最終部8章「修羅の優しさ」2話 「修羅として」
「ふん、悪魔の生存を望むなど変わった天使だ」
その去って行く後ろ姿を見る・・・変わっているのは天使と契約などを、それもあんな契約をしたオレ自身もなのだろう。あいつたちに会う前ならば考えられないこと、何度目になるか分らない変わった実感も悪くはない
「さて・・・」
いつまで隠れているかと睨み付けてやれば出てきたのは無数の雑魚ばかり・・・まぁよい、前菜代わりにはちょうど良いだろう
「キサマラに言っても仕方が無いが、悪魔・・・いや悪魔と『竜』の合成獣か。何かの陰謀か、それとも偶然か、あるいは『やつ』が連れ歩くものとして妥当なのか」
自分の考えを口に出し、その愚かさに自分で嗤う。細かいことをグダグダと考えるのはメイやリュウトの仕事。修羅がやることは考えることではない・・・ただ戦い殺すことだ!
「さぁ、かかってこい。後ろにいるやつが飛び出てくるまでにこの戦いの参加料程度は払って貰わねばな」
多少の知能はあるのか、それとも知能が無いが故なのか僅かに後退を見せるやつら。だが
「・・・遅い」
その理由が何であるかなど関係がない。戦場で敵が守りに入るのならばその守りを貫けば良い。ただ何も考えずに突撃をして先頭の一匹の胴を貫く。再生能力程度見せてくれるかと思ったが、竜や悪魔・・・オレやリュウトの細胞を使っている割にもろいものだ
「どうした? オレの機嫌を損ねる真似をしているのならば、せめて意地程度見せてみろ!」
未だに硬直をする奴らの1匹の顔面を肘で破壊し、そのままの流れで回し蹴りで数匹弾き飛ばす。ようやく動いてきた1匹の爪が僅かにオレの頬をかすめるが
「この程度では駄賃にもならんぞ!」
前座とはいえこの戦いに参加した以上は、オレの前に敵として現れた以上はオレを楽しませる義務がある。まして、オレやリュウトの細胞を使っておいてその程度など許されん
「どうした! もっと、もっとオレを楽しませろ! 死合はすでに始まっているぞ!」
先ほど受けた程度の攻撃では血の一滴さえも出ぬ。このオレの白毛を深紅に染め上げる程度の代金は払っていけ!
「小手調べなどいらんぞ? 全力を持って当るだけの舞台は用意されている・・・雷爪波!」
相手が弱者とはいえ加減をするほど無粋ではない。戦いとは全力でやらねば面白くない。相手が絶対強者とわかって戦うならば圧倒的な力で殺されるのもまた一興だろう
雷爪波、飛ぶ雷の爪は振り方次第では複数になる。その分威力は下がるが今回は5つ、多くのものが避けたが中にはオレの隙を突くべく突撃してきたものもいるな
「面白い! そうでなければつまらんからな!」
一撃、正面の1匹を1付きで命を奪うが、その体でオレの爪を一瞬引き抜けぬように留めさせた。だが
「せめてもう片腕、いや両手足を受け止める囮を用意するべきだったな!」
チャンスとばかりに飛びかかってきた連中を残った右腕と両足でたたきのめす。ふん、体制が十分でなかった分生き残ったか。まぁいい、多少はオレを楽しませたのだ。その身に感じる痛みを多少は長く楽しませてやろう。修羅にもその程度の慈悲はあるものだ
久しぶりの本格戦闘? ですが
マリア「やっぱり私が思った通り! ・・・アレ?」
いやなんでマリア姉が? あなたの出番は前章で終わったでしょう? それに最終部は同時並行な側面があるからあなたはこの時点ではまだ戦闘中でしょう?
マリア「いえ、そうだけど、その・・・修羅の優しさってアレ? 私が思っていたのと違うって言うか逆?」
・・・まだアレがタイトルの意味とは言っていませんが、アシュラだから
マリア「・・・作中でトップレベルの常識人?」
アシュラがバグっているのは戦闘関連だけだから! 常時バグっているお姉ちゃん連中に比べたらマシなのです
マリア「へ~、ママナちゃんそんなにバグってたんだ」
何故そこでその属性で1番まともな人を!? あっ・・・
マリア「・・・ギルティね。お姉ちゃん連合を呼んでおきましょう、ママナちゃんは抜きで」
えっ? ってことはメイと美鬼が来る? ・・・あはははっ、生きていたら次回もまた会いましょう。では次回もよろしくお願い致します・・・




