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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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12部9章「光と鏡」20話 「言葉にしよう」

「じゃあ、先ずは状況確認と今後の方針を決めておくか」


 エルファリアに戻っての俺の最初の一言はそれだった。確かに時間はない。だが、それでも全員の認識をあわせておくのは大事なことだ・・・ちなみに何故かいつもどうりに集まっている場所は俺の部屋。ここには執務室だってあるし、部屋を持っているものも結構多い。おまけに一番大きいのはアキの部屋なんだがなぁ


「先ず一番大事なことはレーチェルの救出が出来たこと。これは皆、同じ思いだと思う」


 この言葉に素直じゃないアシュラ以外はうなずく。いや、本人もうなずいていないか。俺の方をまるで『なんでそれが一番なのよ』と言いたげな目で見ている。だが、なんと言われようと俺は取り下げる気はないぞ?


「次点でさっきも使ったこの鈴。これでレオンを直接叩きに行ける。ただし、使用期間は七日間限定だ」


「補足いたしますと行った先から返ってくる道があるのかわかりませんので余裕をもって六日と考えるべきでしょう。そして」


 俺の言葉にメイがさらに追加して、そして少しの沈黙の後


「お気づきになっている方もいると思いますが、先ほどまでの迷宮はレオンが作ったものではありません。あのアマテラスと名乗った女神が作ったもの、つまり収められていたこの鈴も彼女の作品とみていいでしょう・・・あの迷宮はこの鈴を守るために作られたものです」


 それが何を意味するか。そもそも誰から鈴を守ろうとしたのか。それはレオンではない。レオンだったら奪う気ならば苦も無く奪っていけるからだ。であるならば話は簡単だ。奪われないようにしたのはその他の者。逆を言えば、あの迷宮を最低限突破できるだけの力を持つものだけに打倒レオンへの道を残したということだ・・・レオンがそれを知っても楽しみの一つとして残すことを理解して。メイが気付いていながら言わなかったのは、知ったことによって下手な同情や戸惑いを俺たちに与えないためだろう? 知ってもプラスになることは全くないのに、僅かでも士気が落ちれば全滅しかねない相手だからな


「俺たちは確かにレオンの掌で踊らされている、レオン風に言えばゲームの駒かもしれない。だが、この鈴に関してはそれだけじゃない」


 はるかなる過去から偉大な先人が儚い希望と共に残したもの。手の中にある鈴は同じものでも、そう思うだけで重みも価値も変わってくる


「だからこそ無駄には出来ない。無論、逃げる道もない。俺たちはこの六日間でレオンを超えなければいけない」


 いまさらついて来てくれるかとは問わない。それを言ったらそれぞれに理由は違えぞ間違いなく全員怒るだろう。だからこそ言う、たったの六日間で無茶すぎる難題を達成することは必須なのだと


「へっ、面白れぇじゃねぇか」


「奴ならば存分に楽しませてくれそうだからな」


 真っ先に反応したのは戦闘狂二人。だが、この二人だって不安がないわけではないだろう。それでも笑うのは・・・みんなを鼓舞するためなのかもしれないな


「任せておきなさい、ワタシはそのためにここにいるのだから」


「力で及ばずとも勝てばそれでいいのです、勝てば」


 リデアがリデアとしてここにいる理由、生まれた理由は確かにレオン打倒のため。今はそれだけではないのだと信じているが、あえて彼女はそう笑う。そしてメイも不敵な笑みで笑って見せてくれた・・・でも、その笑みは味方を怖がらせているようなんですが?


「ム~、よくわからないけどわたしも頑張るよ~」


「六日間ではない、今までの全てをとして必ず力となろう」


 両手を握り、珍しく真剣な顔でそう言うレミー。兜で表情こそ見えないが、軽く笑った雰囲気を感じさせるコクトもいる


「我が君が頼ってくれたのじゃ。これで奮起できねば女ではないのぅ」


「私も頑張るのです! 戦友で恋人の頼みならばしかたない」


「私の最強はいつでもリュウトさんです。レオンになど恐れはありません」


 流し目でこちらを見ながらそう言うカーミラ。ユキは表の宣言にかぶせるように裏が少し赤い顔でそんなことを言う。ククルちゃんもわかっているだろうにそんなことを言う


「大丈夫よ! お姉ちゃんに任せなさい!」


「うん、ボクだって強くなるよ。オルトやライカと一緒にね」


 根拠のない自信を振りまくようで、実は震えながら周りを励まそうとする姉さん。そして今回はあまり出番のなかった二人と共に強くなるのだと不安など除かせずに宣言するアイ


「私はみんなみたいに強くないけど頑張るよぉ」


「アシュラ様がいくというのあればどんな地獄にでもおもむき戦い、そして生きて帰るのが私の務めです」


 気合を入れて、だからけして置いていくなんて言わないでくれと言わんばかりに宣言するママナ。そしてそれが当たり前だと涼しい顔で言うコーリンさん


「リュウト、私は、私たちは必ずあなたの力になるよ。私たち自身の意思で」


 最後に俺の前までやってきて手を握りながらそう笑うアキ。その結果、殺気じみた視線を複数感じたんだが、何故だ? そして、全員の目がまだ何も言っていない一人に集まる


「はぁ、こういうのは私の柄じゃないのだけどね。ええ、私も戦わせてもらうわ。そして戦うからには勝つわよ、リュウトくん」


 良し! これで全員の意思が固まった。待っていろ、レオン! 俺たちは必ずお前を打ち倒す!!

あらためて全員の決意が固まったところでこの章は最後となります。次章はこの部、最後の日常編・・・の予定です


アキ「うう、なんかこの章って結局レーチェルさんが全部持って行ったような」


まぁ、レーチェルはレーチェルで大事なキーパーソンですからね


アキ「それはわかっているけどぉ。私、メインヒロインなのに」


だから今回もレーチェルを除けば一番最後の発言ですし、手まで握って殺気を集めてますよ?


アキ「・・・手はともかく殺気は嬉しくない。はぁ、ともかく次回予告だよね? えっと『六日間でレオンを超える。無理難題を達成するためにリュウトたちはそれぞれのやるべきことを模索する。そして・・・竜神伝説第12部10章「決戦を前に」』私たちが強くなるために皆の力を貸して」


では、次章もまたよろしくお願いいたします

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