最終部10章「雪鏡に映るもの」8話 「反射するのは」
「あと少し、あと少しだけお願いします」
私が考えていること、それは恐らく出来ると言うだけでやった経験があるわけじゃない。だから勿論、成功の保証なんて言うものは全くないのに当たり前のように協力してくれる2人。それに
「あなたは私が守ってあげるんだから!」
私が知らない圧倒的に長い時間に何があったのかはわからない。それでも普通の人よりはずっと強くてもレーチェル様に特殊な種族として生まれ変わらせてもらい特訓も受け、そして今までリュウトさんと共に戦ってきた私よりもずっと弱いのにこうして私の前で盾になってくれようとしている人
こんな状況だったから駆けつけてくれた雪女の5人姉妹?はとっても助かるわ
「うふふふ、この私の守りを抜けられると・・・あ~~~! ちょっと待って~~~!」
・・・1人ほど凄く頼りないというか大丈夫だろうかって人もいるけどユキも他の4人も彼女がミスすることを念頭に置いて動いてくれているから大丈夫。あの人も性格的に駄目なだけで実力はあると思うんですが
「あと少し、あと・・・! ユキ! 今よ! あいつにとどめを!」
「! ようやくね!」
別にこのタイミングでないといけないというわけではなく、最短がこのタイミングと言うだけだけど表のユキが周囲の警戒をしてくれているから裏のユキが合図に即座に動いてくれる
「これで終わりでいいらしいわ。そろそろ死んでおきなさい、ピンポイントフリーズ!」
この転生は攻撃力はまだしも守りも体力もしぶとさも無い。いえ、それが必要なかったというのは分るわ。でも、倒すこと自体は簡単なの・・・あとは
「何度やっても無駄だと言うことが・・・」
「無駄なのはあなたの方よ」
「な・・・に?」
本当、成功して良かったわ。最期の言葉があんな2流どころか3流にもならない定番だと言うのもあのしつこいだけの敵にはふさわしいでしょう
「アレは何をやったのですか?」
一番危険な敵を封じた、と言うことで一瞬だけ出てきた表のユキがこう話してくるわ。いえ、出てきたと言うよりは後は掃討戦だから雪分身で攻撃に参加したのね。確かにさっきまでは1人増えるよりも警戒しながら戦える状態の方が良かったかも知れないもの
「簡単よ、反射したの・・・転生という特性を」
「特性を反射・・・ですか?」
その言葉に私は頷いて、そして私も掃討戦に参加する。もうあいつは気にする必要は無い。あの場でずっと立ちすくんでいるだけ・・・いえ、死に続けているだけなのだから
「強力だけど守りは弱い・・・アレじゃあ駄目ね。たぶんリュウトさんの特性は反射とかとても出来ないわ」
強力な攻撃は反射出来ないのが私の弱点の1つ。それはきっと特性でも同じ事・・・リュウトさんだったら存在の剣で転生の特性そのものを切り裂くとかで簡単に倒してしまえた。そんな敵だから反射、いえ反転できた。転生、一瞬の死の後に復活するのではなく、転死とも言える死の隙間に一瞬の生を受け続けるだけの存在にね
「さぁ、一気に行きましょう。後は雑魚だけだから」
「はいなのです!」
「あなたが仕切らないで欲しいわね」
そんな返事にクスリと笑みを返して、私はこの後のことを考え始めていたわ
ここに来て出てきたとんでも反射! と言ってもため時間がかかりますし、特性反射出来るような相手は通常ならば苦も無く倒せるレベルなので今回のような特殊ケース以外は意味は無いのですが
レーチェル「うんうん、さすが私の弟子ね」
・・・あなたの弟子はレミーでは?
レーチェル「あの子もだけどククルも弟子よ? いえ、むしろリュウト君たち全員私の弟子よ?」
そんなどこぞのお姉ちゃんみたいの師匠バージョンみたいなことを・・・そうかあのお姉ちゃんのオリジナルか
レーチェル「あの劣化コピーと一緒にしないで欲しいわ」
マリア「何か言ったかしら? オリジナル?」
ま、巻き込まれないうちに今回はお開きにしましょう! と言うわけで今回はここまでです! 次回もまたよろしくお願いしまギャ~~~~~!!??




