最終部12章「遙かなる時を超えて」7話「切り札の意味」
「お、お姉様、私達はどうすれば・・・」
「そうですね・・・命を賭ける覚悟はありますか?」
どうしてこの問いに悲痛そうに押し黙るのかしら? 戦いなんて最終的には生きるか死ぬか、自分の戦いでも助太刀でも戦場に出てきて死ぬ覚悟が出来ていないでは話にならないわ
「お、お姉様が望むならば自爆でもします! で、でも、他の子たちは助けていただけると・・・」
「だ、駄目じゃ! 自爆するならば妾が!」
「ううん、僕だよ!」
「私です!」
いえ、どうして自爆する話になっているのかしら?
「あなたたちが自爆しても大したダメージにはなりません。無駄死にしろとは言っていないのですが」
だから、そこで落ち込まない。そんな時間は無いわよ・・・まぁ、レヴァートが前に出ている今ならば時間はあるけど
「あなたたちにやって貰うことは・・・出来る?」
「「「「はい!」」」」
返事だけは良いのよね。大丈夫かしら・・・無駄に痛い方向に行かないで欲しいわね、成功率が落ちるから
「レヴァート殿、私がメイン・・・とまで言いませんが、サポート程度はさせて下さい」
「ふっ、一対一の戦いにとはいわんさ。乱入したのは元より俺の方だ」
「チッ、てめぇらの方が数か。しかし、元々てめぇの戦いのくせにメインはやらねぇとはやっぱり腐ってやがるな、メディカ!」
「私はメイです」
そして、何とでも言えば良いわ。腐っていようと、折れていようと、私はリュウト君とアキのために勝利をつかみ取る・・・死んでも勝つなんて手段を認めてくれる2人ではないのだから
「ふっ、行くぞ!」
「ええ、スプラッシュ・カッター!」
作り出した水のトンネルから無数の水の刃を飛ばす。私の持ち技の中では一番高威力なこれならば、レヴァートが飛び込む牽制程度にはなるわ
「しゃらくせぇ! 自分が死ぬのを嫌がっているような奴の攻撃なんぞ浅いんだよ!」
誰が死ぬのをいやがっていると? 確かに水の刃はそれほどのダメージになっておらず、レヴァートと水の壁に守られた私は消極的な攻撃と言えるわ
「それは俺にも言えるか!? こっちはすでに死んでいる身だ!」
「はっ、死だったらこっちの方が先輩ってもんだ!」
・・・やはり。いえ、今は関係ないわね。あの4人は・・・もう少しね
「その首貰うぜ!」
「させません! ウォータ オブ リバー!」
戦士としての技量の差か追い詰められたレヴァートの首をはねられないためにも、本来の使い方とは違うけど水に押し出される形で加速して敵に体当たりをする
「なっ!? 臆病者は引っ込んでいろ!」
振られた剣は私の顔を深く傷つける。レーチェルさんに頼めば治してくれるかしら? 死ぬよりはマシだし、傷ぐらいならばリュウト君も許してくれる・・・といいわね
「間に合ったようね」
そして完成する魔法陣。私の方がここに先に来ていたとはいえ、大がかりな物を用意するには時間が少し足りなかった。残りは戦いながら、それこそ死んでも描くつもりだったのだけど彼女たちが来てくれたお陰で助かったわね
「「「「お姉様! やりましたよ!」」」」
グッと四方向に散らばった女神たちが指を立てる。予想のとおりレヴァートから離れた場所では敵の配下たちが襲ってきたみたいで血だらけにはなっているけど生きてはいるわね
「て、てめぇ!?」
「語ることはもうありません。私が切り札を切った以上は・・・大人しく私が一番好きな顔をして死んで下さい」
切り札とは切れば必ず勝利できるもの、それが私の流儀よ
メイの戦い方、実際にはそこまで余裕はないのですが余裕に見えてしまうのがメイらしさです
アキ「お姉ちゃんはいつでも全部計算のとおりって顔しているから」
実際にかなりの部分が計算どうりな訳ですからね。おまけに計算外のことが起きてもすぐに計算しなおして立て直しますから
アキ「私、お姉ちゃんに勝てる気しない」
メイに勝つのならばリュウトのように問答無用のパワーか手数の多さを使うか、レミーのような予想不能に持っていくかなんですよね
アキ「本当にお姉ちゃんの天敵なんだね、レミー」
素の実力自体は実は一番弱いですからね、メイ。全く予想できないレミーは本気で怖いと思います。と言うところで今回はここまでです! メイの切り札の詳細が気になる人は次回も見に来て下さいね~
第16回AIで作成してみよう リデア=アルバート
リデア「ふふん、とうとうワタシね! 主役は最後ってものよ!」
別に最後ではないのですが、後ろの方ではありますね
リデア「う、うるさいわね。そしてこの美貌!」
どっちかというとリュウト一行の中ではパッとしない方
リデア「何なのよ! さっきから!!」
っと、これ以上怒り出さないうちに補足だけ。今回の絵は普段着のゴスロリスタイル。戦闘中はタンクトップで戦う子ですね~




