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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部7章『妹と兄』
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3話 「兄ではなく」

 レニーの言葉に・・・思いに辺りは静寂に包まれる。予想していなかったわけじゃない。レミーの笑顔の裏に隠されているものがあるなんてとっくの昔に気づいていた。だが・・・俺が思っていたよりもずっと背負っていたものは重かったみたいだな。


「知らん! 俺は知らんぞ・・・貴様など・・・俺は貴様の兄などでは・・・」


 そしてこの男。もし真実兄でないのなら・・・人違いであるのならなぜこうも焦る? この期に及んでお前は逃げようと言うのか?


「ふん、前々から小物だと思ってはいたが、ここまでとはな。」


 アシュラがイラついたように言う。


「そなたが帰る意思がないというのなら・・・力ずくでも帰らせて見せよう。そんな気分だな。」


 アキが珍しく強硬な姿勢を見せる。これは相当怒っているな。


「き、貴様ら! こんな小娘の話を信じるのか!?」


 なおも喚くヘル。・・・そんなの決まっているだろう?


「お前とレミーならレミーを信じるに決まっているだろう? 間違えだったとしても・・・その兜をはぎとって顔を見てからでも遅くはないしな!」


 そう、まずはこいつの顔を覆っている兜を奪う。このまま話していても奴は絶対に認めない。ならば、逃げ場を一つずつ奪っていくしかない!


「リュウト、この程度の雑魚なら本来はオレ一人で十分だ・・・だが生かしてとなると少々厄介でな。奴を助けたいなら貴様も力を貸せ!」


 アシュラのアシュラらしい素直じゃないセリフも頼もしい。


「ああ、ヘルだけならば殺してしまっても問題ないが、レミーの兄貴・・・コクトさんとかっていったか? 彼まで殺されちゃ敵わないからな。」


 そしてキィィィィンとリュムが光る。どうやらこいつも珍しく自発的にやる気を出しているらしい。


「リュム、準備は良いか?」


「無論だ。今回は我が出力調整も斬る対象選びもやってやる。そなたは思いっきり戦えば良い。」


 リュムがコントロールしてくれるならばどこにどう当てたところで殺してしまうことはない。俺はただ力の限り戦うだけで良い。


「えっと・・・どういうこと?」


 まぁ、唯一状況を理解してないのが最大の当事者だというのも問題があるが・・・それは今に始まったことじゃないしな。


「「「レミー(貴様、そなた)は見ていればいい。俺(オレ、私)が取り戻してやる(やろう)。」」」


 そう、これでいい。レミーが戦えるとは思えない。どんな注意を払っても万が一はつき物だ。待ち望んだ兄に武器を向けられるか? 思えば以前の戦いのときもレミーは攻撃らしい攻撃はしていない。・・・それが当然だと俺も思う。


「えっ!? みんな・・・何を?」


 悪いな・・・お前の兄貴、少々傷つけさせてもらうぞ!


「竜神流・・・竜昇撃!」


「なっ!?」


 地面に刺した竜神剣を伝わって地面に流れた風の力は次の瞬間にはヘルを空中へと突き上げる!


「そこだ! 真紅なる業火よ。我が命の火を糧に偽りの生命となれ! ファイヤーバード!」


「修羅・・・烈風脚!」


 空中のヘルに乱れ飛ぶファイヤーバードたち。そして烈風斬の最後の部分を変え、俺の方へ蹴り落としてくるアシュラの技。威力は低下してるが連携にはなると言うわけか・・・。


「止めだ! 行くぞ! リュム!」


 高速の斬撃・・・これが最後、動きを封じる程度には効くと思ったんだがな。


「倒れん・・・倒れんぞ・・・俺は負けられんのだ・・・。」


 アキの技もアシュラの技も手加減(というより元々連携用に撃っただけ、出力調整が苦手なアキなどは弱く撃ち過ぎて目くらましにしかなっていないほど)が加えられてはいた。・・・だが、奴の気持ちの強さもまた理由か・・・。


「お前のその強さ・・・なんでレミーのために使ってやれない?」


「貴様などにわかってたまるか・・・俺の思いなどな!」


「ああ、わからんさ。」


 口を挟んだのはアシュラ。俺の方を見るその目は・・・確かにそうだな。


「ああ、お前は逃げた。そんな奴の思いなど・・・わかりたくないな。」


「大切なもののために戦う・・・それは兄の責務でも男の責務でもない。」


「「お前(貴様)が逃げたもの・・・それは生きるものとしての義務だ!!」」


 俺とアシュラの声が響くとほぼ同時に後方から走る一本の矢・・・撃ったのは勿論


「シャイニングアロー・・・よくわからないけど、みんながお兄ちゃんを取り戻す為に戦ってくれるならわたしも戦うもん!」


 そして、予期せぬ攻撃に戸惑ったヘルにアシュラの攻撃がその兜を真っ二つにする。


「やっぱり・・・コクトお兄ちゃんだったね。」


 俺たちの目の前にはどこかの誰かを思わす鮮やかな金髪の騎士。そして・・・男女差はあるもののたしかに血縁を感じさせる顔がそこにはあった。

とりあえずヘル=コクト確定です!


マリア「兄の風上にも置けない奴ね・・・ん? どうしたのよ。」


あのマリアさん? あなたは一部で死んでいるんですからどうどうと出てこないで下さい・・・。


マリア「一応2部でもちょっとでてるし・・・今さらでしょ? そんなの。」


まぁ、たしかに1部でも死後よくあとがきに出てたけど・・・


メイ「しかし、それにしても情けない。妹を守らずに何が兄ですか・・・。」


・・・メイまで出てきたんだ。なんか一部の命がけのあとがき思い出すなぁ・・・あははは・・・はぁ。


レーチェル「後で私がお仕置きするわ。なんていってもレミーを悲しませたんだから♪」


さ、さらにレーチェルまで! 最凶の三人が揃ってしまった!!?


三人「とりあえず、向こうでゆっくり話しましょう♪」


い、いやだぁ~・・・た~す~け~て~~~~!!


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