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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部5章「最後の日常」7話 「ここは地獄の宴会」

 カーミラさんと美鬼さん、お二人が何やらとても怖がっていることはわかりますが、何をそんなに怖がっているのかしら? この部屋に来てわかったことだから私が参加することなのは間違いないけど、失礼な話ね。リデアちゃんと違ってちょっぴりお仕置き気味に遊んでいるわけでもないのに


「ではまずは乾杯と行きたいところですが・・・何に乾杯いたしましょう」


「何を言っても止まりそうもないのぅ。仕方あるまい・・・じゃが、我らが乾杯することなど一つに決まっておろう」


「だな、俺でもわかるぜ? 俺たちの共通事項なんて一つしかねぇ」


 酒好きという共通点もあるとは思うけど、お酒に乾杯というのはちょっとね。種族も考え方も趣味も異なる三人だけど、その三人をこの場所にそろえた共通点が一つ


「「「愛しいリュウト殿(リュウト・我が君に)・・・乾杯」」」


 誰が一番リュウト君を愛しているかなんて言い出すときっと大喧嘩になるから言わないわ。全員、思われるならばともかく思っているのは自分が一番だってそういうのでしょうから


「とりあえず最初の一杯は一気に行きましょう」


「のぅ、最初の一杯が一気には我らならばわからんでもないが」


「あれって普通はビールでやるもんじゃなかったか?」


 トクトクと私が持ってきたウォッカをコップ(美鬼さんは大杯ですが)いっぱいに並々と注いだ私にそんなことを言う


「ビールなんて水と変わらないではないですか? アシュラ殿のところにあるカーミラ殿が今回持ってきたワインはそれなりに度数が高いですが、最初の景気づけには薄すぎると思いませんか?」


 ビールなんて度数10もないじゃない。アシュラ君のところのワインは普通のワインよりかはずっと度数が高いけど、それでも30までは届かないわ・・・蒸留してブランデーにしたら美味しいお酒が出来上がりそうね? 今度コーリンさんに相談して作ってもらおうかしら? ワインが余って困っているらしいから


「ビールを水というものはしばしばおるがのぅ」


「このワインを水かぁ。いや、鬼ならばわからなくはねぇんだが、エルフだよな、本当に?」


「どこからどう見ても私はエルフではないですか?」


 美鬼さんも何を言っているのでしょうね? でもいいわ、まずは少し喉を潤したところでリュウト君の作ったおつまみを・・・ん~!


「我が君の料理は何度食べても飽きがこぬなぁ」


「欲目もだいぶあると自覚していますが、それを差し置いても素晴らしいですから」


「おう、俺なんかまだそんなに食ったことねぇからな。飽きるなんてありえねぇぜ」


 三人、いえ世界中の誰に聞いても絶品だと答えるであろうリュウト君の料理。むしろ答えなかった人はお仕置きね


「しかし、カーミラ殿も美鬼殿もお酒が進みませんね? では、そろそろ本命のこれを開けましょう」


 ウォッカの樽を3つほど開けたところで私は天界から送られてきた特性のお酒を全員のコップに注ぎます。何故にそんなに顔をしかめるのかしら? カーミラさんに美鬼さん?


「匂いは良いのですが、度数はまだまだ軽いですね」


「・・・そんなことを言う化け物はお主だけじゃ」


「同意するぜ。鬼族でもお前には敵わねぇよ」


 失礼ね、私は少し強いだけなごく普通のエルフよ? カーミラさんも美鬼さんもそれぞれの種族では弱いほうなのかしらね? はぁ、私と飲んでくれる普通の方はいないかしら

 そして


「そろそろ料理も尽きてきましたし、本格的に飲む時間ですね」


「料理が尽きたら解散するもんだろ、普通」


「あら? 鬼族の宴会は料理が尽きてからが本番と聞きましたが?」


「・・・飲むのが普通の酒だったらな」


 確かに普通のお酒よりかは度数は高いけど、このぐらいならば


「誤差です」


「はっ?」


「ですからこの程度の差は誤差にすぎません」


「ウォッカを基準にして数十倍の濃度を誤差って言わねぇんだよ!?」


「美鬼よ、こやつには言っても無駄じゃ。我らがゴブリンとエンペラーリッチの強さが誤差と言うようなもんじゃろう」


 ・・・ゴブリンは人間の兵士でも倒せるけどエンペラーリッチって人間だったら英雄クラスでも視線を合わせただけで即死よ? 半アンデッドの王族であるカーミラさんとアンデッド特攻を持っている美鬼さんならばゴブリンと同レベルなのかしら?


「いえ、ゴブリンとコボルト程度の差だと存じます」


 私が人として正しい認識に訂正したらますます沈黙しちゃったわね。さぁ、今日は朝までたっぷりと飲みましょう? たまにはこんな休暇があってもいいでしょうから

吸血鬼と鬼がいるから地獄なのではありません。メイがいるから地獄だった今回のタイトルです


メイ「不思議なことです。私が参加できる時点で平和だと思うのですが」


たぶん僕が知っている平和とメイが知っている平和は単語の意味が違うと思います


メイ「リュウト殿とは違うのですが」


いや、リュウトはそこらへん常識的ですよ!? あれもたいがい非常識の塊ですけど、メイみたいにどのルートでも地獄を作るような真似は・・・


メイ「私の行動が地獄そのものみたいな言い方をしないでください」


そう言っているのですが・・・あ、あのその鞭は・・・だからそれが地獄だと~~~!!?


メイ「作者殿気絶につき今回はここまでです。次回は私の出番はありませんが、ぜひ見に来ていただきますようお願いいたします」

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