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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部6章『夢魔たちの罠』
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2話 「死のキス」

 ・・・ここは・・・一体どこだ?


 ようやく闇に馴染んできた俺の視界に映るものは何もない。完全に無が支配する空間


「ここが・・・深層魔界?」


「・・・違う。これは・・・夢魔たちが操る閉鎖空間だ!」


 背後から聞こえたアシュラの声。夢魔・・・? いや、今はそれどころじゃない! 皆は! アキたちは無事なのか!?


「アキ! レミー! 無事か!?」


 ・・・返事がない? い、一体何が起きているんだ!?


「フフフ、彼女たちはいないわよ。だって、女の子には私の力は通用しにくいもの。だ・か・ら、彼女たちには別の相手を用意したわ。」


 唐突に聞こえてきた声。だが、この声を忘れるはずがない!


「ルーン! どこにいる!!」


「フフフ、ウフフフフフ・・・」


 くっ、馬鹿にして! こうしてる間にもアキたちは・・・。前衛と後衛を分断される。はっきり言って最悪の事態といってもいい。それを・・・前衛を失った後衛の脆さを一番恐れていたのはあいつだったのに・・・くそっ!


「おちつけ、リュウト! これが奴らサキュバスの手なのだ。・・・焦れば勝機を逃すぞ。」


 そういうアシュラの声も普段よりは焦っているように聞こえる。・・・そうだな、あいつだってレミーが心配なはず。焦って喚いて助けられるなら苦労はない。・・・落ち着け、落ち着けよリュウト。


「アラ? そんな一言で結構落ち着いちゃって。これが信頼って奴かしら? それともあなたたちって・・・な関係?」


 誰がだ!!! いや、落ち着け。奴の口車に乗るんじゃない。気配を読め、空気を読め・・・!


「そこだぁ!」


 闇の中を走る一本の風の刃。しかし、その刃は唐突に消え去ることになった。


「っ!・・・へ~、坊やも少しはやるようになったものね。もう少しで当たるところだったわよ。」


 空気が・・・いや、空間がゆらゆらとゆれ闇の中から百年前となんら変らないルーンが現れた。こいつらにとっては百年なんていうのは変化になる年月ではないのだろう。


「・・・俺としてはその首を落とすつもりだったんだがな。」


 大分落ち着いてきたとはいえ、早急にアキたちを助けに行かねばいけないことには変らない。必殺の思いを込めた一撃を無傷でいなされたのは正直誤算だった。


「フフフ、怖い子ねぇ。で・も♪ 坊やは私には敵わない。・・・私が坊やに施した特上の呪い、死のキスの力はまだ残っているんだから。」


 死のキス? 百年前に俺が受けたアレか? 確かそんなことを言っていたような気もするが特に何の影響もなかったような・・・


「残念だが俺には効果がなかったみたいだぞ!」


「クスクス、それはどうかしらねぇ~? ほ~ら?」


 っ! なんだ? 一瞬眩暈が・・・!? る、ルーンが増えた!? いや、この手のものは幻と相場は決まっている。ならば!


「リュム! 幻を切り裂け!!」


 リュムの・・・竜神剣の力ならどんな幻だろうと!? 切れない!? そんなはずは・・・だが幻は決定打にはならない! 見破れないなら全て切ってやる!


「ウフフ、どこを見てるのかしら? ぼ・う・や?」


 ガハッ! そんなはずはあいつは幻だったはずなのに・・・い、一体どうなっているんだ!? これが死のキス? いや、これ自体は死を呼ぶ呪いとは・・・




 クスクス、完全に術中にはまっているわね。死のキスという名前にごまかされるようじゃ話にならないわ。そう、私の目の前には虚ろな目をして立ちつくむ竜神。竜神剣がちかちかと明点してるようだけど、ご主人様が囚われたらあんただけじゃどうにも出来ないでしょ?


「幻の中の幻と戯れていなさい。・・・その首、優しく絞めてあげるわ。」


「・・・ふん、それはオレをどうにか出来たらの話だろ?」


 いきなり現れた気配・・・いえ、殺気に私は飛びのく。完全に気殺されていたから忘れていたわ。まだ、彼が残っていたっけね。


「あら? そのまま攻撃して来ればよかったのに。絶好の機会を逃してまでこの坊やを守ろうとしたのかしら? いえ、そもそもこんな坊やに2度も負けるなんて『闇の牙』も落ちたものね。」


 ぞくっ! な、何? 今の悪寒は!? い、いえ・・・原因はわかっているわ。なんなのよ! この圧倒的な気は!? あ、アシュラ・・・こんな化け物だったの!? 近くにいるのが闇に属する私や圧倒的なエネルギーを誇る竜神だからこそ影響が出てないけど全てを侵し破壊するがごときこの気・・・闇の瘴気は何なのよ!?


「不意打ち? オレがそんな姑息な手段に訴えなければ貴様をどうにかできないとでも? ここでなら全力を出しても問題ない・・・さぁ、貴様の言うように『闇の牙』が落ちているかどうか、その身で確かめてみろ!」


あっさりと罠に落ちたリュウト・・・まぁ、百年前の時点ですでに落ちてたと言っても過言ではないのですが


アシュラ「ふん、あのようなやからの意のままとは情けない。」


といいながらもしっかり助けるあたりがいい奴なアシュラです。


アシュラ「助けるのではない。・・・奴を倒さねば出れぬというだけのこと。」


ふ~ん? まぁいいや・・・ってことで次回はアシュラの全力・・・の前にもう一方のメンバーの様子です。

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