く時代だ」
リュウト君も光、闇を切り裂き希望を作り出してくれる。でも彼の特性は光以上に目立つものがある。それは・・・風
「風は思いを集め」
「そして広げる」
リュウト君の元へは様々な思いが集まり、そして彼を強くする。同時に彼の強い心が仲間たちに伝わる。リュウト君がいなければこの戦場に一体何人の者が残っただろう。少なくても私はいなかったわ
「認めぬ、認めぬ! かつてもそうやって新しき時を求めた者たちがいた! けれどそれは全て・・・やつに踏みにじられたのだ! 我らのせいで生まれてしまった絶望に!!」
その絶望はきっと私達の希望が貫ぬいてくれる。だからせめて未だに過去に縛られているこの存在は・・・私達が救って見せましょう
ライオスとレーチェルは似た特性を持っています。そして
リデア「兄さんはそこに風の力がある」
まぁ、レーチェルは水の力があって合わせて鏡なんかを使っていますし、ライオスも多少風属性も使っているんですが
アキ「リュウトのメインは風属性だもんね。逆に光はあんまり使わないけど」
あいつ風竜ですからね。集めることと伝えることは得意なのです。高速の突撃とかは風と光を合わせたりしていますが。とまぁ、能力考察はこの辺に致しまして今回は幕引きと致しましょう。では次回もまたよろしくお願い致します




