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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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最終部2章「立ち塞がるものは」9話 「相違点」

「さて、とはいえ厄介なことには変わらぬのぅ」


 攻撃の数は撃っている。体積は十分に小さくなったとは言え、私たちから見れば十分な巨体は攻撃をかわすと言うことには向いていないけど、ありあまる体力はその弱点を補ってしまっている


「弱点、ようなものは無いのでしょうか」


 幾度の攻撃で体を真っ二つにしても再生してしまうこの存在。弱点を探したくなる気持ちもわかるけど


「我が君に弱点があると思うかの」


 そんな私の言葉にヤマトも7押し黙る。本人も知らないような弱点があれば別だけど、我が君の体には基本的に弱点らしい弱点はないわ。あえて言えばドラゴンバスター系に弱いという性質はあるみたいだけど、人の血も入っているために純粋な竜族ほどには効果が無いし、そもそも私たちにそんな竜族特効の武器も技もない・・・そんなものを持っているとしたら当の我が君ぐらいなもの

 そして、そのドラゴンバスターのような明確な弱点ならばともかく、レオンがどこで見ているかも分らないこの状況で我が君の弱点を明かすこと何て知っていても出来るはずもない。知らないし、おそらくは無いのだから関係が無い気遣いではあるけれど


「しかし、このままでは・・・」


 ヤマトが言うのも分るわ。いくら私がどちらかと言えばスタミナタイプで長時間の戦闘に秀でているとは言え無尽蔵というわけではないわ。勿論、我が君が勝つまで粘るという戦い方もないわけではないのだけれども、この存在はレオンの配下ではない。我が君が勝っても消滅するなんて事は無い・・・我が君の救助を待つなんて無様な真似は出来ないわね


「ヤマトよ、この程度の困難で弱音を吐く者に我が君の弟子は名乗れるのかの」


 強がりかも知れない。でも、そんな私の言葉にヤマトもハッとする。そして


「勿論名乗れません。剣は困難を切り裂いて、未来を作り出すための物だと・・・師匠ならば当然のようにそう言います」


 ふふ、そうね。我が君だったらそう言うことを言いそうだわ。そして弟子だけでなく、恋人だってこんなことで弱音を吐くような者に務まるはずがないわ。アキはともかくリデア当たりはそう笑うに決まっているもの・・・あの強がり娘に心にも無いセリフを言わせないためにもここは私が強がる時! そして


「ヤマト、動けぬのならば引くと良いぞ」


「冗談ではありません。カーミラさんこそ疲れたのでしたら休んではどうですか?」


 あれからどれだけ戦い続けたのか、どういう意図かは分らないけど援軍が送られてこないのは助かるわ。でも、決定打が無い。我が君よりは遙かに弱いはずのその特性、それでも敵に回ればここまで恐ろしいのね


「お主が言っていたこと、やはりかけてみるのも良いかも知れぬな」


「僕が言っていたこと?」


 ヤマト本人は覚えておらぬようだけど、私は覚えている。私が否定したヤマトの策、相手が我が君ならば使うわけには行かない手段。でも今ここにいる相手は


「くっ、これだけ繰り返せば阿呆でも学習するのぅ」


 最初の頃に比べて動きがだいぶ速くなってきている。こちらが眷属たちの補佐で休みながらでも、それでもやはり疲労で動きが鈍くなっているのだから余計にね・・・そこらへんはやっぱり疲れを感じないアンデッドでしょうね


「カーミラさん!」


 そして、私をその腕で捕まえて長く伸びた爪で心臓を一突きに貫いた。とどめを確信したのか死体のくせにニヤリと笑って


「甘いのぅ。我が君やお主ほどではないが・・・我も心臓1つ壊されたぐらいで死んではおれんのじゃよ!」


 心臓は私たちバンパイアにとって弱点の1つ・・・だからなんだというの! その程度で死んでしまっては我が君の恋人なんて言えないわ。

 それに、目の前の存在は確かに恐ろしいまでの耐久性がある不死身に近い存在。けれど・・・我が君ではない


「ようやく見つけたのじゃ・・・お主はコアを失っても動けるかのぅ」


 油断したのか少しだけ発熱した部分。そこがエネルギーの発生場所、おそらくは死体たちをくっつけ束ねている場所・・・右肺の下あたり、和すか数ミクロンのそのコアを打ち抜く。途端に結合が崩れ、ただの怪物の死体たちに戻っていく


「やはり我が君には遠く及ばぬのぅ。我が君にはそんな弱点はありは・・・せん・・・ぞ?」


 我が君じゃない。だから弱点もある・・・ね

 そんな一部始終と私に駆け寄ってくるヤマトと眷属たちを見ながら私は意識を失った

と言うことでカーミラ戦決着です


カーミラ「ふむ、我の活躍があったのは良いとしよう。じゃが」


じゃが? なんです?


カーミラ「きまっておろう! 我は我が君と誓い合うまでは死ぬわけにはいかんのじゃぞ!」


い、いや~、そこら辺は一応まだぼやかしておきたいのですが・・・まぁ、僕はハッピーエンド至上主義ですとだけ


カーミラ「ならば良いのじゃが・・・違えたら」


そ、そこら辺は今は勘弁して下さい。と言うわけで最後のお仕事を


カーミラ「う、うむ、それは当分出番がないと言うだけであろうな? ・・・では予告としよう『カーミラが作った道を進むリュウトたち。その道を新たに阻む物とは!? 竜神伝説最終部第3章「悪魔の親子」』・・・流石に誰の消化わかりやすすぎではなかろうか?」

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