表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
1244/1378

13部6章「最後のデート」29話 「示すものとかけるもの」

 こういうメイを見るのは初めてではないが珍しいと言うことには変わらない。そしてめったにないと言うことはそれだけメイの本当の内面が見えているのだと言うことも


「俺なんかで良かったらさ、いくらでも弱いところを見せてくれ」


 メイが揺らげばみんなが揺らぐ。それは今まで構築してきた信頼の裏返しでもある。だからこそメイは自分の不安を誰にも見せられない。特に今回のようなあまりにも細すぎる綱渡りをしているときは・・・一番不安を抱えているのは自分の判断ミス一つで誰かを死なせることになるかも知れないメイかも知れないのに


「なんか、と言うのは侮蔑ですね。例え本人であろうとも」


 おっと、そういう所に怒るのはメイも同じか。だが、怒りであろうとも強い目で返してきてくれる方が安心は出来る。勿論、頼ってくれて構わないというも本心ではあるんだが


「ふぅ、私は弱い女ですよ」


「メイが弱かったら他の子たちが涙を流しそうだな」


 いや、これは掛け値なしに思う、2重の意味で。強くても弱さを見せる場所は必要と言うだけで、メイが弱いなんて俺はかけらも思わないぞ? メイがもっと弱かったら日常が助かるって思っている子は多そうだけどなぁ、リデアとかアキを筆頭に


「ふふっ、そんな悲しみの涙を流させる気は無いけど・・・」


 違う。それは違うぞ、メイ? どうにもメイは自己評価に関しては的を大きく外すきらいがある


「私は本当に弱かったのよ。そんな私が嫌で頑張って・・・ええ、強くなったと自分でも思っているわ。でもリュウト君、あなたの役に立つには・・・」


 まだ足りない。きっとそう続けるはずだった言葉は俺が封じる。まぁ、その方法が文字どおりに口で口を塞ぐ方法だったのはキザかも知れないが

 そしてメイが弱さを嫌う理由は知っている。はるか昔に聞いた話、それは誰も悪くはないのかも知れないが、アキの失策でありメイの弱さも絡んで多くのエルフが犠牲になったという事件(3部1章4話参照)


「弱いよりかは強い方が良いのかも知れないが、別に俺の隣にいるのに世界最高峰の強さが必須とかそんなことはないだろう? それにメイは十分にその最高峰に近い場所にいると思うんだが」


「・・・優しい嘘ですね。前半は本気なのでしょうが」


 いや、後半も本気100%だが? と言ってもこういうのは言葉で言って伝わる物ではないからな。メイならば自分以外ならば察するのだろうけどさ


「俺はさ、メイみたいにみんなを導くことは出来ないから頼りにしている」


「・・・私はリュウト君のように皆をまとめられないわ。人って言葉や理屈だけじゃ動いてくれないの。私はリーダーには向いていないのよ」


 俺がそれに向いているのかは分らない。いや、それじゃあメイと同じになっちまうな。こここそ嘘でも言い切るべき場面なんじゃないか?


「それは俺に任せろ。それにアキだっているぜ?」


 一瞬きょとんとしたメイが笑顔になる。普段は結構きつめな顔をしていることも多いが、こういう時のメイは本当に可愛らしいと思う。これが彼女の本当の笑顔なんだって事は分っているんだ


「そうですね、お任せするわ。だから、頭を使うのは私に任せてちょうだい」


「ああ、任せる。と言ってもレミーじゃないからな? 流石に丸投げはしないぞ?」


「ええ、私も力もリーダーも丸投げにはしないわ」


 お互いに顔を見合わせて、そして笑う。俺たちの状況が良くない事なんて誰にだって分る。メイならば俺たち以上にそれが分っているかも知れない。だけど


「絶対に勝利に導かせて貰うわ。だから安心して付いてきて」


「ああ、メイが示してくれた道。俺たちが走り抜けてみせるさ。だから安心して示してくれ」


 メイは俺たちを信じてくれるから道を示せる。俺たちはメイを信じているから駆け抜けられる・・・そんなものだろう? だからさ、怖がらなくても良いんだ。もっとさ、私の策を実行してみろぐらいの気持ちで投げてくれよ


「妹の恋人だったはずなのに、こんなに私を惚れさせてどうするつもりなのかしらね?」


「そんなつもりは毛頭無いんだけどな。けど、強いメイは頼もしいけど、弱いメイは可愛らしいと思うぞ」


 真っ赤になったメイからの返事はビンタとキス。鞭だけで無く飴もついてきたのならばメイにしては優しい返事・・・なんだろうな

と言うことでメイ編リュウト視点でした


リデア「メイにはメイで悩みがあるのね」


そりゃ悩みがない人なんて・・・Ⅰ名いるか


リデア「どこの誰とは言わないけど、バカ天使のことは言わないであげなさい」


・・・珍しく優しいようではっきりと言っているのが流石リデアと言うべきか。ともかくこれでメイ編が終わり、後は分りますね?


リデア「残っているのはあの子しかいないものね。それにメイが指名する人としても打倒だし」


ええ、ここまで来たらもう隠す意味も無いでしょう! 次回がアキ編! そして次々回がアキ編のリュウト視点! つまりはこの部のラストになります!


リデア「いよいよ来るべき時が来たって感じね。べ、別に怖くなんてないけど励ましに来ても良いのよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ