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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部6章「最後のデート」5話 「古い物と新しい物」

「リュウト、こっちだよ!」


 俺の手を引いて走るママナ。ママナは悪魔という種族の関係上、人間の町へ遊びに行くことは出来ない。俺が気にしないって言ってもこの場合は意味がないからなぁ。間違いなく騒ぎになるし下手すると討伐隊が組まれかねない。それに負けるママナでも勿論ないが、起きるとわかっているいざこざをわざわざ起こしに行くこともない

 というわけで今までママナとのデートと言えばもっぱら森の中だったわけ何だが、今回はエルファリアでデートをしている


「ん~、こういうのも新鮮だね」


 エルファリアはアキのお膝元だし、ママナが俺たちの仲間であることは周知されている。と言うことでママナが普通に歩いていてもそれがママナであるとわかった瞬間に騒ぎが収まる数少ない町だ。もう一つ、ママナが行っても問題ない町もあるんだが、そっちはママナが恥ずかしがっていこうとしないからな


「そうだな。見慣れた町も全く違う感覚だ」


 住んでいる俺は当然としてママナも生活物資はこの町で買うことが増えたようだし見慣れた場所であることは間違いがない。だが、こうして二人で歩いているとなると


「リュウト、これ似合うかな?」


 帽子をかぶってクルって回るママナによっぽど嬉しいんだろうと思う。まぁ、その帽子のチョイスが色んな色がある中で黒を選んだのがママナらしいとも思うがな


「ああ、ママナって感じの色だな」


「もう! 別に私は黒しか身につけないって訳じゃないんだよぉ」


 ママナはそう膨れるけど、実際にママナはほぼ黒一色だろう? 唯一の例外は・・・


「ずいぶん色も薄くなってきたな。その新しい物をプレゼントさせてくれないか?」


 そう、俺がかって贈ったリボン。それも菓子の袋を結んでいたリボンだから安物も良い物だ。むしろよく風化もせずに色落ち程度の損傷で済んでいるなと思う


「新しいリボン!?」


 聞いたときはそれだけ大切にしてくれているのならば嫌がるかなとも少し思ったんだが、ママナは普通に目を輝かせる。だが、リボンが欲しいだけならば何時でも買うことは出来るはずなんだ・・・そんなに高い物でもないし


「ああ、どんなリボンが良い? 同じ物というのは難しいが」


 似たような物ならば今の時代にもあるかも知れないけどなぁ


「ブ~、やっぱリュウトとはわかっていないよぉ」


 ん? どういうことだ? それがお気に入りだったんじゃ


「私がこれをずっと付けていたのはリュウトがくれたから。最初の思い出のリボンで、リュウトが新しい綺麗なリボンをくれたからってポイってゴミになる物じゃないよ。ずっとずっと、隠密の副作用による修復も効かなくなって風化してしまうまでは私の宝物。ううん、なっても思い出の中の宝物は変わらない。でもね、新しい宝物が出来るのはそれはそれで嬉しいの」


 なるほど、そのリボンが今までもっていた理由がわかったよ。原子レベルで分解して自分の姿を隠す隠密だから。リボンも分解と再構成を繰り返していたんだな。なんて考えていればにっこり笑ったママナが俺の頬をつねって


「絶対リュウトの納得しているポイントが違う」


「あっ、いや、俺のプレゼントだから嬉しいって言うのはわかったし、俺もそう思っていてくれて嬉しいぞ?」


 うん、それは間違いなくわかっている。そうだ、リボンの数が1つじゃないといけない理由はないだろう? 洗い替えとか


「よし、それじゃあリボンを買いに行くぞ~。何本欲しい?」


「だ~か~ら~! 数とか値段とかそう言うのじゃないんだって~」


 プク~って膨れているのは変わらないママナだが、その表情は笑顔だから嬉しいと思っているのは間違いないんだろう。多分ここでやっぱり数が多い方が嬉しいんだなとか言ったら今度こそ本気で怒られそうだが


「ほらほら、リュウトが選んでよ」


 店の多くのリボン。帽子は自分で選んだママナだったけど、これは俺に選んで欲しいのか? 多分、リボンに関しては俺が選んで贈った物だから身につけたい・・・そういうことなのかな?


「そうだな、これなんかどうだ?」


 前の時のリボンと配色は違うが、似たような模様を描くリボン。勿論材質はこっちの方がずっと良いが、ママナにとってはそれは精々長持ちしてくれるからそう言う意味では嬉しい程度のものかも知れない


「うん、リュウト、ありがと!」


 ま、どんな理由もこの満面の笑みにかなう物ではないんだけどな。ちなみに代金を支払って帰ってきた後にすぐ


「そのね、リュウトに付けて欲しいんだ」


 って目を閉じて『私に付けて』アピールをしてきたときにはなんとなく指輪をはめて貰う恋人というよりは新しい首輪を買って貰った犬のように見えたのは俺だけの秘密だ・・・なにせ付ける場所が首元だっていうのがなぁ

と言うわけでママナデートは町でのリボンの買い物でした


ママナ「・・・犬。犬って酷いよぉ」


か、可愛らしいじゃないですか?


ママナ「私にとっては指輪よりも嬉しい贈り物だったの! 指輪貰ったときも嬉しかったけど」


ママナの場合色々と特殊ではあるからなぁ


ママナ「リュウトの周りにいる人が特殊なんだと思うけど」


・・・確かに。例外なく全員、男も女もみんな特殊な奴らばっかりだ。ああ、ヤマト夫妻ぐらいは普通の枠に入れても良いけど


???「それって私(ワタシ・我・俺)も入っているの(かの・か)?」


・・・さて、次回までに無事に再生できたらまたお会いいたしましょう。では、次回もよろしくお願い致します~~

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