表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
1116/1378

12部9章「魂、託して」8話 「二人の女神」

「リュウト殿ならば適当に歩き回っていれば大丈夫です」


 とメイから訳の分からない信頼を受けて本当に適当に歩き回る。やっぱりと言うか一部からは不安な顔も見えたが、リデアとママナだけは何故か『そうだよねぇ』『兄さんだから』という声と共に遠い目をしていたのは何故なんだろう?(五部六章参照)


 ともかく分かれ道を適当に選び、意味があるのかどうかわからないがフェイントで突然道を戻ってみたり、たまたま触れた壁が回転したりということを繰り返しながら歩くこと半日ほどした時


「まさかまったく迷わずにここまで来るとは・・・未来視の能力でも持っているのでしょうか?」


「まさか、そんなものがあったらもっと華麗な戦いをしているさ」


 そもそも最短距離で動いた覚えなどないと思いながら、発言したもの・・・前回も戦ったあの女神を見る


「一つたりとも間違った道を選ばず、壁を動かせば即座に正しい道に引き返し、正しい隠し通路だけを開けてくる・・・そんな偶然があるとでも」


「・・・あったんだから仕方あるまい」


 俺としてはそれしか言えない。まさかそんなことになっていたとは思っても見なかったし。しかし、そんな偶然をどうやってメイは予想したんだ? そしてママナにリデア? その『やっぱりリュウトだもんねぇ』『兄さんだからねぇ』はなんなんだ?


 ともかく、この奇跡とも言うべき偶然は置いておくとして周りを見渡してみれば先ほどまで戦ったのと同じような白い石を引き詰められた広大な空間。そして先に進むべく道はなく、今までならば道が配置されていただろう場所に置かれた社・・・ここがゴール、そして


「いずれにしても、ここがゴールでありお前がボスか」


「ええ、そして私が最後の関門となっている意味はお分かりですね?」


 ああ、俺が致命的な勘違いをしていなければ実力においてレオン側のNO2が彼女だ。もっとも、全てがレオンの操り人形のレオン軍においては単に強い以外の意味はないのだろうが、それでもチェスで言うならばクィーンのような存在だろう。それがボスとして出てきたということは


「この戦いがセミファイナルということか」


「ええ、次のゲームこそがレオン様との直接対決・・・もっとも、あなたたちに次はありませんが。出てきなさい」


 予想どうりの答え、そして予想外が一つ。彼女が一つ手を打つとそこにいたのはレーチェル。俺たちの進路上に敵を転移させていたのはおそらくレーチェルだとあたりはつけていたが、この二人を同時に相手するとなると


「クククッ、ようやく楽しくなってきたではないか!」


「まったくだぜ! 戦いって言うのはこうでなくちゃつまらねぇ」


 うん、戦闘狂二人は大喜びだが俺としては冷や汗が止まらない状況だ。レーチェル単独ならば俺やアシュラ、美鬼あたりならばなんとかなる。ひょっとしたらアキも対処可能かもしれない。だが、そこにもう一人がいるとなると話は全く変わってくる。しかもその一人はレーチェル以上は確定していると言っていい、底の知れない実力者だ。こっち単体でも俺たちを全滅させる力を有していてもおかしくはない


「どっちにしても後ろは迷宮、前は行き止まり。逃げることも負けることも許されない。だったら」


「勝つしかないよね」


 俺の言葉を引き継いでアイが不敵に笑う。そうだ、どれだけ不利だろうと勝つ可能性が低かろうと俺たちは勝利を目指して戦う他に選択肢がない。無論、犠牲など誰一人出さずにだ


「・・・理解できません。この状況においてまだ勝てると思っているとは」


「思わなければ先に進めない。お前も・・・あなたもかってそうだったのかもしれないぞ?」


 今の彼女から本来の彼女を想像するのは不可能だ。だが、あの鏡に込められていたメッセージを考えると少しでもより良き未来のために何とかあがこうととするそんな姿が見える気がしたのだ


「・・・そのような愚行はもうすでに忘れました。いいでしょう、ならばかつて太陽神と呼ばれたこの力を存分にふるいましょう」


 そうか、彼女は太陽神か。心を司る竜とどっちが上かなど言う気はないが、その肩書は確かに畏怖を与えるには十分だろう


「はん、戦場で肩書なんて関係あるかよ!」


「名ではなく実力で示してみろ」


 ああ、そんなものまったく関係ない二人もいたな。俺はチラリとメイに目配せする。コクリと頷く彼女を見て存在の剣を強く握る。さぁ、いまこそ決戦の時だ! レーチェルは返してもらうぞ!

というわけで今回のボスは太陽神とレーチェルのコンビです。数はリュウトたちが上ですが実力は


美鬼「向こうの方が上、だろ? だからこそ面白れぇ」


それはあなたとアシュラぐらいのものですが、戦いを避けられないのも負けられないのも事実です


美鬼「だろ? リュウトの言う通りグダグダ言ってもしょうがねぇのさ」


だからと言って普通はすぐに割り切れませんけどね。これもリュウトの口癖のせいか


美鬼「あいつはよく言っているからなぁ。逃げられない、負けられない。ならば勝つしかないだろうって」


いつの間にか全員の言葉になっていたあれですね。というわけで次回からは激戦です。是非見てやってくださるようお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ