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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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最終部1章「嵐の前の」4話 「超越者」

 全員の目がレーチェルに集まったところで彼女は一息吐く。おおっ、レミーまで行動が一致するって言うのは珍しいことだぞ?


「本当は私から話せるなんて思っていなかったからメイちゃんに伝えておいたんだけどね」


「ええ、確かにお聞きしていました。けれど、あなたを無事にここに立たせているリュウト殿への感謝も込めてレーチェル殿が説明をするべきではないでしょうか」


 そんな感謝はいらないが、とりあえず説明は欲しい。そんな視線が伝わったのか


「いいわ、レオンがいるのはこの世界の外。あまねく世界を見ることが出来る世界たちが集まる場所・・・その入り口、いえこの世界からの出口は私の神殿の地下にあるわ」


 一瞬だけザワッとする。まったく、本当にこの女神様はとんでもない秘密を隠しているもんだ


「見られたくない物を隠すならば手近が良いのは分るが、そんな物の上に神殿を建てる酔狂はお主ぐらいの者じゃろうの」


 そう明らかにその出入り口が先にあった。つまりはレーチェルはその上に自分の神殿を作ったわけだ


「どの道干渉されたら終わりだったのだからどこにあっても同じだわ。つまり今回のゲームは・・・」


「ここ、エルファリアから始めてエルファリアを防衛しながらレーチェルの神殿地下から攻め込む。そういうことか」


 レーチェル神殿への直通路がここエルファリア宮殿にはある。となると誰かが防衛に残って、後は攻め込めば良いのだからゲームとしての難易度は低いかも知れない。もっとも、最後に待ち受けているラスボスがとんでもないと言うことを考えなければの話しだが・・・そんな共通認識をすりあわせたときに上から響いた轟音。なぁ、俺の気のせいでなければまさにそのレーチェル神殿への直通路になる転移陣がある当たりからなんだが


「・・・やはり、そう簡単にはいかせないと言うことなんでしょうね」


 そんなメイの呟きが正解である証のように飛び込んできた追加の紙には世界中の展開への転移陣を1つを除いて封じた事が書かれている。丁寧に1つだけある転移陣の場所を書いているのはある意味親切か余裕の表れか? まぁ、書かれていなかったら時間前に世界中探して見つけておくけどな


「問題はそれだけでは無いわ。過去でもそうだったように、レオンは必ず自分の所にこれる存在に制限をかけるはずよ」


 そう言うルーンに全員の視線、いやリリィやリリカは視線を向けないから知っているのだろう・・・リデアとかは知っていても良いんじゃないか?


「レオンは普段は自分がいる空間を解放しているけど、この最後のゲームだけは閉じている・・・いえ、本来のその空間の状態にしていると言うべきかしら」


 その言葉はルーンらしくもなく重い。レオンがいる空間、それそのものがよく分っていないのは間違いないが、どんな存在ならばその空間に入れるというのだろうか


「その空間には入れる者、それはレオンと同格の存在よ・・・それを私たちは超越者と呼んでいるわ」


 超越者、それはレーチェルがそしてメイが何度かその名前を呼んだことがある。だが、その実態はよく分っていなかった・・・ルーンの言い方だと世界の外に行くことが出来るレオンと肩を並べる存在


「はっきりと言いましょう。この世界において超越者と呼べる者はただ1人、竜の坊や、あなただけよ」


 1人しかいないのであればそれが俺で良かった。そう思えるのは自身でもうぬぼれでもなく、ただ自分が決着を付けたい我が儘か。けれど


「だが、前にレミーがそんなことを出来るようなことを言っていたような?」


「そこの天使ちゃんの技はルールの書き換えよ。それも存在の剣が封じている力・・・アレを使用可能にするとレオンも同じ事が出来てしまう。今回の戦いで使用するのは危険ね」


 なるほど、つまり今回は完全に俺が単独でレオン本体を倒さないといけない。ゾクリとしたものを感じるのは恐怖か、それとも


「つまり、この戦いの決着はリュウトに任せるしかないって事だね」


「ええ、女王様。ならば、私たちがすることも決まりました。リュウト殿を限りなく無傷に近い形でレオンの元に送り届ける・・・それが私たちの戦いです」


 ははっ、本当に俺は恵まれている。こんな状況下でも誰一人嘆くわけでも不安がるわけでもない。ただ、未来のために幸せのために出来ることをやってのけようとする愛すべき馬鹿ばっかりだ


「ええ、だからこれは私から竜の坊やへのプレゼントだわ。女からのプレゼントは高く付くわよ~」

今まで何度か出てきたワードの実態が出てきました


レーチェル「超越者、その名称から凄い存在と言うことは分るでしょうけど」


実情を言うとこの物語では世界の壁を越えられる者、と言う意味なのですね


レーチェル「ちなみにこのあとがき世界は少し違うから私たちも超越者、何てことは無いわよ」


ここはどっちかというとレーチェルやルーンが作っていたような自分専用世界みたいなものですからね


レーチェル「そもそも作品の中ですらレミーにボコられるような作者が作った個人世界がそんなに凄いわけ無いわ」


・・・まぁ、僕はこの世界では傍観者ですからね。一応立ち位置的にはレオンよりも下という扱いだと思っておいて下さい。では、次回はルーンが渡した者は一体何なのかと言う話です。お楽しみに~

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