最終部12章「遙かなる時を超えて」8話「もしも」
「ヌオッ!? う、動けぬ!?」
私程度の力ではどんなに策を弄し罠を張ろうとも大した攻撃力にはならないわ。ならば短時間でもいい、完全に行動が出来ない瞬間を作り出す方が効果的というもの。あの魔法陣は動きだけでなくエネルギーの放出による防御力向上も封じるわ。流石に素の防御力まではどうにも出来ないけど
「こ、こんな小癪な魔方陣などすぐに・・・」
「それを黙って見送る俺と思われていたとは心外だ」
そしてレヴァートもいくら瞬間とは言え、その隙を見逃すほど抜けてはいない。魔法陣が完成する瞬間に防御態勢を取られてしまったために首や頭は狙いにくいけど、その胴を袈裟斬りにして・・・
「ググッ・・・ハッハッハ、それでもまだ俺を殺すには足りなかった見てぇだな。後はこの魔法陣を・・・」
「いえ、十分です」
攻撃を受ければ不可能でもとっさに防御しようとする。そうすれば魔法陣が破壊されるまでの時間は僅かに延びる・・・発動させた私が攻撃を開始するのが間に合う程度には
「散りなさい、メイ・スペシャル!」
鞭の乱打、こんな名前をつけたアキには言いたいことはあるけれど、意外と名称がついているということ、その名称をいうことでの言霊の強化は侮れない・・・やっぱり名前は文句を言うべきね。私もアキの鞭の乱打にアキ・スペシャルとかつけたけど
「「「「ゴクリ、お姉様の鞭。う、羨ましい」」」」
本当にこの子たちはどうしてこうなったのかしら? これ、あなたたちにやっている痛いだけの打ち方ではなくて殺傷能力に重点を置いている技よ?
「トドメです」
そんな四季の女神たちに呆れながらも最後の一撃を放つ。動きを、防御を封じられた状態、それもレヴァートの一撃で十分な損傷を負っている状態でこれだけ受ければ・・・まだ死には至っていないみたいだけど、抵抗できる状態じゃないわ。いえ、その死まで何もしなくてもあと僅か
「はははっ、こんな罠なんかを仕掛ける奴に負けるとはなぁ」
「・・・元より私には策を弄し罠を張る以外のことは出来ませんので」
魔法も物理もエネルギー量も、私には全く才能がありませんでした。どれほどの努力を積み重ねても、リュウト君の仲間の成長を引き上げる力を間近で受け続けても、私の成長などリュウト君の周りにいる天才たちには遠く及ばない。最弱の私にはこの道しか最初から無かった
「はっ、そういう所も全く変わっていねぇよ」
「・・・私はメイです。たとえ過去がなんであったとしても、カーザム」
「へへっ、その名は捨てた。今の俺は『鉄槌を下すもの』・・・やっぱりてめぇはメディカだよ・・・そんなところも俺は・・・」
ふとよぎったこの名前、この記憶。もしも、もしもメディカがレオンではなく彼を、カーザムを選んでいたのならば未来はどんな姿になっていたのかしら? メディカを見ていたのは間違いなく彼のはずで・・・やめましょう。そんなもしもに意味はないわ。それに
「リュウト殿に出会えそうもない『もしも』など考えたくもないですね」
だから、きっとこれで良かったのだわ、きっと
メイはかって重要な分岐を選んだ張本人かもしれません。でも
メイ「過ぎたことを悔やんで時は戻りません。少なくてもリュウト殿がいる限りは」
地味にリュウトの過去改変禁止能力は強力です。まぁ、変えられたらパラレルワールドが生まれるだけで今の世界が変わるわけではないって意味なんですが
メイ「私が、仲間たちが、変わった過去と未来を得られないのならばパラレルワールドがどうなろうと意味なきことではないですか」
そっちがより幸せとも限りませんしね。とこんな感じでちょっとしんみり?したところで今回はおしまいです。今回のがこの章の最後なので
メイ「次章予告ですね。『次なる主役は炎と氷? 相反するように見えてその本質は・・・竜神伝説最終部第13章「氷炎の乙女たち」炎と氷、どっちがお好きですか』・・・あなたたち、まだ乙女を名乗るつもりなの?」
第17回AIで作成してみよう アシュラ=ストロングス
アシュラ「ふん、オレの見た目など今更だろう」
まぁそうなんですが、アシュラの見た目が描写されたのって最初の方だから白毛の狐とか忘れている方も多そうだなぁと
アシュラ「どうでも良いことだ」
イメージというのも大事ですから! とまぁ、アシュラに関してはこんな感じですね。とりあえず今回が初の男キャラと来れば次は・・・




