最終部3章「悪魔の親子」4話 「強者に教わったこと」
横でヒュンヒュンと風を切るお母さんの鎌から底知れない怒りを感じるのは、そう言う形で表現できるものを持っていないだけで私も同じ気持ちだから
いつもキメラの材料になるのはリュウトとかアシュラと言った強い人たちの細胞でそれはそれで気に入らなかったけど、けして使われることがないと思っていた私たちの細胞を使われたのも気に入ることはなかった。それが私たちにも敵に認められる一芸があるって言うことの証明だったとしても
「偽物になんて絶対に負けないよぉ」
「ええ、私たちもそう捨てた物ではないことを見せてあげましょう」
隠密部隊である使い魔たちの指揮者にするために私やお母さんの要素が強く表に出ていると言っても、リュウトたちの細胞も使われているのは分る。特にアキの・・・かな? たぶん、遠距離から攻撃をするのは魔法が1番得意なアキが向いていると組み込まれたんだと思う。私たちの因子が強いと接近戦は出来ないって事ぉ!?
「グギギ、ファイヤーボール」
「それを使うんだったら・・・本物以上で使いなさいよぉ!」
やっぱりというべきか、戦闘方面はアキを主体にしているみたいで属性も火。当然のように最初に撃たれたのは小手調べなのか1番基礎のファイヤーボール。リュウトの因子で頑丈さだけでなくエネルギー量の多さも受け継いでいるみたいだけど、逆に魔法のうまさはアキには遠く及ばないみたいで本物ほどの威力には成っていない・・・アキのファイヤーボールは見慣れているとは言っても、その魔法が危険じゃないなんて言えるほどに私たちが対応できるわけじゃないけど
「アキさんでしたらもう4発多く私たちに放ってきますね」
アキが得意としているのは8連ファイヤーボール。その数が技量やエネルギー量に比例するって言うわけではないみたいだけど、リデアならば3つなんて感じで魔法が得意な人でも複数同時を撃つのは難しいのに8個。それはアキの絶対的な魔法のセンスと才能を示している・・・でも私たちだって2人に4つ! 1人に2個ならば対応してみせるよぉ!
「いっけぇ! ダークハンドブレイク!」
敵が私たちを近距離戦が苦手だろうと遠距離主体に組み込んできたのならば、逆に敵が近距離が苦手なはずだよぉ! だから昔、レーチェルの特訓で使ったあの技を、影から伸びた闇の手たちで動きを封じたところに地の殻を纏った闇の槍として突っ込む!
「ぐぅ・・・これで貫いてぇぇぇええ!」
気持ちは必ずしも現実を射貫いてくれるとはは限らない。それでも気持ちがなければ現実を射貫くことは不可能。それは弱い私が強い皆に教わったこと・・・でも
「だ、駄目なの?」
その一撃は間違いなく効いていたけど、それでも十分なダメージとは行かなくて
「ママナばかりに気を取られていては駄目ですね」
でも、お母さんはその隙に攻撃をしてくれていた。そっちも切り裂かれた体はすぐに修復してしまったけど、リュウトだって消耗したエネルギーまでもすぐに回復するわけではないみたい。だったら
「ここで諦めたらリュウトに怒られるね」
「ええ、アシュラ様にも」
きっと、私だけで残っていたらリュウトが見守っていると思っても諦めてしまったかも知れない。お母さんだけでもひょっとしたら?
でも、2人でここにいるのならばきっと・・・こうやってリュウトたちも戦ってきたんだって、そう信じられるぐらいには皆を見てきたから
「ぜ~ったいに負けないんだからぁ!」
強がりでもそう言い続けることだけが私の武器だって、そう思うんだ
いつものように比較対象が悪いために強いんだけど自信はないママナなのです
ママナ「うう、そういうのはお母さんも同じはずなのにぃ」
母はそう言う点で弱気になってはいけない物なのです・・・一度挫折を味わってますしね
ママナ「私もお母さんみたいに強くならないと」
もう残りの話数というかママナの活躍の場は少ないですけどね
ママナ「そう言うこと言うなぁ! 馬鹿ぁ!!」
ぐへっ!? だ、だからそのポカポカパンチは凶悪・・・ガクッ
ママナ「あ、あれ? えっと、作者が気絶しちゃったから今回はここまでだよぉ。次回もまた来てね~」




