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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部6章「最後のデート」6話 「月夜の晩に」

 満天の星空とまん丸な満月の下、リュウト君は自分の神殿の前に立っている。ふふっ、約束の時間までもう少しだけど私がここにもういるってリュウト君は気がついていないわよね? リュウト君に任せておくといつまで経っても次が決まらないってことで前のデート相手が次のデート相手を決めてリュウト君には日時と場所だけ伝えるという方式にしてあるのよ・・・言葉にしてみると不思議なことをやっているけど、私たち自身が十分世間一般から離れている存在だから今更な話よね? というわけで私は今、神殿の壁の中に隠れていて


「姉さん、いつまでそこに隠れているんだ?」


 リュウト君を脅かすために飛び出そうとしたところで不思議そうにリュウト君に問われて逆に驚かされたわ。い、いつから気がついていたのかしら?


「リュウト君、私が隠れているの気がついていたのね」


「そりゃぁな、こんな場所にこんな時間に待ち合わせるのは姉さんしかいないだろう」


 じ、時間が悪かったのかしら? 元私の孤児院の場所とはいえ今はリュウト君の神殿でその歴史の方が遙かに長いのだから、場所だけだったら他の子が使ってもおかしくはないのに


「しかし、一応は神在住の神殿に幽霊が出没するって言うのもな」


「あら? リュウト君は幽霊を差別する神じゃないでしょう」


「ま、悪魔も恋人にしているような神だしな」


 なんてリュウト君は笑うけど、私を今回に指定した子でもデート中に他の女の子の話は出して欲しくないものね


「それに今更姉さんに驚く奴なんてアキしかいないんじゃないのか?」


 そうなのよね、最近あんまり驚いてくれる人がいなくて寂しい限りだわ。アキちゃんはいつでも新鮮な驚きをしてくれるけど、あんまり怖がるものだから流石にかわいそうになってきたのよね。仲間としてあんまり私にトラウマ持たれても困るし・・・リデアちゃんのメイちゃんに対する奴みたいに


「そうね、でもみんなが強くなるって言うのは悪くはないわ」


「それは強いって言うんだろうか?」


 ってリュウト君は首をかしげるけど・・・どうなのかしらね? カーミラちゃんとか美鬼ちゃんとか種族的に怖がったらその方が不思議な子もいるし


「まぁいいさ、で姉さんは何処か行きたいところあるのか? こんな時間を指定したぐらいだし」


 そうね、こんな時間ではお店はやっていないし、そもそも私はお店に行っても大概の場合は認識してもらえない。時間だけならば時差で今は昼の場所に移動することもリュウト君ならば簡単なことではあるのだけど


「ええ、夜の森をね散歩したかったのよ・・・リュウト君と」


 私たちが住んでいるエルファリアは森の中の都市なんだから幽霊である私には夜の森の散歩なんて何時でも出来ることだわ。でもね、昔あなたがママナちゃんとしていたように夜の森の散歩をあなたとしてみたかった・・・お姉ちゃんとしてのほんのちょっとの嫉妬だって言ったらリュウト君は笑ってくれるかしら?


「夜の森を?」


「ええ、そうよ」


 リュウト君は私がなんで夜の森を散歩したいと言っているのかはわからないみたいね。でもいいわ、夜の森のこの静かな雰囲気を味わいたかったとか言ったら納得してくれるのかしらね?


「リュウト君、手を・・・」


 そう静かに私がリュウト君に手を伸ばし、そしてリュウト君がその手を取る。私がフワリと空に浮かべばリュウト君もそれとなく風を操って私の行きたい場所へと着いてきてくれる


「ねぇ、月がとっても綺麗だわ」


「はは、姉さんがそんな言い方をするなんてな」


 森の上空、足が木に引っかかりかける程度の高さだけど地上よりはちょっとだけ大きくて綺麗に見える満月。きっと私が夜の森をリュウト君と散歩したいって言ったからママナちゃんはこの日を指定したのでしょうね。そういうところはあの日から、ずっと二人でリュウト君のお姉ちゃんをやっていた仲だからかも知れないわ


「あら? 私は月が綺麗だって言っただけだわ。リュウト君はどういう意味に思ったのかしらね~? お姉ちゃんに言ってごらんなさい」


 リュウト君は慌てるけど、そんなリュウト君だからこそ私は好きなんだって思うわ。純粋でちょっと初心うぶですっごく鈍くて・・・本人には言えないけど可愛らしい顔をしているのに時々格好良くて


「このまま月面旅行してみる?」


 リュウト君は姉さんは出来るから冗談か区別がつかないって困惑するけど、私はね・・・本当はあなたと一緒だったらどこでも楽しめるのよ。でも、私と一緒にあの世に行くのは当分駄目よ? もう死んでしまっている私が言うのもおかしいかも知れなくてもね

と言うわけで今回のデート相手は幽霊姉さんことマリアさんでした


マリア「リュウト君は本当に可愛らしいわね」


あんまり話に出てきませんがリュウトのコンプレックスは女顔ですからね


マリア「そこが良いのに」


マリアさんの場合はリュウトが子供の頃から好きだったわけですしね。子供の頃って言うのはそんなに男女でものすごく違うって訳ではありませんし・・・でも10才ならもう差はそれなりにあるか


マリア「その頃のリュウト君は女の子の服を着させたいぐらいに可愛かったわよ?」


・・・リデアあたりならば今でも実行しそうですからこの話題は止めておきましょう。と言うわけで今回はここまで! 次回のリュウト視点もよろしくお願いいたします

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