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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
10部11章~ラストまで
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12部9章「魂、託して」1話 「迷宮の意図」

 十分な休憩が取れた翌朝、アイの言葉もあって朝食と食休みは取った後に俺たちは例の渦の中に入る。先頭はもちろん俺、これはリーダーだからではなく一番頑丈だからだ。こればかりはメイも渋々ながら賛同してくれるので強固な反対はない


「どこかの建物の中? いや、待てこれは・・・っ!」


「リュウトくん! やっぱ、これって」


「めんどくせぇもん出してきやがったもんだぜ」


 出てきた場所は多少薄暗いかと思う程度の明かりの屋内・・・というよりもここだけ見れば廊下だろう。だが、姉さんに美鬼と言った俺と同じ風属性のものが反応した理由。それは


「迷宮・・・ですか」


 俺たちの言葉にメイが考え込む。風属性はその性質上、壁などの物理的な障害に限るが索敵・・・ではないな、建物の構造把握は得意だ。で、普通ならば迷宮の構造が把握できているのならば、それはもはや迷宮ではないと言えるのだが


「ああ、だがどうも風属性対策もされているようでな。十キロほどまでは風も通るから戦闘面に支障がないようにされているようだが、構造把握には程遠い」


 十キロというとかなり広く感じるが、俺たちの足だと普通に歩いても一秒とかからない距離だ。この空間もレオンが作ったものだろうから、この迷宮が星一つどころか銀河系ぐらいの大きさを持っていたとしても俺は驚かん


「リュウト殿、なにかペンキのようなものを作っていただけませんか?」


「ああ、構わないが」


 メイに言われて作ったペンキ、それでメイは壁に入り口と書いたが


「何か字を書いてもすぐに消えるか」


「迷わす気ならば当然と言えば当然ですが・・・」


 いや、迷宮なんだから迷わす気しかないだろう? と思うがメイには不思議なことらしい。その後も壁の破壊やママナやコーリンさんの隠密での壁抜け、姉さんの幽霊としての壁抜け、念のためにカーミラの霧化による壁抜けに俺のマリオットセンスでの探索と試してみたが全部通じなかった。壁は全力で攻撃すれば壊れはするんだが、分厚いしすぐに再生するから無駄に消耗するだけということだが


「通常、迷宮と言うのは何か大切な場所・物に近づけないようにするためか敵を疲労させるために作られます。まれに中にいるものを外に出さないための迷宮と言うのもありますが、今回は除外していいでしょう。そう考えると今回の迷宮は披露させることが目的とするのが一番わかりやすいのですが・・・」


 そこでメイが口をつぐむ。まぁ、そうだろうな


「ここには俺がいるからな。どれだけ迷おうとも水も食べ物も尽きることはない。睡眠だってこの人数がいて睡眠が根本的に必要ないものも何人かいるとなれば後は閉塞感などによる精神的な疲労程度しか見込めない」


 カーミラみたいにこういう環境下の方が居心地がいいのもいるしなぁ。正直、こういうのが効きそうなのがアキとリデアぐらいしかいないというか


「ともかく進んでみるしかないだろうな」


 もう一つ、迷宮には死角が多いというのもあるにはあるが、俺やアシュラに美鬼など前衛は気配察知にはそれなりの自信がある。曲がり角や扉に阻まれている程度で敵を見逃すことはほぼないはずだ


「ム~? よくわからないけど出口にたどり着いたらクリア?」


 とレミーがつぶやいて気付く。確かに今回はこの先がゲームの会場とだけ聞いていて、クリア条件は提示されていないな? 今までずっと敵を倒せばよかったゆえに忘れていた。レミーはたまにこういう形で役に立つことがあるんだよなぁ


「もしも・・・もしも、ここを最初に作ったものがレオンではなかったら」


「えっ?」


 そのつぶやきに反応してメイがポツリと言う。ここを作ったのがレオンではない。ならば誰が何のために? そしてなぜレオンは俺たちをここに運んだ?


「いえ、なんでもありません。ですがレミー殿の言う通りここのクリア条件は出口・・・かはわかりませんが、特定の場所にたどり着くことでしょう。方針は何も変わりません」


「ん~、なんかお姉ちゃんにしては歯切れが悪いね」


 アキが言う通りだろうな。メイは基本的に何でも断言をする。それは非常に勇気のある行動であると思うが、メイが断言するということが俺たちにとっての安心感につながっていることを当然本人も知っているはずだ


「申し訳ありません。今回のことは軽々しく断言するには少々・・・」


 と言葉を濁されたが、要するにメイはレミーの一言でおおよそのことを把握してしまったらしい。だが、何らかの理由でそれを俺たちに断言と言う形で伝えるのはマイナスになると判断したんだろう


「まぁ、メイがそう判断したならばそれでいいさ。そこは信頼している」


 俺の言葉に何故かメイの顔が少し赤くなり、アキに睨まれることになったんだが俺は悪くないよな? ともかく出来ることは限られている。レオンのことだ、クリア不可能な勝負・・・ゲームは仕掛けてこないだろう。ならば俺たちは全力でそれを打ち破るのみってな

9章の第1話目、今回は状況説明回ですね。当然こういう時は頭脳担当が目立ちます


メイ「他にもできる方はいるのですけどね」


一番安心感がある人がいますからね。他のメンバーだとリュウト・アキ・アイ・カーミラ・ククルあたりは出来ますね


メイ「私がいない時もあるので他の方の信頼も上がってほしいところではありますが」


と言いながらしっかり自分の出番は譲らないのがメイでしたと。まぁ、いざとなったらリュウトがやるから問題なしでしょう


メイ「・・・その言い方ですと、私が他の方の出番を奪っているようではないですか? 少し、向こうでお話と行きましょう」


えっ? 今回はそこで!? いや、メイのお話はお話じゃなくて鞭・・・で引っ張らないで~~~~!! そ、それでは皆様、今回はここまでです。次回もまたよろしくお願いします。そして誰か助けて~~!

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