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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部6章「最後のデート」23話 「2人で1人の」

「なるほど、確かにお前たちは2人揃っていなければいけないのだろう」


 それが堕天使の話を聞いたオレの素直な思いだ。話をした当の本人は何故にそこに着地をしたのか理解していないようだがな


「アシュラ・・・?」


「わからぬか? レミーは馬鹿なようで賢いが、お前は賢いようで馬鹿なようだ」


 そんな言葉に少々プライドが傷ついたのか


「アシュラ、わたしがレミーに劣るとでも?」


「言っただろう? 揃っていなければ駄目なのだと・・・ふん、お前が踊りを望むのならば踊ってやってもいい。だが・・・」


 本当にお前が望んでいる物はそれなのか? そう問いかける言葉に堕天使のレミーはうつむく。レミーだったらストレートに自分が望む物を言ってくるぞ


「わたしが・・・望む物・・・」


 レミーだったら本当に踊りたかったらオレに聞く前に手を取って踊り出すだろう。もっとも、めちゃくちゃな踊りなどととても言えないような踊りなのだろうがな


「アシュラ、一つ望んで良いかしら」


「・・・言ってみろ」


 最も、願いを叶えてやろうなどと考えるのはオレらしくもないのかも知れないが。いや、悪魔らしいと言うべきか? 堕落させるべき相手がすでに堕ちているというのは珍しいかもしれんが


「わたしを・・・わたしを抱きしめて欲しいわ」


 顔を真っ赤にしてそういう堕天使の願いはおそらく本心だろう。ふん、こんな気遣いをすることの方がなおさらオレらしくはないが、堕天使の方はなお『らしく』はない・・・たまにはらしくはない同士で悪くはあるまい


「これでいいか」


 リュウトのように優しく微笑みながらなどと言うことはオレには出来ん。だが、それでもこの普段は強気で怪しく賢く見せているもう1人のレミーの本当の姿は・・・


「ええ、わたしにとっては何よりも嬉しいわ。アシュラ、わたしはレミーでいいのよね」


 このレミーは常に堕天使を強調する。それはつまりは自分は普段多くの者が認識しているレミーとは別の存在だと、そう考えているからだ。それは自負であると同時に呪いでもある


「無論だ。オレだけでなく誰にとってもだ」


 レミーと堕天使レミー、両方が揃ってバランスがとれるのだろう。少々両極端な気概もあるがそうであるからこそ・・・


「オレはどちらも好ましく思っている」


「ふふ、ふふふふふ、ねぇ、アシュラ? もう一度こっちも向いてくれないかしら? その真っ赤になっている顔を」


 くっ、おそらくはそうなっているだろうその顔を見せたくなかったが故に背けたというのにこいつは・・・だが、こう言う点は天使のレミーと変わらんな。あいつはもっとストレートにやりそうだが


「貴様はやはりレミーだな」


「当然よ、わたしは堕天使レミー。光と闇、2つの違いはあってもレミーには違いないもの」


 常にどことなく怠惰で妖艶な仮面を被っていたこいつらしくはない笑み。だが、それはレミーの何時もの笑みでもある


「だからね、こういうこともしちゃうのよ」


 赤い顔をしながら近づけた顔・・・その口が当るのはオレの口の横


「本当は口にしたかったところだけど、最初はレミーの方に譲ってあげるわ」


「・・・オレの顔など毛だらけだろうに」


「そんなの気にしないわよ。大好きな人、いえ悪魔の顔なんだから」


 そう笑う堕天使は堕天使らしくはなくレミーそのものだろう


「2つに分かれていたレミーが本当に1つになるのはこれからなのかも知れないわね」


「貴様にいなくなられると色々と困るのだが」


「いなく何てならないわ。わたしもレミーも、ずっと一緒よ。ああ、あの時にレーチェルが言っていたことの意味がようやく分ったわ。レミーが消えるわけでも、わたしが消えるわけでもない。でも1つになる・・・こういうことなのね」


 どうやらあの性悪女神はこうなることを予想していたらしい。メイほどではないが、あの女神もずいぶんと裏に手を回しているとは思うが・・・まぁいいだろう


「貴様にも付いてきて貰うぞ」


「ええ、あなたがいるところにならばどこまでも」


 これが誓いなのだろう。悪魔らしくもオレらしくもない、新しいオレたちらしい誓いだ。だがな、そろそろそこで見ているのは止めにして貰おうか・・・コーリンよ

堕天使レミー編のアシュラ視点でした


レーチェル「ようやく収まるところに収まったってところね」


こうなるようにずいぶんと画策していたようで?


レーチェル「別に誘導とかはしていないわ。ただ、こうなるのが一番レミーの幸せだとは思っていたわよ」


何だかんだ言ってレミーの親代わりなんですよね、レーチェルって


レーチェル「お、親? せめてお姉ちゃんと呼んで欲しいところだけど」


う~ん、本当の親よりかは年下だけど、人間的には親どころかおばあちゃんでも足りないぐらいの年齢差が・・・


レーチェル「何か言ったかしら? この馬鹿作者は!? 3000年と少しぐらいは天使・悪魔の基準だと人間の10年に満たないわ! だから私はお姉ちゃん! いいわね! って聞いていないみたいね。作者は今会話不能だから今日はここまで・・・次回からまたアシュラくんたちに先を越されたリュウト君たちも応援してあげてちょうだい」

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