表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
1181/1378

13部2章「天界でのひと騒動」6話 「終わりよければ」

「ム~、なんかよくわからないけど、わたし強くなったってこと?」


 堕天使モードから天使モードに戻ったレミーがまだ慣れないのか増えた羽を引っ張ってレーチェルにやめなさいとはたかれる


「俺たちも詳しい話は聞きたいところなんだが・・・レミーはわかっていないしなぁ」


 堕天使の方だったら把握しているのかもしれないが彼女が話す気ならばもう話しているだろう。そうすると知っている可能性があるのはレーチェルとリデアあたりか


「ん~? なんか、姿が四つある? えっ? それは黙っていろ??」


 四つ? 三つはわかる。天使と堕天使、それに二つの合成バージョンだ。だがもう一つはなんだ? 聞いてみたいところだがレミーはわかっていないんだろうなぁ


「そうね、一つ言えることはレミーはかせをはずしたのよ」


「枷?」


 聞こえたレーチェルの声に思わず反応すれば、レーチェルは真面目な顔で頷く。ああ、レーチェルがこの顔をするのならば、これは本当に大事な話なんだろう


「この世界はレオンが作った・・・それはどうしょうもない事実よ。だからこの世界にいる種族は基本的にレオンが創造したものとも言えるの。神に仕える天使なんてその最たるものよ」


 竜族はマルトたちの子孫にあたるから別なのだろうが、他の種族は確かにレオン製ともいえるわけか


「でもレミーはその枷を今外した。今のレミーは神に仕える天使じゃない。ううん、レミーこそレオンさえも想定していなかった新たな神なのかもしれないわね。寿命も・・・たぶんなくなっているはずよ」


 はぁ、なんというかだな。元々俺は最終的にレーチェルぐらいしか隣にいてくれないのだろうと思っていたのだが、随分と不老の存在が増えたものだ


「ま、いいさ。レミーがレミーであることには変わらないのだろう?」


 コクリと頷くレーチェルに安心する。そこさえ確保されていたら問題はないんだ


「あのレーチェル様・・・」


「何でもないわレミー。あなたはあなたらしくいればそれでいい」


 神々に仕えると言う役目を持った天使のレミーはいなくなった。しかし、恐らくレーチェルは昔のレミーだって仕える天使と言うよりは家族・娘として思っていたはずだし、レミーも義務がなくなったとしてもレーチェルのそばから離れないだろう。だから何一つ変わってはいないんだ


「さ、湿っぽい話はここまでにしましょう。ミミ、案内をして頂戴」


「は、はい! レーチェル様! では、皆さま、こちらにお越しください」


 まだ体はそれなりにきついだろうにことさら明るい声を出してミミに指示を出す。そしてそんなミミの案内でやってきたのはいつぞやも祝賀会に使った場所で


「な、何よ、凄い料理じゃない」


「リュウトくんの料理にはかなわないけどね。これでも私だって出来ないわけじゃないのよ」


「こ、これ、あんたが作ったの?」


 リデアがそう言うのもわかるほどの料理が並べられていた。うん、俺もこれを作ろうと思ったら結構な時間がかかる・・・とりあえずレミーが関わっていなかったというのは安心だが、レーチェルは自分が死ぬ危険を認識しておきながらこんなものを用意していたのか


「ねぇ、もし・・・もしもだけど、万が一があったらどうする気だったの?」


 少しだけ震えたアキの声。そう、そうなった危険は十分にあったんだ


「・・・関係ないわよ。手伝ってもらったお礼だからミミに案内してもらうように頼んでおいたわ」


 おいおい、俺たちにレーチェルを失った状態で、下手したらレミーまで失った状態で食事を楽しめと言う気だったのか?


「レーチェル殿らしいですが、少しは人の気持ちと言うのも考慮したほうが好いかと思います」


 そしてそんな声に周囲がざわつく。そりゃそうだろう、わざわざ声には出さないが誰もが考えることは同じだ


「あ、あんた、人の心なんて理解できたの?」


 ・・・どうやら口に出したうっかり者は俺の妹だったらしい。だが、理解はしているんだと思うぞ? なにせ、あれだけ敵の心理を読み取って先読みをするメイだ。単純に考慮する気があるとは思えないだけで


「なるほど、どうやら重大な誤解があるようですね。あとでゆっくりとお話ししましょう」


 どことなく嬉しそうに言うメイはまるで獲物を見つけた肉食獣のようで・・・なんであれだけメイを怖がっているお前がそんな迂闊な発言するんだろうな、とは思うが助けようとすると俺と言う被害者が増えるだけだから見て見ぬふりをする。だからそんな切なそうな目で俺の方を見ないでくれないか、リデア


「ま、すべて無事に終わったから良しとするか」


「終わってない! まったく無事に終わってないわよ、兄さん!」


 うん、そっちは関わらないことに決めたんだと視線を逸らしたら、周囲から大笑いが響くことになるのだった

というわけで天界の、と言うよりはレミーの騒動は無事終了です


リデア「だから無事じゃないのよ!? ワタシがすごいピンチなの!」


雉も鳴かずば撃たれまいってやつですね。自業自得だと思ってください


リデア「うう、どう考えてもメイの過剰反応のせいなのに・・・」


そう言う人だってわかっていて言うのが悪いのです。ではそろそろ次回予告を


リデア「いいわよいいわよ、いつか復讐してやるんだから。で、予告ね『天界の騒動が収まった後は魔界? 突然寄せられた謎の招待状に隠された魔界と悪魔の謎が解き明かされる。次章竜神伝説13部3章「魔神の願い」』ホント、次から次へといろいろ起きるわよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ