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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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12部9章「魂、託して」9話 「その実力は」

 臨戦状態の俺たちに対して目の前の二人の女神は自然体と言う感じで立っている。まぁ、レーチェルに関しては実力差からと言うわけではないのだろうが


「見つめあっているだけじゃ戦いにならねぇだろうが!」


 そんな状態に痺れを切らした美鬼が太陽神へと突撃していく。こういう一番槍と言うのは当然だが、一番危険な役割でもある。そんなことは当然わかっているはずの美鬼がそれをやるのは自分の頑丈さがわかっているからだろうが、レーチェルの方じゃなくてそっちに行くとは


「残念ですが、それでは私に届きません」


 無防備の太陽神に当たるかと思われた美鬼の金棒は結界に阻まれて止まる。バチバチと発光しているところを見ると一応均衡はしているようだが


「ならば! その結界を破壊させてもらう!」


 竜神剣の頃からあった結界破壊の能力は当然存在の剣も持っている。ほぼノーコストであらゆる結界を破壊するこの力は確かに太陽神の結界を消滅させたが


「結界が壊れたからどうだというのです?」


 今度は手に持った剣で美鬼が弾き飛ばされる。そう、あの時に見た間違いなく強い力を持った剣・・・天叢雲剣と言ったか。存在の剣よりは力が劣っているようだが、そこらの伝説の剣じゃ束になってもかなわないだろう力を持つ剣


「そして、わかっておりますよね? あなたたちの相手は私だけではない」


 周囲が鏡に覆われたことを認識した俺は吹き飛ばされた美鬼をさらにぴっぱる形でそこから退避する。レーチェルのミラーフィールドはまだ十分に脅威と言えるだけの力を持っている。しかし、アシュラと殴り合いながらこっちにミラーフィールドを張る余力があるとは・・・いや、あれは余裕があるんじゃなくて指示どうりに動いただけだな。アシュラ、頼むからレーチェルを殺さないでくれよ


「リュウト! 私の力を使って! 『我が思いの形は常に一つ・・・汝の力を借りて、ここに現出させん!』ドラゴンソウル!」


「アキにばかりいい格好はさせないわ。兄さん、ワタシの力も! 『青白く輝く世界は美しき死への誘い。氷の女王の吐息の中に汝を誘わん』ブルーブレス!」


 そこにアキとリデアの魔法が俺の方へと放たれる。そうだな、このぐらいの技でないと小手調べにもならないかもしれない


「竜神流、氷炎風竜斬!」


 以前ならば俺のエネルギーの大部分を消費したこの技も今となっては通常使いが何とか可能なぐらいな消費になっている。とはいえアキのドラゴンソウルにリデアのブルーブレス、そして俺の風竜斬を混ぜたこの技は俺の持ち技の中でも上位に入る高威力だ。もし、これを無傷でやり過ごされるならば・・・


「なるほど、なかなかに強力な技のようですね。ですが・・・私には届きません」


 たった一振りでリュムに込められていたエネルギーが分散され、俺も僅かながらに弾き飛ばされる。はははっ、ここまで圧倒的だと笑うしかないな


「でも、残念。ここにはお姉ちゃんもいるのよ」


 そんなつもりはなかったが、俺の攻撃が目立っていたためにそれに隠れるように近づいた姉さんが太陽神を背後から羽交い絞めにする。しかし


「確かにこの手の攻撃ならば私にも効きましょう。ですが、少々力が弱いようですね」


 幽霊の姉さんのどこに筋力があるのかは不明だが、姉さんの力は結構強い方だ。だが、その力でもびくともしない太陽神。これは本格的にまずいな


「姉さん! とりあえず一旦距離を!」


 俺の言葉にすぐに羽交い絞めを解いて距離を置いてくれる姉さん。幽霊と言う特質上、大概の物理攻撃は無効なんだが太陽神に魔法がないわけがない。あの至近距離で羽交い絞めが何の効果もないのならばまさに狙い撃ちにされるだろう


「諦める・・・と言うつもりはないのですね」


「当たり前だ。諦める理由がないからな」


 実力で言ったら勝ち目がないと断言してもいいのかもしれない。だが、それでも引くことはできない。それに


「その通りです。勝ち目はあるものではなく作るものです」


 ほら、メイならばそう言うと思ったよ。そしてメイがそう言わなければ士気は総崩れ・・・まではいかないにしても不安は確実に皆から力を奪うだろう


「なるほど、隠し玉はまだあるということですね。ならばそれを楽しみにいたしましょう。レオン様のために」


 レオンとしてみれば俺たちが勝って自分に挑んでくるのがもっとも面白いわけか。そして、あいつの性格からすると俺たちに勝ち目がない戦い・・・ゲームは仕掛けてこない。ならば、必ずあるはずなんだ! 俺たちがこの太陽神に勝てる何かが!


「さてな、ねずみ花火か大砲かは見てのお楽しみだ」

と言うわけで太陽神戦、今まで以上に強敵です


アシュラ「ふん、オレもそっちに早く行きたいのだがな」


アシュラはいまレーチェルと戦っていますからね。しかし、あの状態を見て戦いたいと思うとは


アシュラ「悪魔には悪魔の流儀がある」


ママナあたりが聞いたら速攻で否定しそうな流儀ですね。たぶん、アシュラにしか適用されないんじゃないかな、それ


アシュラ「知らんな。さぁ、次回も楽しい戦いだ。血で血を洗う悪魔の姿、とくとみると良い」


と言うわけで今回はお開きです。次回もまたよろしくお願いいたします

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