最終部10章「雪鏡に映るもの」5話 「望外の再会」
「クク、クハハ! まだ分らぬか! 何度やろうとも無駄だと言うことに!!」
調子に乗らせてしまったわね。確かに手下もあいつ自身も何度も倒しましたが、その度に復活・・・向こうの言葉にならうならば転生してきます
「しつこい人は嫌われますよ」
「フッ、敵に嫌われるのは良いことだ。随分と陳腐な煽り言葉を言うようになったではないか」
言葉でも態度でも全てで敵を煽って攻撃を誘い、そしてそれを反射する。それが私の戦闘スタイルな以上は仕方が無いのだけど、こうまで戦闘が長引いたことは今まで無かったわ。さすがにそろそろレパートリーがなくなってくるわね
「これで・・・止めよ!」
「だが無駄だ」
ユキと私、3人ですでに相当数倒しているけど、疲弊している感じは見られない。少なくても部下たちはエネルギーまで含めた完全回復。奴自身は転生する事を前提としているようで体は頑丈ではないためので、削る前に倒せてしまうためによく分りません。けれど、これだけの数をこなして疲弊しているようには見えないと言うことは転生にエネルギーは使わないとみるべきでしょう。私のように使用にエネルギーを消費するのならば限界まで使わせるという方法もあったのですが
「ユキ、次に行きましょう」
「・・・ええ、これではリュウトを迎えに行くのが遅れそうだ」
「はいなのです! 早く倒してリュウトお兄ちゃんを助けに行くのです」
それが強がりであることが分っても頼もしく思えますね。私達はほぼ無傷ではありますが、無消費ではありません。現状、残り体力9割と言ったところでしょうか? けして苦しい状況ではありませんが、打開策を早めに見つけなければ笑っていられる状況でもありません。どうしましょうか
「危ない!」
「・・・えっ?」
あ、危なかったです。いえ、危なかったのは私ではなく、何故か私を守ろうとして飛び出してきた女性。完全に予想外だったので反射が遅れて、もう少しで間に合わなくなるところでした・・・違いますね。私の反射が危うく間に合わなくなる所だった本当の理由は
「ご、ごめんなさいね。私、聞いていたはずなのに・・・あなたの顔を見たら、あなたが危険なのを見たら」
それはここに絶対にいるはずのない人物、私のお母さん。正確には私の前世のお母さんです。私があのリュウトさんと時の凍った空間に閉じ困られたことで死に別れになった
「っ・・・!」
お母さんと呼ぼうとして思いとどまります。確かにレーチェル様たちの配慮で私の見た目はそう変わっていません。だから、この人が知っている私が成長した姿のはずなのです。でも、それでもこの体の母ではないのです・・・私はこの人を母と呼んでも許されるのでしょうか
「そう・・・ね。いいのよ、私のことなんと呼んでも」
きっと、きっとこの人は私が母と呼びたくないのだと勘違いしたのだと思います。だから、だから
「ゆっくり話しましょう。すぐに時間を作りますから」
ええ、リュウトさんのことばかりではなく、私にはゆっくりしていられない理由がもう1つ出来ました・・・すぐに、すぐに倒しますからいなくならないで下さい、お母さん
今回は特に誰かの比較は出てきていませんね
ククル「別にノルマでやっていたわけではないのですから」
そうなんですが、あれだけ続いてここでネタにしたので・・・っと、今回はそれではなく
ククル「まさかここでお母さんに再会だなんて・・・何千年ぶりですか?」
どうなんでしょう? ここら辺の時間経過は作者もあまり把握していないというか・・・1万年まではいっていない、のかな?
ククル「そこさえも曖昧ですか。それでも、そんな時がたっても私のことを・・・」
お腹が真っ黒でも娘ですからね!
ククル「その当時は黒くありません! いえ、今だって!!!」
おっと、攻撃される前に幕を閉じましょう。ククルちゃんの攻撃でも一般感覚では化け物ですからね。と言うことで今回はここまでです。次回もまたよろしくお願い致しますね~




