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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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12部11章「突撃! 決戦の場はネフェーシア城!」27話 「価値ある笑顔?」

 その声をきっかけにしたのかはたまた偶然か、視界が徐々に晴れてきて・・・そこには傷だらけなれど五体満足なレオンがいた。とは言っても端から徐々に崩れ落ちていっているから消滅するのは時間の問題だろう。どれだけ強いと言ってもあれは分体に過ぎないのだ


「これならば最後にして最初のゲームは合格と言える」


 にやりと笑うレオンにやはりという空気が重くなる。意識や記憶を共通しているのかは知らないが、分体が攻めてきて本体が来ないということはないだろう。仮に今後も分体を送り込むつもりならば本体を倒さなければ終わらないというのもまた事実。今倒した分体よりもはるかに強大であろう本体をだ


「安心しろ。猶予時間は十分にやる。蟻を踏みつぶすので面白くないからな」


 それを死に際の負け惜しみと言えたのならば、どんなに良かったことだろう。無論、分体と本体の実力差がどの程度のものなのかはわからない。ユキのように本体と変わらない分身を生み出すものもいるしな。だが理屈ではなく感覚的にわかる。その差が絶対的なものであり、分体のレオンの言うことに誇張はないのだと。今の俺たちなど蟻を踏みつぶすも同然に殺せるのだと


「では再びその時に交えよう、今世の竜神よ」


 それだけを言い限界だったのか、それとも自ら解除をしたのか一瞬で光と消えたレオン。再び・・・か。やはりあれはレオン自身が操っていたのか? それとも自分だろうと本体だろうと関係ないのだろうか


「リュウト」


「わかっている。だが、負けられないな」


「・・・うん」


 俺の横に来て不安そうにするアキにそう返事をすれば彼女はコテント自分の頭を俺の胸に預けてくる。次の戦いの幕開けがいつになるのかはわからないが、レオンが奇襲を仕掛けてくることはないだろう。恐らくは一定の時間か、俺達がある一定レベル以上に育ったところで予告をしてくるというところだろう。だからと言って強くならなければ動かないなんて言う楽観視は出来ないが


「その前にリュウトくんは回復よ」


「他の皆もだよ~」


 いつの間にか元のレミーに戻っていたレミーが忙しく負傷者たちの回復に当たり、俺の隣にはレーチェルがやってきている


「いや、俺は特にひどい外傷はないんだが」


「・・・リュウトくん、きっとそう言うのはあなただけよ」


 そう言いながらレーチェルが順々に指さしていくのはカウンターで吹き飛ばされた左足と右肩に顔左上半分・・・別に片足位なくても立っていられるしそのうち生える。肩ももげてはいないから再生も早いだろう。頭だって非戦闘中ならば何の問題もない範囲だ


「問題ないだろう?」


「どこがよ! ああ、もう! 大人しくしていなさい!!」


 俺なんかを回復するぐらいならば具合の悪そうな他のメンバーを先に治してやってほしいと思ったんだが、レーチェルの逆鱗に触れたらしい。離れようとした俺を無理やり押し倒して治療を施された。その押さえつけの方が痛いとは言わないほうが多分いいんだろう


「あ、あんた、何しているのよ・・・」


 と気が付けば震える声で涙目になりながらレーチェルを指さすリデア。一体なにがあった?


「お、お姉ちゃんとしてはそんな不純異性交遊は認められないかな~」


 ん? いやいやいや! 確かにレーチェルはちょうど俺の股あたりに座っているが、ちゃんと服は着ているぞ!? お互いにだいぶボロにはなっているが


「ん~、気持ち良いことかしら? ほらほら、リュウトくんもさっきみたいに激しく動いてもいいわよ?」


 それ治療から逃げようとしただけだからな! それに確かにレーチェルの回復魔法は暖かくて気持ちいいんだが・・・誤解を増すようなことは言わないでくれ! というか誤解を増すためにわざと言っているだろう!? レーチェルの心底楽しいというニマニマした笑顔に俺はそう思う。まぁ、今までレーチェルが負ってきた苦しみを考えれば彼女がこんな笑顔を見せてくれるのは良いことなのかもしれないが


「レ~チェ~ルさ~ん?」


 ・・・ほら、治療のためにレミーの元に行っていたアキまで戻ってきてしまったじゃないか。で、その真っ赤な顔は羞恥なのか怒りなのか・・・えっ? 両方? そりゃそうだよな


「うふふ、じゃあアキちゃんがやる?」


 いや、アキは回復魔法は使えない。って言うか必要ならば俺が自分でやるんだが


「えっ? その、なんていうか・・・キュ~」


 あ、勘違いの上に限界を突破したらしいアキが気絶した。はぁ、以前の決戦のようにレオンを倒してもここが崩れないからまだいいものの


「とりあえずお話はここから帰ってからに致しましょう、リュウト殿」


 そんな怖い声と共に鈴の音が響き渡ることになる

というわけリュウトサイドも一先ずの終わりを見せるのですが・・・もう少しこの章は続きます


メイ「ええ、彼女たちが出てきていませんからね」


そう、今回は完全に裏方に回っている彼女たちが何を感じているのかを出して終わり・・・になる予定です


メイ「そして最後の日常13部、最後の戦い14部へと続くわけですね」


どちらも予定ではそれほど長くはならないつもりです。あと感想の返信で少し先走って一部言ってますがこの部の最後で先のことについて予告しておくことがありますのでそちらも楽しみにしていただければと思います


メイ「物語の最後の時、さぁ、いまこそラストへ続く扉を開けましょう」


・・・まだそんなにすぐには終わりませんけどね。今年中に完結は厳しそうぐらいには。というわけで次回もよろしくお願いいたします

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