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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部5章「最後の日常」6話 「そして戦いへ?」

 美鬼を連れて少し歩く。私はあまり昼間に出歩く方ではなく、酒場ならば大の酒好きである美鬼の方かも知らないけど今回は私の行きつけお店に


「この店昼間はやっていねぇぜ?」


「そ、そのようじゃな。お主は昼間の行きつけの店とかあるのかの」


「おう、こっちだ」


 私が行こうとしたのがこじゃれた少し高めの店であるのに対して、美鬼が向かったのは大衆酒場。ええ、美鬼らしい店の選択でしょう。でも個室・・・ないわよね


「普段ならばこういう店も悪くはないのじゃがのぅ。他のものに聞かれたい話でもないのじゃ」


「俺は個室なんてある上品な酒場は知らねぇぜ」


 そうでしょうね。ここでも誰が来るかわからない野外で飲んでいるよりかはいいともいえるけど・・・仕方がないわ


「最後の手段を使うとしようかのぅ」


「最後?」


 2手で手がなくなって最後の手段になってしまうのは悲しいところではあるけど、このまま歩き回っても何も進展しなさそうね


「我が君に頼んで我の部屋で飲むとしよう」


「リュウトに? つまみはうまいのを作ってくれるだろうが、酒はどうするんだ?」


「いるじゃろ? 極上のワインを持て余している者が」


 リュウトが忙しそうだったから他に飲む者を探していたのにリュウトにおつまみを作らせることになるなんて・・・お酒はアシュラのところに行けばコーリンさんが喜んで消費しきれないワインを提供してくれるでしょうけど


「ああ、なるほどなぁ。俺が取りに行ってやろうか?」


「速度ならば我のほうが早いからのぅ。お主はリュウトのほうに頼んでくれぬかの」


 こっちの方が頼みにくい相手だし、と言うのは美鬼も同じなようでお互いにどっちがリュウトのところに行くかでにらみ合うことになったけど、結局美鬼が折れたみたい。押し切るのは得意でしょう? ふふ、でもリュウトに会いに行くのを譲り合うなんてそうめったにない光景ね




「我が君は作ってくれたようじゃのぅ」


「リュウトは基本頼まれたら嫌とは言わねぇからな。カーミラが頼んだような話でねぇ限りは」


 うっ、あれは私もあせりすぎたとは思っている。あの時はがっかりしたけど、受けられていたらどうしようとも思える。こ、これで逃げちゃって、リュウトにからかわれたとか思われたら取り返しがつかないかも・・・ここまで来るのにあれだけ時間のかかったのにまた振出しは・・・


「何をしておる? 我の部屋はこっちだ」


「なんだ? 地下の部屋じゃねぇのか?」


「あっちは寝室じゃ。さすがに地下で飲み食いは匂いが残るからのぅ」


 美鬼は2部屋も持ってやがるのかなどと言っているけど、本当のところ私の部屋は美鬼と同じ3階の部屋1室のみ。そこを寝心地がよさそうと言う理由で地下の空き部屋にベッド(※一般的には棺桶と呼ぶ)を勝手に置いているだけ。ほとんど寝室にしている地下で過ごしているからこっちにはめったに来ない。ここ数百年ぐらいは掃除のために入ることがあるぐらい


「思っていたよりも3秒ほど遅かったですね」


 開けたとたんに見えた幻聴と幻覚に私は扉を閉める。隣の美鬼も固まっているからどうやら同じ幻聴と幻覚に合ったらしい・・・好戦的な鬼の美鬼が固まるほどの衝撃と言うのがいかにすさまじいか


「ご自分の部屋の扉で何を遊んでいるのですか?」


 意を決してもう一度開けてみればそこに微笑んでいるのはメイド服のメイで・・・いえ、メイド長であるメイがメイド服を着ているのはいつものことなんだけど、問題は何故私の部屋にいるのかと


「そういうそなたは何故私の部屋におるのじゃ?」


「リュウト殿の料理をおつまみにしながら飲み会・・・私を誘わないと水臭いではないですか」


 水臭いとかそう言う話じゃないのよ。あなたを呼ぶと私たちの命にかかわるの! 鬼二人が酒の場でかかわりを避けようとする時点で自分の異常さに気が付いて・・・くれる人ならば苦労はないのよね


「今日のところはそんなに量は持ってきておらぬのじゃがのぅ」


「大丈夫です。お酒は私が用意いたしましたので」


 最後の希望で量は飲まないと樽2つ分の酒を見せる。二人で飲むならば十分だけど、メイが飲むには少ない・・・って思えば当然のように自前で10樽ほど持ってくるこの子はなんなの?


「美鬼、決戦の前に生死をかけた戦いが始まりそうじゃのぅ」


「酒も戦いも好きだがよぉ、こんな嫌な戦いは初めてだぜ?」


 こんなところで死んでいられないわね。リュウトはちょくちょく犠牲になっているけど・・・弱いのに生き残っているリュウトはやっぱりすごい

と言うわけでカーミラと美鬼の命をかけた戦いは次回に


美鬼「なんでただの飲み会が命がけになるんだろうな」


メイが持っている要素が危なすぎるからですね。しかし、メイド服を着ているメイド長のメイ・・・別に狙ったわけでもないんですが、妙な文に見えますね


美鬼「んなことはどうでもいい! 問題は俺たちが生き残れるかなんだが・・・次回まで続くのか」


うちのメンバーは基本酒に強いのが多いのですが(例外:リュウト・リデア・ママナ)その中でも特に強いこの3人が飲んだらどうなるのか? というよりもリュウト以外と飲んだ描写が少ないなの実験です


美鬼「実験で俺たちの命を使おうとすんじゃねぇ!」


鬼にさえこう言われるメイの異常さ。さて、実験の結果がどうなるのかは次回見てやってください

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