13部5章「最後の日常」11話 「こちらでも交流会?」
「あれ? アキ?? メイじゃないの?」
入ってくるなり私の顔を見てそんなことを言う少し失礼なママナ。そりゃ、同じエルフの姉妹としてお姉ちゃんのイメージの方が強いのは事実だろうけどさ
「どうせ私はお姉ちゃんほど印象強くないよ」
「そ、そう言う意味じゃないよぉ!? それに命のはどっちかと言うと悪い印象・・・じゃなくてメイが待っているんじゃなかったの、アイ!?」
「うん? ボクはメイの名前なんて出したっけ?」
あっ、ママナが考え始めちゃったけど
「・・・い、言っていない」
「でしょう?」
アイが勝ち誇ったような顔をしているけど、たぶんわかっていてそれっぽいことを言ったのね
「で、でも! 私がここに来たのを予想した人がいるって」
「あっ、それはお姉ちゃんで間違いないよ」
ママナが固まるけど、そんなことを気配ではなく予想で察知できるとんでもない人は世界広しといえどもお姉ちゃんしかいない
「そ、それでメイさんはその・・・」
「来ないから安心して。ママナに用があったのは私と」
「お姉ちゃんよ!」
と壁からニュッって出てきたのはマリアさん。知っているはずの私が一番驚くのはなんでだろう・・・そうだよね、悪魔って幽霊と親和性高いよね
「え、えっとアキとマリアさん? どうしよう、共通点が思いつかない」
「それはね、リュウト君の仲間初期メンバー・・・かしら?」
そうそう・・・ってあれ?
「マリアさんが旅の仲間になったのってアイと同時期だよね?」
「お姉ちゃんのほうが早いわ!」
「少しだけだよね!?」
うん、マリアさんとアイがにらみ合っているけど、本当に誤差っていうレベルだよね
「知り合った・・・だったらそうなのかなぁ」
「それだったらアキにも外れてほしいなぁ。リュウトと出会ったのってマリアが最初で次が私」
正確には実の妹なリデアが最初なんだけど・・・再会したタイミングってことにしておこう、面倒だから
「ママナ! それは酷いよ! 私がリュウトの正式な恋人だって忘れていない?」
「リュウトはそういうこと気にしないと思うよぉ。それにアキを含めると必然的に」
・・・お姉ちゃんも入ってくるのよね。私とほぼ同時期だもん
「あ、あのさぁ、どっちの基準でもボクは仲間外れ・・・なのかな?」
「そういえば・・・」
「そうかなぁ?」
「ひ、酷い!」
まぁ、アイはそんな感じで嘆くけど、この辺まではある意味たわいない会話?
「冗談はここまでにしておいて」
「冗談だよね、本当に!?」
アイには軽くうなずいておいて、少し真面目な顔でママナをマリアさんと見る。ごくりと息をのむママナを見て
「ご近所さんなのに意外と交流がなかったから少し親睦を深めようかと」
ヘニャって力が抜けた感じのママナに私は笑う。そう今回のことにさして意味はないわ。勿論、こうやって私達の絆が深まるとそれがリュウトの力にもなるんだけど、そんな理由で仲良くしようとしてもうわべだけで意味がないんだよ
「ママナちゃんとは前々から話したいと思っていたのになかなか機会がなかったのよね」
「そういえば私はリュウト以外とは会わないようにしていたから」
「ママナは少しだけ自分のことを卑下しすぎだよね」
ママナの親友を名乗るアイがそう笑うのをきっかけにみんな笑う。確かにマリアさんも私もリュウトに関わっていなかったら悪魔であるママナと仲良くなろうとしなかったと思う。アイは・・・どうなのかな?
「リュウトはやっぱりすごいね」
「当然よ、私の弟なんだから!」
マリアさんがそういうのに対して少ししまったなって思う。マリアさんの弟自慢は筋金入りだもの。でも、同時に私も彼氏自慢したいかな? もっとも、どっちも同一人物なんだけどね
「私の弟でもあるよぉ」
「ボクの旦那様でもあるかな?」
「「「旦那にはまだなっていないでしょう!?」」」
「やっぱり今日はみんなボクにあたりがきついよ!」
私たちって付き合いは長いのに、なかなかリュウトを介さない付き合いって少なかったからね
「それじゃあ、たまの集まりに乾杯と行きましょうか」
「お姉ちゃんの所からお酒はこっそり持ってきたからいっぱいあるよ」
「それって本当に大丈夫? ボクは巻き込まれるの嫌なんだけど」
そんなことを言いながらもアイだってしっかりとお酒の入ったグラスを持っているんだからバレたときは同罪。と言うよりもとっくにバレていると思うよ? 怒られるかどうかってだけで
「ブ~! 結局仲間外れは私だけだよぉ」
ただ1人オレンジジュースの入ったグラスを持っているママナはそういうけど、こういう交流が楽しいのは笑顔のままナだって同じでしょう?
と言うわけでこっちでも飲み会が始まりました
アキ「この章は少し今までと毛色が違う感じだよね」
最後の日常話ですからね。厳密には次の章にリュウトと恋人たちの章はあるのですが、仲間内のとなるとこれが最後
アキ「だから今までしなかった色々を全部出しているって感じ?」
そう言う感じです。まさにネタが思いつくままにいろいろ書いている・・・がこの章ですね
アキ「それでたまに書いた後に頭抱えているんだ」
・・・まぁ、勢いで書いているところがありますからね。時折ネタになってないじゃんと後になって思うことも。とまぁ、そんな感じのこの章はまだまだ続き
アキ「次回は私たちの飲み会の開始かな? みんなも次も絶対に見に来てよね~!」
・・・毎回なんで僕の終わりのあいさつでなくても幕が下りてくるんだろうなぁ・・・




