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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部6章「最後のデート」11話 「その理由」

 裏のユキが俺を連れてきた場所、魔の森にあるエルファリアに住んでいるとはいえ森の全体を知っているなんて訳は勿論ないのだが


「ユキ、ここは?」


 特に周辺と変わらない気がするこの場所。気温はユキが好きそうな低温ではあるが、それはこの周辺はどこでも大して変わらないし、そもそも彼女の故郷の山に比べたらずいぶんと暖かい


「シッ! リュウト、静かにあそこを見てくれ」


 ん? 静かにってことは生き物がいるのか? そう言えば裏のユキの趣味は・・・


「白リス?」


 そこにいたのは真っ白なリス。確かに本でそう言うリスがいるのは見たことがあるが、この森に生息していたんだな


「ああ、めったに人前には出てこない、そもそも数も少ない貴重種だ」


 普段はキリッとしていて可愛らしい表とは違って美人という感じの裏らしくはない目尻の下がった顔。元々表のユキを妹のように感じて守ってきた裏のユキは可愛らしいものが大好きだ。そして


「少し待っていてくれないか?」


 ユキが氷を作り出してサクサクと形を変えて目の前にいる白リスの氷の彫像を作り上げる。そうだったな、裏のユキの趣味は可愛らしい生き物の氷の彫刻。初めて見たときは生き物をそのまま凍らせたのかと勘違いしたほどに出来の良いそれは普通だったら溶けていくのだろうが、雪女であるユキが保有しているのならばそれこそユキが存命である限りは消して溶けないものになるだろう


「この子の彫刻を作りたかったのか」


 なるほどな、裏のユキがここに来たがっていた理由がわかった。と思っていればユキは不思議そうな顔をして


「それだけならば1人で来てもいい。私はその・・・リュウトと一緒にあの子を見たかった」


 普段は青白い顔だからこそユキの顔が赤くなるのはよくわかる。そ、そんな赤い顔でうつむかれると俺の方も気恥ずかしいのだが


「そ、そうか」


「後・・・リュウトを作らせて欲しい」


 一瞬、どういうことだと思ったが、ああ俺の彫刻を作りたいと・・・へっ?


「えっとユキの趣味って可愛い生物の氷の彫刻だったよな?」


「ええ」


「・・・俺?」


「可愛いわよ?」


 か、可愛い・・・。元々容姿に自信があるわけではないが、こうもはっきりと疑問に持つこと自体が不思議だとばかりにいわれてしまうと悲しいものがあるんだが


「駄目かしら?」


 そう悲しそうにいわれて駄目と言える奴がいるのならば会ってみたい・・・メイあたりならばすっぱりと断りそうな気もする


「い、いや、そんなことはないぞ。俺なんかで良ければいくらでもモデルにしてくれ」


 そういった瞬間のパァッと花が咲いたような笑顔に比べれば少々胸が痛むぐらい何てことはないさ。雪女なのに春のようとは裏も中々雪女らしくはないのかも知れない


「ふふっ、俺なんかじゃないわ。あなただから・・・よ。少しだけ動かないで」


 本当に少し、ほんの数秒にも満たない間はユキだからこそ出来る芸当だろう。しかし、出来上がった氷像は何て言うか少女像と言っても通じそうな感じで・・・ユキの氷像は今まで本物と見間違えるぐらいにそっくりだということを考えると


「リュウト?」


「いや、何でもない。ちょっと現実に打ちのめされていただけだ」


 俺だって、俺だってちょっとぐらいカッコいい自分って言う物に憧れを持っていたって良いはずだろ?


「大丈夫、見た目は可愛いけどリュウトはカッコいい」


「そ、そういってくれると少しは救われるよ」


 そんな簡単に読まれるほど俺は落ち込んでいただろうかとも思うがな。しかし、この等身大の氷像はどうする気だ?


「で、これはどうするんだ?」


「勿論保管する。飾るもよし、抱き枕にするもよし」


「そ、そうか」


 氷像の抱き枕とはずいぶん寒そうだと思ったが、雪女だもんなユキ。他のメンバーもこの程度の寒さはものともしないからユキに制作願いとか出さないように願っておくよ・・・特にリデア


「今日からはずっと一緒だ」


 ってスリスリしている裏のユキは可愛いと思うんだけどなぁ。まぁ、氷像でも俺と一緒の時間を増やしたかったと言うユキには悪いとは思ったよ。表はともかく裏とはあまり時間はとれていなかったからな


「平和になったらもっと一緒に過ごす時間を増やさないとな」


「それはまた死ねない理由が増えたわ」


 そう笑うユキの笑顔こそが俺が死ねない理由の1つになった・・・そう感じた

デート回裏ユキ編のリュウト視点でした


リデア「・・・なんでワタシが特に警戒されているのよ」


・・・氷属性ですからねぇ。しかも竜ですから氷像抱いていても寒くないでしょう、あなた? 他は耐えられるけど冷たいと感じないわけではないですし


リデア「ふふん、つまりワタシが凄いからってことね! それならわかってあげないこともないわ」


ついでに性格的にもそういうことをやりそうな奴ってことで


リデア「どういうことよ! それは!!」


そこら辺は自分で考え・・・ってまた氷漬け!? さ、作者虐待を断固反た・・・


リデア「作者はしばらく話せなくなったから今日はここまでね。次は誰の番なのか楽しみに待つと良いわ。じゃあね」

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