最終部3章「悪魔の親子」1話 「私の戦場」
カーミラがこじ開けてくれた道を私たちはひた走る。エルファリアを攻める敵の群れはカーミラとヤマトたちが対応してくれることになったけど、私は不安を覚える。カーミラが強いことはよく知っているよぉ。でも、あの敵の数・・・エルファリアには悪魔である私でも仲良くしてくれる人たちが大勢いた。勿論カーミラ自身も
「ママナ、ちゃんと前を見て」
つい自分が走ってきた道を振り返ってしまった私にアキが静かに言った。アキの方が私よりもずっとエルファリアを心配しているはずなのにそのアキにそんなことを言わせてしまうなんて
そうやってさらに走ること少し、エルファリアからはそれほど離れてはいないけど、目視はとっくに出来なくなったころ
「ママナ、気がついている?」
「うん、一杯いるよぉ」
近くから感じる無数の視線。でも、それに気がついているのはきっとアシュラぐらいなんじゃないかって思う
「リュウト! この周囲に使い魔が一杯いるよぉ!」
1つ1つはそれほど強くはないけど。それでもこれだけいると・・・カーミラたちが戦っている変なモンスタ-ほどは数もいないけど
「使い魔?」
リュウトは私の声を聞いて周囲を見渡しているけど、やっぱり気がつかない・・・って存在の剣を使って周囲を調べて把握したみたい
「これは・・・」
「レオンがどのようにしてこの世界を見ているのかは分りませんが、その手段の1つ・・・目の1つになっている物なのでしょう。いくつあるか分らない目ですが、潰しておいた方が得策かと」
私やお母さんと同じようなレベルの隠密。上級使い魔だと思う存在がこれだけいるって言うのは凄いけど・・・うん
「リュウト、私がここに残る。私に任せて!」
私が出来ることは隠密の情報収集と逆に敵の隠密の発見ぐらい。その発見もアシュラやお母さんも出来るし、ひょっとしたらリリィやルーンも出来るかも知れない。情報だって猛虎コマできたら目的地まで一直線に進むだけで前もって得ておく情報なんて・・・
「ママナ・・・いや、ここは他の人にした方が」
「リュウト、私じゃ信頼できない? 私もね、リュウトの仲間なんだよぉ!」
ただリュウトと一緒にいるだけの存在じゃない。私だってリュウトの役に立ちたい! そして、私が役に立てるような戦いなんてきっとここにしかない
「・・・コーリン」
「よろしいのですか、アシュラ様」
「・・・貴様に任せる。好きにすれば良い」
私が必死にリュウトに自分も役に立ちたいと話している横でお母さんも?
「リュウトさん、この場には私も残らせていただきます。2人でしたらご安心していただけますか?」
「コーリンさん・・・」
たぶんリュウトは誰も、本当はカーミラだって後を任せて自分は先に向かうなんて嫌なんだと思う・・・少しの間目をつぶって考えていたリュウトは
「わかった。だが、カーミラと同じだ。絶対に生き延びるんだぞ」
「まっかせてよぉ」
だからこそ、私はリュウトが出してくれた結論に、見せてくれた信頼に笑顔を返した
そして先に進むリュウトを見送り、そのリュウトを追いかけようとする隠密中の使い魔たちを遮る。普通の物質ならば通り抜ける隠密状態でも同じ能力を持っている私・・・ううん、私たちならば妨害できる
「残念だけど、ここは通行止めだよぉ」
「それでも通るとおっしゃるのでしたら・・・この鎌に物を言わせて貰いましょう」
ヒュンと音を鳴らしてお母さんが鎌を振る。そんな様子にざわつく様子が感じられる。さぁ、これが私の最後の戦場だよぉ!
と言うことでママナ&コーリン編のプロローグですね
ママナ「私の活躍の場面が来たよぉ」
まぁ、この章に関しては活躍して貰わないと困るのですけどね
ママナ「ちゃ~んと私たちの活躍を書いてよねぇ」
・・・それはあなたたち次第なんですが。一応僕は見たことを書いているというスタンスなんですが
ママナ「活躍したら自分の努力、駄目だったら作者のせいってレーチェルが言っていたよぉ」
何でそういうことを伝えるんだ、あの女神。まぁ、ママナは攻撃してこないだけマシだけど・・・
ママナ「えっとね、作者がどこからかとんできた光線で消滅しちゃったから今日はここまでだよぉ。次回も見に来てね~」




