最終部13章「氷炎の乙女たち」8話「趣味」
「くっ! そろそろ倒れなさいよ!」
「マスター、落ち着くのですよ~」
「あんたは落ち着きすぎよ!」
そんな漫才を横で聞きながらも私も危機感を持つ。レキュオスとミリーの雰囲気が緩い分、過度な緊張感は緩和されている気もするけれど、状況が危険なことには変わらない。まさか本番と思っていた相手があんな大群で一匹一匹強いなんて
「・・・にゃ~、ここはニャーニャーが特攻して・・・」
「「無駄死にだから止めて(止めなさい)!」」
「にゃ~~~!? ひ、ひっどいにゃ!」
だってあなたが特攻して何になるのよ? 軽く返り討ちに遭って盾が減るだけの未来しか見えないわ。それにいくら大丈夫だって分っていても目の前でバタバタ死なれるのは精神的に辛いのよ
「まっ、特攻するのならばワタシが適任ってものよ」
「・・・マスター、年増ですものね」
「誰がよ!? 前世以前を歳にカウントするんじゃないわ!」
レキュオスがやっぱりおちゃらけているけど、たぶんレキュオスも止めて欲しいのだと思う。でも3人の中で誰が1ばん適切かと言えばリデアなのは間違いない。それは長時間持って有効な攻撃方法も多才だから・・・でも!
「特攻なんて・・・誰にもさせないわ」
リデアを犠牲にして勝ってもリュウトは喜ばない。それはきっと私がしてもそうだと信じている
「・・・アキ、綺麗事じゃ勝てないわよ」
「ええ、だから泥臭いことをするわ」
綺麗に格好良く、そんな余裕のある戦いじゃない。だからリデアにもニャーニャーにも格好良く突撃して散るなんて認めない! ズタボロになって、泥にまみれて、生きているのか死んでいるのか分らない、そんな格好悪さ
「ワタシの趣味じゃないわね」
「リデア・・・」
「ワタシだったら転生できるのよ」
それはリデアの特性。いえ、本人が言うには呪い。でも、リデアは死ぬことを、今のこの記憶の大部分と感情を失って別の生を生きることを誰よりも怖がっている、そのことを私は知っている
「でも、それはリデアじゃないでしょう? それにたまにはさ、私達じゃなくてリュウトの趣味に合わせてみるのも良いんじゃないかな?」
私はあえてそう明るく言う。リュウトは何時だってズタボロになって、よく生きているなって感じになって帰ってくる。私達、みんなを守るために
「・・・プッ! アハハハハ! そうね、そうよね! 兄さんの趣味だったらやってあげても良いわ、今回だけね!」
そんなリュウトを何時も見ているのはリデアも同じだから、きっと私の意図が伝わった。だって、あんまり見ていないニャーニャーは首をかしげているもの
あと、私もこんなことは今回限りにしたいわ
「いいわ、乗ってあげるわ。あんたたちの趣味! レキュオスも良いわね!」
「仕方ないのですよ~。報酬は睡眠1万年間なのですよ」
「私の趣味じゃないわよ!? でもミリーも頑張るのよ」
「私には確認ですらないのですか!? でも、ご主人様のためならば仕方ありませんね。はぁ、けなげな私です」
お互いにそんなやり取りをしてニヤリと笑う。やるべき事は1つだけ。限界まで、そう本当に限界の限界まで力を振り絞ること
と言うことで前回のあとがきのようなことを前半やってますね
リデア「絶対にそう言う意図でやっているんじゃないわよ、あいつら」
アキ「あはは、私もはっきりとは言ってあげられないかな」
と持ち主さえも疑問を呈していますが・・・戦いはいよいよ決着へ、ですね
リデア「華麗な勝利って物を見せてあげるわ」
アキ「だから華麗じゃないんだけどね」
えっとアキとリデアのにらみ合いが始まりましたので今回はここまでです。次回もまたよろしくお願い致します
最終回AIで作成してみよう アキ=シルフォード=エルファリア
アキ「最後は私だね!」
頂き物の絵もありましたし、メインヒロインでもある・・・という理由でですね
アキ「理由なんて別に良いんだよ。最後を取るって言うのが大事なんだから」
ということで何だかんだとそれなりの数を出してきましたAIによるお絵かきも今回までです。今回は補足することも特にないのでここで終わりとさせていただきます。物語もいよいよ終わりが見えてきた頃、最後までよろしくお願い致します




