最終部13章「氷炎の乙女たち」12話「アキとミリー」
「リデアもレキュオスもやらせない。『我が思いの形は常に一つ・・・汝の力を借りて、ここに現出させん!』リュウト! 力を貸して!! ドラゴンソウル!!」
おそらくリデアを守るために張られたレキュオスの結界。そしてそのレキュオスにヒビが入ってきているのを確認した私はとっさに近くにいたニャーニャーを盾として放り投げたいのを我慢して助けるための行動に移る。私は防御も回復も出来ない、私が出来ることは攻撃だけ。でもそれは最大の防御とも言われる
私の魔法『エルファリア』、それはドラゴンソウルと同威力の炎の木の葉を無数に作る魔法。そう話しているけど厳密に言うと少し違うんだ。魔法にはデフォルトの消費というのがあるの。これは定量ではなくて割合で変動して、エルファリアだと私の全快からみて4割ほど消費する。消費量を抑えれば威力が減って3割を切ると発動しなくなる・・・だったらもっと注ぎ込んだら? その威力の跳ね上がり方は実は単体のドラゴンソウルの方が大きい
「ご、ご主人様! これ以上は・・・!」
「駄目! これじゃまだ足りない! もう少し、もう少しだけ無理をさせて!」
魔法杖ミリー、彼女の中に収められた100の魔法陣。その中の直接・間接問わず、魔法の威力を底上げできるものをフル動員してトコトンまで威力の向上を図る。例え生き残れてもそうとうな反動が後で来るのは確実ね
「無理も無茶もリュウトは止めてくれなかった。だから・・・私も仲間を守るためならばこのぐらいは!」
リュウトの無茶はもっととんでもないもの。彼の横に立つ恋人だったら、このぐらいは出来なくちゃ駄目だよね? きっとリュウトはそんなことないって言うだろうけど
「・・・仕方ないですね。美味しいご飯はたっぷり頂きましたし・・・私も覚悟を決めましょう」
えっ? ミリーは愛を原動力にするって言う不思議な杖。つまり彼女の言う美味しいご飯はその私とリュウトの・・・って事なんだけど、覚悟って? そんな疑問の答えとでも言うように私に流れ込んできたエネルギー量が激増して
「ミ、ミリー!?」
「・・・私が今までため込んできた予備のエネルギーです。一万年は稼働出来るぐらいにため込んできたんですけどね」
で、でも! それを使ってしまったら!
「今まではご主人様を見送ることしか出来ませんでしたから・・・最後ぐらい見送られるのも良いでしょう」
そう言うと同時にすでに今までに無く巨大化していたドラゴンソウルがさらに巨大になって敵を完全に飲み込んでいった。パキンという軽い音を立てて魔法杖ミリーが砕け散った、その音だけを残して
ということでアキ&リデア、最終戦無事に決着です!
リデア「無事じゃないわよ!?」
アキ「ミリーはどうなったわけ!?」
っとと、まぁ、ヒントは実は僕が最近ポロッと言っていたりするのですが、とりあえず次回までお預けです
アキ「ううっ、無茶させてごめんなさい」
リデア「ワタシも・・・レキュオスを守るために」
なんか2人が随分落ち込んでいますが・・・本人はどう思っているのだか。というところで今回は短めに終わらせておきましょう! 次回もまたよろしくお願い致しますね~




