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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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最終部5章「美しき者の戦い」8話 「戦場の価値」

「これで役立たずはいなくなったというわけだな」


 去って行く覇鬼を見る俺に向かって投げつけられた言葉。それは俺に向かって喧嘩を売っていやがるのか? 元々殺す予定の奴だ、いくらでも買ってやるぞ?


「自分の戦場に向かう奴を役立たずとは言わねぇ。ははっ、そうか悪かったな。お前、レオンからは役立たずってここに送られたんだろ? リュウトじゃなくて俺と戦っているんだからな」


 いや、こいつの直接の主はレオンじゃねぇのか? まぁどっちでも構わねぇ、自分の戦場に自分が果たすべき役割を行いに行く奴をあざ笑う奴にろくな奴がいるわけがねぇ


「遅ぇんだよ!」


 この程度の言葉に我慢が出来なくなったのか闇雲に突き出してきた拳を打ち払う。メイの奴が相手だったらこの程度じゃすんでいねぇぜ?


「あいつはここに邪魔な連中が入って来れねぇように戦う。俺はてめぇがリュウトたちの邪魔を出来ねぇようにぶっ殺す。リュウトはレオンを倒す・・・誰1人役立たずなんていねぇよ」


「お前は俺が食う」


「そうかい・・・食ってから言ってみろ!」


 腕の一本や二本食ったぐらいで俺をどうにか出来ると思うんじゃねぇ。リュウトみてぇに全身食われても再生するわけじゃねぇが、この程度でどうにかなるほど柔な体はしていねぇんだ

 そのあとはまぁ、何て言うか殴り合いと食い合いか? 俺もそうだが、あいつも出来ることはそれぐれぇしかないみたいでな


「どうした? もう腹一杯になったか?」


 吐き出す血もねぇぐらいにはあっちこっち食いつかれたが命までは食われていねぇ。ここまで来ると再生には少しばかり時間はかかるのが癪だな。まぁ、リュウトはおれの体が傷だらけでも嫌ったりはしねぇだろうが・・・あまり見せたくはねぇなって思っちまう当たりは俺も随分と惚れ込んじまったもんだぜ


「な・・・ぜ? しな・・・ない?」


「あ゛? そりゃてめぇが弱いからだろうが」


 それに・・・1人で戦っているからだろうな。いてぇのは望む所なんだが、満足のいく戦いが出来れば死んでも良い・・・そうやって倒れることが出来ないのはきっとあいつらの顔がよぎるからだ。特に


『わかった。だが、無理はするなよ!』


 そう言って送り出されたついさっき


『あまり無茶をしないでくれよ』


 きっと、今の俺を見たら泣きそうな顔でそんなことを言いそうなあいつ。自分の方がこの比じゃないくらいに無茶をしやがるくせにだ


「化け・・・物・・・め」


「とっとと地獄で待っていろ。そのうち会いに行ってやるよ」


 その言葉にニヤリと笑った顔を四肢の中で最後に残った左足で踏み潰す。その衝撃で左足も砕け散ったが大したことじゃねぇさ。それにわりぃな、恐らくお前が笑った理由は間違いだ。俺がこの傷で死ぬってわけじゃねぇ。この世界はまだまだ続く。だからさ、そのうち里帰りすることもあるってだけだ・・・地獄は俺の故郷だからな


「後は任せたぜ? ちっとばかり休んだら俺も向かうからさ」


 そう仰向けになって眠る・・・何やら泣きわめきながら俺を揺さぶりやがった馬鹿弟に起こされるまでは

と言うわけで美鬼編はこれで終了です


美鬼「ああ、中々楽しい戦いだったぜ」


これを血まみれになりながら言えるのが美鬼らしさです。まぁ、血に染まって無くても普段から赤いですし、リュウトの前に出ればもっと赤くなるのですが


美鬼「よ、余計なことは言うんじゃねぇ!!?」


傷だらけだろうと嫌われないと確信できるぐらいには仲を深めていてもその姿は見られたくない・・・中々乙女になったものです


美鬼「よし、わかった。お前も喧嘩を売っているんだな? いくらでも買うぜ!」


い、いえ! 誤解無きように!!? と、とりあえずこれを読んでいただければそれで最後ですので


美鬼「・・・しゃーねぇな『リュウト一行は攻めが得意な者ばかりではなく、けれどその戦いもまた・・・竜神伝説最終部6章「守り手の意地」奴にだってスポットは当るのが最終部だぜ』ってわけで終わったから喧嘩を買っても良いんだよな?」


え゛っ!? 次回予告後にこれははじめての・・・こんなはじめてはいらない~~~~!!

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