最終部10章「雪鏡に映るもの」7話 「姉、襲来」
「死んでいなければ転生は出来ないでしょう? 封じてあげるわ、永遠にね」
そう笑ったもう1人の私はその後も何人も凍らせていきます。でも、どうしても氷を砕いて出てくるものもいますし、味方の氷を砕いていくものもいます。それも死んでもそれはそれで構わないという乱暴さで素早くです
『左から3人来るのです! あとククルさんの方に1人、あの女の人の方にも1人です!』
『わかったわ』
もう1人の私は敵の動きを封じるのに精一杯です。だから、周囲の状況の把握は私の役目です! こんなことしかできない事を悔しく思いますが、今はそんなことを嘆いている場合でもないことは私だって分っています!
「足手まといが多いと大変そうだな」
「・・・そんな存在はいない」
そうなのです! あの女の人が誰なのかははっきりとは分りませんが、ククルさんの大切な人でそしてククルさんが何かの覚悟をしたきっかけな人です! だったら私達の切り札になってくれた人ですし、そんな理由がなくても私達の味方なのです!!
「少し・・・黙っていなさい」
彼女に迫った敵を凍らせるときに攻撃を受け手もう1人の私が顔をしかめます。体は私も同じですから痛みは感じますが・・・
『やっぱり私も参加するのです!』
『それはもう少し待ちなさい』
私の体となるものはもう1つあります。今までの戦いだったらすぐに使っていた雪分身・・・純粋に私が囮になれるだけでも分散するはずですし、私だって戦えないわけではないはずなのに
『もう少し・・・もう少しで来るはずなのよね』
『来る? 誰がですか?』
私達の前に残って戦っているはずのみんなが駆けつけてくれるのでしょうか? レミーさんとかが来ると範囲攻撃に巻き込まれそうで怖いのですが
「クスクス、私達の遊び相手はまだいるかしらぁ」
『あっ・・・』
聞こえてきた声、同時に凍り付く何体かの敵。それは前にも見た私達とよく似た雪女
「あんたって子は! どうして何時も真面目に出来ないわけ!」
「いったぁ~~!? だ、だってこう言うの格好良いじゃない!」
えっと前の時も5人の中で1人だけこんな感じでしたよね? 今回も5人いますのであの時に助けてくれた5人と同じ人でしょうか? とりあえずお元気そうで良かったですと言うべきなのでしょうか? 死んじゃっているのですが
「まったく、来るのならばもっと早く来るべきだ」
「あらあら、言われちゃったわ。もっとお姉ちゃんに頼っても・・・痛い!?」
「だ~か~ら~! 時と場合を考えなさい! そもそも遅れたのだってあんたのせいでしょうが!」
「今ぐらいしかこんなプレイできないじゃないですか!?」
「「「「プレイとか言わない!!」」」」
頼りに・・・していいのでしょうか? ですが
『騒がしい連中』
『でも、来てくれると信じていたんですよね?』
その問いには答えてくれなかったけど、もう1人の私は何故か私を妹だって言いますが彼女にとっては彼女たちが姉のようなものなのかも知れないです。きっと、そう聞いたら否定されると思うですけど
雪女姉妹再登場です! 同じ山で同じ冷気から派生したと言うだけで姉妹と言えるのかは不明ですが
マリア「姉と聞いてやって来たわ!」
・・・いえ、姉は姉でもあなたでは。っていうか姉の権化か何かですか、あなたは
マリア「そうだけど?」
・・・そう言えばそんな感じの自認している人だった
マリア「でもゆきちゃんのお姉ちゃんかぁ。今度姉勝負をしないといけないわね!」
またそのわけの分らない勝負を・・・ともかく援軍もやって来てこの章も佳境です! と言うところで今回はここまで。次回もまたよろしくお願い致しますね~




