最終部10章「雪鏡に映るもの」9話 「あの時を今だけでも」
「これで・・・終わりよ!」
残った敵はもう1人の私が言うには転生に依存するだけの雑魚と言うことでそれほど時間も掛けずに全滅させることが出来ました。でも
「それで最大の問題はどうかしらね? べ、別に心配しているわけではないけれど」
何故かリデアさんのようなことを言っているもう1人の私ですが、それは心配しているというのではないでしょうか? でも、雪分身を解かずにこうしてみている私も同じで・・・
「こういう時は・・・」
「「「「あんたは黙ってみていなさい!」」」」
「・・・はい」
えっと、あそこの雪女さんは一緒に来られた4人にお任せしておきましょう。それで
「あ、あの、お母さん・・・って呼んでも良いんだよね?」
「! そう、呼んでくれるの?」
そう返された答えにククルさんはコクリと頷いて、あの女の人に飛びつくように抱きつきました。私もそこまで詳しい話を聞いたわけではありませんが、ククルさんの過去? 前世というのはちょっとだけ聞いたことがあります。きっと、あの人がククルさんの前世のお母さんなんですね。今世のご両親にはたまに会いに帰っていたみたいなんですが
「・・・両親ってどんなものなのかしらね」
そうもう1人の私が呟きます。私達、雪女は自然の冷気が凝縮して生まれますから親はいません。あえて言えば自然や山が親なのですが
「きっと、私にとってのあなたみたいなものなのです」
「わ、私は姉!」
わ、私って妹だったのですか!? 体の誕生は同時ですし、精神的は私の方が先に生まれていたはずなのですが・・・でも顔が真っ赤なのは怒っているからではなくて恥ずかしいから? 悪くは思っていなさそうなのです!
「お母さん、ごめ゛んなざい、わだし・・・」
「いいのよ、あなたが幸せならばそれで・・・幸せなのよね?」
「う゛ん、どっても・・・」
私、あんなククルさんは初めて見ました。何時だって優しくて、ちょっと怖いところもあって、でもみんなのためを考えて動いてくれた人。でも、ああやって小さい子供のように泣いている姿が凄く自然で良いことのように思えるのです
「グズッ、よ、よがったわねぇ~~~」
「あんた、悪ぶっているくせにこう言うのにも弱いのね」
え、えっとあちらはもうあちらに任せても良いのでしょうか? もう1人の私もちょっと頭を抱えています。それで
「あら? 寝ちゃったのね・・・」
ククルさんの前世のお母さんは抱かれながら泣き疲れて寝てしまったククルさんにちょっと嬉しそうにしながら、私達の方を申し訳なさそうに見ます。きっと、私達の状況は知っているのですよね
「表の私、少し休んでおきなさい。私はあいつを少し説教してくるから」
「はいなのです!」
そう言ってあの変わった雪女さんのところに行くもう1人の私はやっぱり優しいと思うのです。でも、リュウトお兄ちゃんにその怖い顔を見せるのは色々マイナスだと思いますので、ここでちゃんと発散していかないと駄目ですよ?
と言うことでククルちゃん&ユキの章は終わりです・・・ポンコツ雪女が随分悪目立ちしましたが
リデア「そんなことより何でまたワタシの名前が出るのよ!?」
そりゃ少なくてもうちの物語では代表格でしょう? ツンデレの
リデア「ワタシはツンデレじゃな~~~~い!!」
本当にいつまでそれを言い続けるのか。あっはい、黙ります。なので、氷漬けは勘弁して下さい
リデア「あなたこそ何回同じ失敗したら学習するのかしらね。はぁ、次回予告なんでしょう? やってあげるわよ。『次に残るはまだ戦闘をしていないあのメンバーから? 彼女たちが何故に戦うのか、その秘密がとうとう明かされる。竜神伝説最終部11章「闇への回帰」真なる闇の世界へようこそ』・・・ところでワタシの出番ってまだなのかしら?」




