最終部10章「雪鏡に映るもの」4話 「互角の戦い」
「ま、まったく数が減っていないのです!」
あれから本格的な戦闘をしていますが、中々数が減らないと思っていたらまったく減っていないのです。私はあんまり戦闘で活躍することは出来ませんが、もう1人の私は強いですし、ククルさんも敵の攻撃をほとんど跳ね返してくれる頼もしい人。その攻撃は確実に決まっていましたし、少なくても何体かは動けなくなっていたはずです
「あえてとどめを刺さないようにしていたのに、自分たちでとどめを刺して回っていますね」
「自分以外も転生させられる・・・あれじゃあ転生と言うよりも蘇生ね」
って2人が言っています。つまり、あの転生の人を倒さないといけないのですか? でも、もしも本人も復活できるのでしたら
「名前の通りにどこまで繰り返せるのか試してやろう」
そう言ったもう1人の私の顔は絶対に悪い顔をしているんだろうって思います。でも
「ぬっ?」
「ふふ、私の反射が攻撃してきた相手に反射するなんて誰が言ったかしら?」
ククルさんの反射って本当にどういう技なのでしょうか? 種族特性も合わさったかなり特殊な技だと言うことは知っているのですが、ともかく他の人の攻撃も転生の人に反射できるのでしたら
「構わずに攻撃してくる・・・少なくても相当数は本人も蘇生するわね」
「ええ、でしたらやはりその限界を確かめねばなりませんね」
こう言うのって2人が頼もしいと言うべきなのでしょうか? それとも怖いって言うべきなのでしょうか?
「あ、危ないのです!」
「助かったわ!」
そんなことを言っている間に背後から攻撃、という風に見せかけて幻影で姿をけした人が横からも攻撃してきていました。ククルさんの反射はアシュラさんのダークウォールなどとは違って全自動ではありませんから気がつかれなければ発動しません。だから、気がつかれないように攻撃するのは良い手段なのだと思います・・・でも私がしっかりと見ているからそう簡単にはいかないのです!
「どうかしら? 私たちにダメージはまったく今のところありません」
「こちらは・・・とりあえず1殺といこう」
これもちゃんとククルさんが反射と回避をして、もう1人の私がサクッと転生さんを1回目して・・・すぐに復活してきました。あと何回するのでしょうか? 何て思いながら戦って転生さんも10回目ぐらいの復活です。本当にしつこいのです
「先ほどの言葉返させて貰おう。そちらこそどうした? 我はまだまだ転生する・・・ダメージを受けても転生する我とダメージを受けぬきさまら、五角のようで互角でないことは分っておろう?」
そうですね、ククルさんの反射も無消費ではありませんし、連続反射は出来なかったり、さっき思った通り全自動ではなかったりと弱点はあります。もう1人の私だって疲れるでしょうし、戦い続けていけば徐々に追い込まれていくのは私達の方
「その程度のことで勝ち誇るとは程度が知れる。なぁ、ククル」
「そうですね、メイさんでしたらなんて馬鹿にするのでしょうか?」
なんて笑う2人に期待しても・・・良いんですよね?
極大攻撃と飽和攻撃以外はほぼ反射する防御チートなククルちゃんの戦闘はいつもこんな感じ
メイ「そして今度は私が話題に出たのですね」
な、なにも話題に出た人が後書きに出ると決まっているわけでは
メイ「しかしククル殿も分っていない。私は馬鹿になど致しませんよ」
えっ? メイのことだから思いっきり馬鹿にし尽くすのかと
メイ「どう言う意味でしょうか? わざわざ馬鹿にして教えてあげる必要など無いではないですか? トコトンまで調子に乗らせて、最後にひっくり返して絶望させるのが愉悦というものです」
・・・ああ、やっぱり最恐はこの人で良いのかも知れない。と、メイに比べればククルちゃんのお腹の黒さはマシだったと言うのが判明したところで今回はここまでです。次回もまたよろしくお願い致しますね~




