最終部9章「天使たちが願うもの」9話 「眠る前に」
「レミー、堕天使レミー、大丈夫ですか?」
更地の中心に倒れていたわたしたちに母さんが駆け寄ってくる。このぐらいのことで大げさねって思うけど
『レミー、意識はある?』
「ム~? お腹は減っているよ?」
『寝ぼけているのはもっと悪いわ!?』
いえ、お腹いっぱいじゃなくて減っているだから寝ぼけているわけではない? 同じ体を共有しているはずのわたしですらよくわからないレミーって一体・・・
とにかく羽が白く戻っていることからも基本であるレミー主導に戻っている状態。さっきまでの状態は半分だけの魂の封入とかも出来る神魔弓アルステートを利用してそれぞれ半分ずつ体と神魔弓アルステート間を高速で魂の移動をしていた状態ね。結構精神的に疲れる状態だから裏で休ませて貰うわ。レミーにその手の疲れってなさそうだし
「はぁ、あなたたちはまったく。元気なのは良いことですが」
自分の額に指を当て、呆れたように言う母さんだけど
「えへへ、これでお母さん消えない?」
そうむ邪気に問うレミーに驚き、そして笑顔で
「ええ、あなたたちのお陰です。此度のことが終わったらまた向こうに帰らねばなりませんが、私の魂は消えませんよ」
「そう・・・よかった・・・ぁ」
「あっ・・・レミー!?」
母さんの答えに笑顔でそう言いながら倒れたレミーに母さんが一瞬唖然として慌てて支えてくれたけど
「大丈夫よ、まったく相方ぐらいには疲れたら疲れたって悟らせなさいよ」
自分でそう言ってレミーを相方って呼んだことに気がついてきっと赤くなる
「ふふっ、頑張り屋さんなんですよ」
「・・・そうね」
その頑張りをもう少し知恵の方に見せて欲しいと思うけど、切実に思うけど!
「さぁ、あなたも疲れているのでしょう? ここは私に任せて少し寝ておきなさい。私も回復は得意ですから」
「・・・いなくなっていたら怒るわよ。あ、安全面の理由でよ」
「ええ、大丈夫です。あなたたちのお陰でまだ大分余裕がありますから」
その言葉を聞いてわたしの意識も眠りの闇に堕ちていく。母さんの力は自身を生け贄に奇跡を起こす、そんな感じの力なのでしょう。だからだんだんする減っていって最後に死んでしまって、そして今は残った魂さえも生け贄にしようとしていた
「竜神様は滅亡の象徴、それに使えるならば私は滅びの天使・・・最後は自分自身が滅びるのが筋だというのに、走破させてくれない優しい娘たちですね」
当たり前・・・よ。だれが・・・そんなこと・・・させてあげるものですか・・・わたしは堕天使・・・意地悪な・・・闇の・・・化身なんだから・・・母さん
と言うことで少し短めですがレミーの話しもこれで一区切りです
レリューナ「心温まる美談でしたね」
えっ? いや、それは作者としてはコメントしづらい・・・って言うかレリューナにとっても自画自賛
レリューナ「間違いなく感動的な親子の美談でしたよ。ええ、そう言わない人は滅ぼしますから、私が」
ほ、本当にここでも変わりませんね。っていうか読者様を滅ぼしに行かないで下さい。作品の存亡に関わります
レリューナ「作品も滅ぼ・・・」
させませんし言わせません。って事で章の最後は次回予告です
レリューナ「仕方ありませんね。『次なる戦いは雪と鏡? 2つの力が重なるときに一体何が起きるのか? 竜神伝説最終部10章「雪鏡に映るもの」』レミーの仲間たちも頼もしいですね。一緒に作者を滅ぼしに・・・」




