最終部4章「人間として」1話 「信頼マイナス」
カーミラさん、コーリンさん、そしてボクの親友であるママナ。三人がボクたちの、リュウトのために身を張って道を作ってくれた。そして、ボクたちが今いるところは天界へ行く転位陣まであと少しの所。何時も使っているレーチェルさんの神殿に直結していうるエルファリア宮殿の転位陣やすぐ近くの迷いの森の転位陣とは違うから天界へ移動してもすぐに目的の場所にたどり着けるわけじゃない。けど、それは確かに1歩状況が変わる場所でもあるよね
「・・・やはり来ましたね」
ゾクリと嫌な気配をボクが感じるのとどっちが早いか。メイが予想の通りとでも言うように・・・ううん、確実に予想していたとおりにその襲来を告げる。まだ様子見なのかその存在はたぶんトワメルのキメラたち
「何でこの場所で? ボクだったらこの先で待っているけど」
転位陣は通常は管理している神族が使える存在を制御している。この転位陣を管理しているのが誰なのかは分らないけど、レオンやその仲間が使えるようにわざわざしてはいない・・・そんな表面的な物が何の意味も持たないって事は他の転位陣が使用不可能になっていることで明らか。どんな手段かは分らないけど、レオンは間違いなく転位陣を掌握して使うことも出来るはずなのに
「両方で待っているのでしょうね。忘れてはいけません、レオンにとってはこれはゲーム。ならば通せば終わりのこの場所にも配置、戦力を1カ所に集めるよりも戦場を分ける方が面白い・・・それだけでしょう」
ボクたちはレオンの掌の上で遊ばれている。そんな状況に怒りも恐怖も覚える。それでもボクは・・・
「そうだね。だったら」
ボクはリュウトの肩から飛び降りて皆に背を向ける
「アイ!?」
「いくらレオンの遊びって言っても挟み撃ちは厄介でしょう? だったらボクがここを守るよ」
うん、リュウトがこの先を突き抜けるまで。その時に誰が足止め役をするのかは分らないけど、その時までボクが・・・ボクらが敵を足止めする
「だがアイだけでは」
「ボクだけじゃないよ、リュウト」
「ウォン!!」
「そういうことですよ、リュウトさん。私たちもいますから! アイちゃんのことはお任せ下さい」
リュウトの言葉にボクらが応える。そう、ボクは一人じゃないよ・・・オルトもライカもいる
「・・・わかった。けど、無茶は駄目だぞ」
「勿論! リュウトの方こそ無茶は許さないぞ!」
無茶をしないなんてどっちも無理だと分っていてあえてそう言う。それはまた必ず会うってそう言う誓いだと分っているから
「ははっ、そう言われては無茶はしにくいじゃないか」
「・・・許さないって言っているんだけど?」
ホント、こういうことに関してはリュウトの信頼は0を通り越してマイナスだよ。でも、そんなことは十分分っているボクらの仲間がリュウトのそばにはまだまだいる。きっと皆が無傷でリュウトをレオンの所に連れて行ってくれるとは信じているんだ
「それじゃあ・・・任せるぞ。アイ、オルト、ライカ」
「うん!」
「ガルゥ!」
「はい!」
ボクたちの短い返事に込めた気持ち、そんなものを感じてくれたのかリュウトたちは笑顔で転位陣の中に消えていったんだ
と言うことでこの章はアイたちの章です
アイ「最後までボクたちはトリオなんだね」
さ、最初の頃はアイだけだったじゃないですか
アイ「それはそうだけど・・・オルトが出てくるのは結構速かった気がするよ」
・・・仲間に正式になって平和になってから少し、って所ですね
アイ「そうだよ! うう、でもベッドの上までは来ないよね?」
えっと、こっちはそう言う話は出来ないので・・・自重するかな? あの二人
アイ「あ~~~! 何でそう言う不吉なことを! って少し叩いたら消滅しちゃったよ。えっと、作者が消えちゃったから今日はここまで! 次までには復活しているだろうからまた見に来てね~」




