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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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13部4章「鬼族の誇り」3話 「やっぱり用心?」

「ここは?」


 まだ少し硬いところもありますが美鬼さんの態度が少し軟化してきましたね。もっとも、あれから三日も二人だけでいるのですから慣れてもらわないと困ります


「ここ地獄におけるあなたたち鬼のルーツと言える場所です」


 ここにあるのは一つの洞窟。元々は特別な洞窟ではありませんでしたが、今となっては封印をしなければいけない場所でもある


「ここが鬼のルーツ?」


「はい、先ほどもいいましたが地獄に限っての話です。荒神、この名前に何か思ったことはありませんか?」


 荒神美鬼、彼女の名前でもあるこの荒神。そう、つまり荒い神なのです


「俺にとっては生まれた時からの名前なので」


「それも仕方がないことかもしれませんね。ですが荒神とは名前の通り荒い神、つまりあなたたち鬼は神をルーツにしている種族なのです」


 扱いとしては竜神に近い存在。もっとも、竜神と違いレオンの支配をはねのけることは出来ませんが


「俺たちが・・・神?」


「かなり異質な・・・というのが頭につきますが。そしてご存知でしょう? 神の力を持つものは」


「レオンに操られる」


 自分がレオンに操られてリュウトさんたちと戦う姿を想像したのかブルリと震える美鬼さん。恐れ知らずとも言える勇猛な美鬼さんがこんな恐怖を覚えることは良いことですね


「そう、それはあなたたちの祖先も承知していました。自分が恐れられることは恐れなかった。迫害したものたちも責めることはなかった。けれど、自分が人々を襲う事だけは恐れました。だからこそ、この洞窟にその力を封印したのです」


「それを手に入れれば強く・・・って操られたら意味がないでしょう!?」


 そうですね、レオンが次の戦いでも操れる駒があるとわかったらやらないとは限らない。どんなに強くなってもそれでは意味がないというのは勿論美鬼さんが正しいわ


「そこら辺の話は奥まで行ってから話した方が良いでしょう。ああ、この辺りには逃げ込んだ亡者もいますから守ってくださいね。私は戦闘能力は殆どないのですから」


「え、ええ。任せてください!」


 実際にこの洞窟には力があるが故に力に惹かれるものが無意識に集まってくる。もっとも、その真価を知っているものはそうはいなければ、利用できるものなど皆無ですが


「てめぇらごときが閻魔様に触れるんじゃねぇ!」


 そういいながら美鬼さんが集まってくる様々な亡者たちを薙ぎ払っていく。確かに私には指一つ触れさせていませんが


「美鬼さん、私は円ですからお間違いなきように」


「す、すみません」


 まだまだ友好的な関係には遠そうですねぇ。もっとも美鬼さんを繋がりにしてリュウトさんとの縁を得ようとする私も随分と腹黒だと思いますが

 それにしてもそんな風に頭を下げながら、回し蹴りで亡者を撃退する美鬼さんはとんでもないと思います。この辺にいるのって上級悪魔や意識を失った下級ドラゴンゾンビ達ですよ? もう少しぐらい苦労するかと思ったのですが、レーチェルではないですが少し悔しい気もいたしますね


「これが力?」


 洞窟の最奥までやって来て光る球を見た美鬼さんはそう唖然と言いますので、私は


「ええ、ただしダミーです」


 そう答えたので美鬼さんは珍しく驚いたようですね。こういうやり取りも密かに憧れでした。閻魔としてはそんなことをするわけにはいきませんからね


「本物はこっちです」


 その光る球の台座の部分の側面を開け、スイッチを押したことで地面に階段が作られます。勿論、ただのではなくて力が漏れるのを防ぐ力を持った結界付きですね。あからさまに力を放つ目立つ光の球なんてあったらそこに引かれるようなレベルのものが殆どですからね


「これは、ただの結界では・・・」


 美鬼さんが気がついたことに少し彼女の成長を感じられます。彼女はそう言う細かいところに気がつくタイプではないですから


「色々用心はしていますよ」


 実はここに入ったものがいると私に連絡が入るようになっています。勿論、今回は私がこの場にいますので意味はありませんが


「さぁ、行きましょう。ここから先は少し迷路になっていますよ」


 美鬼さんにそう言いながら、先に参ります。この先に亡者がいないことはわかっていますしね。そしていくつかの隠し通路を含めた迷路を抜けた先の広間


「これが本物です」


 という私に『えっ? どれ?』って顔をした美鬼さんに少しにやりとした私なのでした

正体隠しもそうですか、円は基本的に用心に用心を重ねるタイプです


メイ「ある意味人を信用していないともとれる彼女ですが、人の罪を暴くことを生業とする閻魔王故でしょうか」


そう言う側面はあるでしょうね。彼女自身は無論悪い人ではないですが油断してはいけないというのが根底にあります


メイ「そんな円殿を無条件に信じさせている人がいるのですが」


リュウト自体が無条件に仲間は信じるですからね。彼女自身も以前言っていたように信じてもらえることに好意を持っているようです


メイ「場合によっては物語終了後あたりにリュウト殿のところに嫁に来そうですね」


・・・そこら辺はなんとも言えません。という辺りで今回はここまでてす。次回もまた宜しくお願い致します

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