3話 「インキュバス」
一方、女の子チームはというと
ここはどこ? 深層魔界・・・には見えないけど・・・はっ!? そんな場合じゃないわ! 他の皆は!
「リュウト~、レミー、アシュラ~・・・無事~?」
「あーちゃん、わたしはここだよ~!」
うん、レミーは無事ね。・・・えっ? あとの二人は? あの二人のことだから大丈夫だと思うけど・・・これはまずいのは私たち!? どどどど、どうしよう!?
「ん~? あーちゃん・・・なんかいい匂いがするよ~。」
レミー? アレ? 何これ・・・頭がクラクラする。この匂いどっかで嗅いだことがあるような? もの凄く危険なものだったような・・・?
「ククク・・・我はインキュバス・・・と言ったところでもはや聞こえてはいまいか。」
何か言っているけど・・・なんかもうどうだっていいかな。あはは・・・もっと嗅がせてよ。
「あーちゃ~ん・・・惑わされちゃ駄目だよ~・・・しっかりしてぇ~~。」
レミーの普段以上に間延びした声が聞こえる。・・・ZZzz・・・パシィ!!
いった~い!!? 突然頬に感じた鋭い痛みに私の意識は一気に覚醒した。
「あーちゃ~ん~・・・起~き~た~?」
レミー・・・まぁ、助かったことは事実だから叩いたことに文句は言わないけど・・・先ずは自分を叩いて欲しかったかな? ってことで私も・・・けして仕返しじゃないわよ? 本当よ?
「ム~! あーちゃん、痛いよ~! 酷いよ~!」
「お互い様だ。私だって痛かったぞ・・・まあ、感謝はしているがな。」
さて、レミーとこんなのんきな会話をしている場合じゃないわ。・・・目の前にいるのは忘れもしない! 今回の戦いの発端になったあのエルファリアの戦い。リュウトが来る直前に逃げるように立ち去った私たち(アキ、レミー、メイ、ママナ)をいとも簡単に捕らえた奴だわ!
インキュバス・・・とかって名乗ったっけ? たしか女を・・・その・・・えっと・・・せ、性的に惑わすサキュバスの対になる悪魔だったはず。負けた4人は確かに全員女・・・だとするとリュウトが来る前に立ち去ったのは本当に逃げたのかもしれない。奴の力は男には通用しない・・・逆を言えば力さえどうにか無効化すればそんなに強くないってことかも!
・・・ん? ってことはリュウトたち(アシュラはどうでもいいけど)の方へ行ったのはサキュバス? ってことはもしかしてあのルーン!? こ、こうしてはいられないわ! は、早くリュウトをルーンの魔の手から救わないと~!!
「ふむ、やはり天使には効き目が薄いのか? いや、耐性を手に入れつつある? ・・・むっ!?」
「あ・・・あーちゃんが・・・あーちゃんが・・・燃えてる!?」
「レミー・・・グズグズしている暇はないぞ! こんな奴は即座に終わらせる!!」
そうよ! こんなところでグズグズしている暇なんてないの! 早くしないとリュウトが・・・リュウトがルーンの色香に惑わされちゃうかも! そんなの絶対に駄目なの! 嫌なの! 耐えられないの!!
「あ、あの~・・・あーちゃん?」
「お喋りに興じている暇はない! ル-ンごときにリュウトを盗られるわけにはいかんのだ! リュウトは・・・私の物だ!」
そうよ! 私はリュウトのこここ、恋人になるんだから! だから、だから! リュウト、お願いだから私が助けに行くまで頑張ってよね? ふぁ、ファーストキスを盗られちゃっただけでもショックなのにそれ以上なんて・・・絶対許せないんだから~~!
女の子の天敵? インキュバス登場! と思いきや惑わされているのは冒頭だけで後はアキの恋する乙女モード全開ですね。
アキ「インキュバスごとき私の思いの敵ではないと言うことだ。」
まぁ、そんなに簡単に倒せる相手でもないのですが・・・次回はまたリュウトたちに戻りますが次々回の戦いは結構厳しい精神戦になる予定です。
レミー「そんなときこそわたしの出番だよ~。」
・・・耐性があるっていう意味限定でな。どっちかというと引っ掻き回す方が得意でしょ? キミは。
レミー「ム~! サーくんも酷いよ~!!」




