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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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最終部4章「人間として」7話 「今も昔も」

「えっ、嘘・・・お父様」


 その姿、もう最後にあったのは随分と前のことだけど見間違えることはないよ。こんなにも長いことボクのために転生もせずにいてくれたのは他のみんなも同じだけど、戦えないはずのお父様もここに来てくれたというのは想像もしていなくて、だから嬉しくて


「アイ、立派になったものじゃ」


 たってそれだけ、それだけの言葉が凄く重い。あの、何時だって表情を崩さなかったお父様が今にも泣きそうで


「そなたに教育を任せたのは間違いではなかった」


 そう言葉をかけられたのは・・・爺!? 教育係をやっていた爺までいる。あの頃はうるさく言われて苦手だった、少し嫌いだったぐらいな爺だけど、今は感謝もしているし会えて嬉しいとも思う


「と、とんでもございません。全ては姫様を導いて下さいました竜神様のおかげです」


 お父様は涙ぐんでいるぐらいだけど、爺は完全に涙で顔をぐしょぐしょにしながらそんなことを言う。お父様も


「うむ、竜神様にも感謝せねばな。だが、そなたの功も大きい。そう卑下にするでない」


 何て言うんだ。ヒジリはともかく会ったことがないはずのお父様や爺がどこまでどうしてリュウトのことを知っているのかって思う。そりゃ、聖が報告でもしていれば大まかな経緯は分っているかも知れないけど


「アイよ・・・」


「う、うん」


「お前はいつまでたってもワシの娘じゃ。そしてこの者たちにとっては我が国の姫でもある。じゃが、同時にお前はお前のままで良い。滅んでしまった国に縛られる必要は無い。自由に・・・けれど時々我らのことを思い出してくれれば十分じゃ」


「・・・お父様」


 そんなことを言って黙って抱きしめてくれたお父様の胸を少しだけ濡らして、ボクはほんの少しの時間だけまだ子供だったあの頃に戻る


「さぁ、行きなさい。ワシらと違い、お前はもう守られるだけの王族ではないのだろう」


「うん! 見ていて、お父様。リュウトの、竜神の隣にいられるように成長したボクを」


 きっとね、リュウトは弱かったら自分のそばにいちゃいけないなんて言わないと思う。それでも守られて当然なんて思いたくなかったし、何よりもボク自身がリュウトの役に立ちたかった。だからこそ得た力はもう人間なんて呼べないレベルなのかも知れないけど、それを後悔したことは1度だって無いんだ


「オルト! ライカ! みんなの力をもう1度貸して! これが最後になるはずだから!」


「もう! 最後とかそう言うのは無しよ! 私達はアイちゃんが気に入って、アイちゃんも助けたいって思うからここにいるんだから!」


「ウォウ!」


 オルトもそうだって感じで鳴いて・・・リュウトもよく言うけど、ボクも仲間や友達に随分と恵まれているよね。今も・・・昔も!


「アイちゃん、泣くのはまだ少し早いわよ!」


 ってライカに言われて自分が泣いているのに気がつく。えへへ、そうだよね。泣くのは勝って・・・全部終わった後にリュウトに抱きついたときで良いはずだね。なんかペロペロと涙をなめ取ってくれていたオルトに急に引っかかれたのは何故だろう?


「いたっ!? でもありがとう、オルト、ライカ、みんなも!」


 ボクは見る、ボクを支えてくれる多くの人たちを! ボクは考える、ボクが支えたいと思う今は少し離れた場所で戦ったり走ったりしている仲間を!! そして


「この戦いは負けられないし逃げられないんだ。だからみんな力を貸して! それで一緒に勝とう!!」


 リュウトの言葉を借りたこのかけ声に多くの歓声が答えてくれたんだ

アイは今も昔も多くの仲間に囲まれて幸せです・・・運のステータスはマイナスでも


アイ「そこで何でそういうことを言うのさ」


そ、その拳は下ろしていただけると!?


アイ「だったら余計なことは言わないこと! それにリュウトから貰ったアクセサリーで大分補強されているはず!」


リュウトもゲーム世界で見たステータスに不安を覚えたんでしょうねぇ。一応あれは運気を大幅にあげる宝石ですから


アイ「そこ! 不安とか言わない!! リュウトから心のこもったボクのためだけの贈り物。リュウトがボクのことをよく見てくれていてあ、愛してくれている証拠だよ!」


今回はアイも女の子っぽい思考のようですね。普段は見た目同様に男勝りグフッ!?


アイ「三回目は見過ごさないよ? みんなも口には注意してまた次も見に来てね~」

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