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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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12部9章「魂、託して」3話 「誰が行く?」

 あれからさらに一日ほど歩を進める。ある程度の頻度で休憩と食事をとっているために疲労の部類はほとんどない。本当に何のための迷宮なのか、そんなことを考えていると


「コロシアム、そんなようなものか?」


 白い砂を敷き詰めた正方形の広い空間、明かにここで戦闘を行うことを前提にしているような空間へと出る。そして、そこにいる十人の覆面とゆったりとしたローブをした者。人の形をしていること以外の一切の事前情報は渡さないということか


「で、お前たちがその相手か? 一対一か? それとも複数戦か?」


 少々腹が立つ話ではあるが、これはあくまでもレオンのゲーム。主導権は向こうが握っている。これでレオンの思惑どうりに動かなければ、奴が直接干渉してくる危険性もある・・・そうなったら今の時点では負ける


「・・・十対十だ。それ以外は認めぬ」


「なるほど、相談時間ぐらいはくれるんだろうな?」


 コクリと頷く中央付近で一歩前に出ていた奴の動きを見て俺は皆の方を振り返る。とりあえずは奴がリーダーと言うか代表者のようなものか。もっとも声さえも参考にさせないために他の奴には喋らせない程度かも知れないが


「さて、そういうことで俺たちの中から十人を選ぶことになった。まぁ、普通に考えれば六人は決定しているわけなんだが」


「ム~? どういうこと?」


「リュウト殿、アシュラ殿、美鬼殿、コクト殿、女王様、そしてあなたですよ、レミー殿」


 そう、前衛の四人は中衛以降の守りとしても外せない。そして後衛最大火力のアキを外す理由もない。回復のエキスパートであるレミーも必須だろう。懸念することがあるとしたらメインどころを消耗させての連戦とかなんだが


「レオンの性格上、そう言っただまし討ちの類は嫌うでしょうし、敵戦力が不明な状況下でこちらの戦力を縛っても仕方がないでしょう」


 そうだな。本当に今すぐの連戦でなければ、ここで休んでいけばいいだけのこと。これだけの空間があれば十分な休息ができる。となると


「中衛にリデアとメイ、サポートのククルちゃん、それに後衛にユキを配置が無難かな」


「そうですね、バランス的にはそれでいいかと」


 比較的体力があって、万が一の連戦にも耐えられるメンバーだ。唯一、その枠から外れるのはアキなんだが、この戦いでは少し押さえてもらうぐらいにしておけば何とかなるだろう。ユキの代わりにカーミラという選択もあるが彼女も中衛、アキだけを後衛にしておくわけにもいかない


「え~、お姉ちゃんの出番ないの!?」


「ボクだって戦えるよ!」


 流石にコーリンさんやママナからの苦情はなかったが、姉さんとアイからはしっかり苦情が入る


「いや、二人が強いのはわかっている。だが、二人とも前衛よりの中衛だろ? さすがに十人中六人が突撃すると後衛の守りが薄くなるからな」


 無論、前衛の役割は後衛を守ることも含まれているからまったくの無防備にするつもりはないし、コクト辺りは攻撃よりも防衛を優先してくれるとは思う。だからと言って中衛を減らすのも危険なんだ。その点、メイは指揮を主にやってくれるだろうし、ナインテイルウィップは意外と射程が長い。レミーはそこそこ頑丈故に中衛に配置しているが弓の特性上、後衛においてもいいぐらいな存在と来ている


「じゃ、じゃあ、他の前衛と交代とか?」


 恐る恐ると言う感じでアイがそう言うが俺は首を横に振る。まぁ、アイがはっきり言えない理由はわかる。自分を他と交代させろということは自分の方が優れているというようなもんだからな


「アイや姉さんは基本的な戦い方としてヒット&ウェィのような形になる。それに万が一攻撃を受けるとそこそこのダメージにもなる。その点、頑丈な俺や美鬼にスタミナを気にしなくていいアシュラ、防御特化のコクトは少々のダメージは問題ないしある程度の場所に張り付いていられるからな」


 メイの見立てどうりに恐らく今回は連戦はないだろう。だが、これも万が一あった場合、次は参加人数が同じや減るとは限らない。全員参加なんてことだってあり得ると見ておくべきだ。そうなった場合に二人の体力は温存しておきたいというのが本音なんだよな。まぁ、スタミナ関連に問題があるのは俺も同じと言えば同じなんだが、回復量も違うし


「お姉ちゃんだってみんなを守りたいのよ」


「ボクが役立たずってわけじゃないんだよね?」


 恐らくこの言葉が二人の本音なんだろうな。だから俺は笑顔でこういう


「姉さんがみんなを守るタイミングは今じゃないってだけだ。今までもこれからも姉さんに守ってもらわないといけない機会は無数にある。それにアイが役立たずなわけがない。アイがいなかったら負けていた戦いがどれだけあるかわからないぞ」


 そんな俺の言葉に二人もようやく笑顔を見せてくれた

今度の戦いは10対10。もっともリュウトたちのメンバーだと大体フルメンバーなんですが


アイ「だからこそ! はずかれたのが不満だよ」


まぁ、マリアもアイも戦闘メンバーとしては弱い方ですからね。時々、凄いことやりますが


アイ「・・・うう、わかっているんだから言わないでよ」


でも、リュウトが二人を頼っているのも事実ですよ。少なくても足手まといは思っていない


アイ「うん、それはわかっているんだけど」


ヤマトとかを連れてきていないのが証拠ですかね? 彼だとまだ本当に盾がわりか囮にしかできない。それはリュウトが一番嫌うことですから


アイ「比較対象がねぇ。でも、ボクだって頑張るんだから!」


その意気です。では次回は戦いの話、どうぞお楽しみに~

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