最終部11章「闇への回帰」9話 「怒る理由」
リリィは安心したのか眠ってしまい・・・何てことは流石になかったさけど、少し赤く腫らした目でニッコリと笑う姿は私が生きていた頃のリリィのようで安心するさね
「さて・・・」
むしろこっちが本題とリリカの方を見れば彼女も分っているのかビクリと震える
「ご、ごめんなさい」
「あ、あの、あんまりリリカを怒らないであげて」
はぁ、リリカは一体何に対して謝るべきなのか分っているのさね? 自然にリリカを守ろうとしているリリィは姉として成長したさねぇ。いや、私が生前の頃もこんな感じだったかも知れないさね。偶々あの頃はリリカも落ち着いていたからこんな風に怒ることが無かったと言うだけで
「リリカ、私がなんで怒っているか分るさね?」
「そ、それは・・・お姉ちゃんを刺しちゃったから」
やっぱりそんな風に思っていたさね。それは怒っていないわけではないけども
「それの怒りはそそのかした奴にほとんど向いているさね。引っかかった未熟さは鍛え直してあげるさけど、怒るものではないさね」
あの手の能力は心の底に眠っている感情をさらってくるようなもの。あの状況下で真実を知らなければ全く負の感情を抱くなと言うのも無理だろうさし、相手も暴走させることを狙って仕掛けてきているのだから後は技量の勝負さね
それに刺されたリリィが怒るどころか庇っているのに私が怒ることでもないさね
「えっ? じゃあ」
「私が怒っているのは何時までも復讐に捕らわれたことさね」
私の事なんて忘れて・・・とまでは言わないさけど、復讐なんて考えずに暮らしていればリリカもリリィも幸せだっただろうさね。そこら辺はやっぱりそそのかしたルーンにも随分怒りの矛先が向かっているけど、能力で操られたわけではないさね。これほどの年月を過ごす前に冷静になれなかったものさねぇ? 年月を過ごしてしまったが故に凝り固まった、と言うのも分らないわけではないさけど
「だ、だって! ルナさんが殺されたのに私だけ笑って・・・あいたっ!?」
言い訳をしようとするリリカの頭にコツリと拳骨を落とす。1人だけじゃない2人いたのだからお互いの幸せのために過ごせば良かったのさね
「うう、痛い・・・」
「悪いことをしたら怒られるものさね」
黒く、どす黒く歪んでいたリリカの属性。闇は確かに色でいれば黒と表現されるさね。でもさっきまでのリリカの色は闇の黒ではなくて腐って濁った黒。今は・・・ちょっとだけ闇の黒に戻ったさね
「2人が幸せでなければ私が安心して見てられないさね」
「だったら、だったら! このままずっと一緒にいてよぉ」
おやおや、こっちも随分泣き虫に戻ったものさね。もしも、もしも竜神が勝って、世界が平和になったのならば閻魔に直談判をしても良いかも知れないさね。多少なりとも勝利に貢献したことを材料に幽霊をやってみるのも面白いだろうさね・・・リリカが元の漆黒の闇へと回帰するためにも
と言うことで章タイトルを回収したところでこの章は終わり・・・この3人がどうなるかを描くためにもリュウトに勝って貰った上で交渉を頑張って貰わないとですね
ルーン「ふふっ、そうしたら私も怒られてしまうわね」
随分楽しそうに怒られそうですけどね
ルーン「あら? 怒られるのが楽しいほど私の性癖は歪んでいないわ」
・・・性癖は歪んでいると思いますが、そもそも怒られるのを性癖にしないで下さい。と、ルーンが不貞腐れたところで次章予告です
ルーン「不貞腐れてなんかないわよ。はぁ・・・『いよいよ味方の数が減ってきたところで彼女が動き出す。勝利の目を少しでも大きくするために見えざる戦いをし続けた彼女の最後の戦いの時。竜神伝説最終部12章「遙かなる時を超えて」あなたはちゃんと見に来て夢魔の遊び相手になってくれるかしら?』彼女が出てくること自体がこの物語の終わりが近い証拠ね」
第9回AIで作成してみよう カーミラ=エルプレスト
カーミラ「ふむ、我じゃの」
黒髪の女吸血鬼というのを前面に出しているカーミラさんです。この端正な顔とマント・・・言うことはありません
カーミラ「これでも美貌揃いのバンパイア一族の姫じゃからの」
ちなみに一般的なバンパイアイメージのきっちりとした服よりかは少し露出の多めな服をしています。まぁ、ズボンじゃなくてミニにはならない程度のスカートをはいているとかそんなレベルですが
カーミラ「尊厳を損なわぬ程度に我が君を誘惑するのは骨が折れるのじゃ」




