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最後に、聖女からの会心の一撃!

 なんと言いますか、騒ぐ姿は貴賤関係ないものだよねぇ、という思いがこみ上げます。


 それはもう。絵には書けない大騒ぎですよ。


 王族達は立ち上がって拍手して肩を抱き合い、側付きの人を呼んで料理と酒を持って来させて。


 おめでとう! おめでとう!って、もう騒げれば何だって良いんでしょう!って感じなのだ。息子とグレーテルももみくちゃにされて、まあ2人ともすごく楽しそうだから放っておくけれども。


 こっちはもう。久しぶりに頭を使って喋ったから、頭痛がしますよ。なんだか忘れていることがあるような気もするけれど、もうどうでも良いです。



 ふと顔を上げると、視線の先に腹腐れ王がいる。奴と私の視線はしばらく交差し、何か言おうとでも言うのか唇が動く。



 というところで、ふっと視界を目隠しされた。 


「見ちゃだめだよ、詩織さん」


 低く色気が籠もった声が、びっくりするほど近くで震えて。ビクッ、と体を揺らすと、耳たぶに柔らかい唇が触れた。


「ちょ、聖女!? やめ」


 慌てる私を宥めるように、ふわりと優しく、でも決してふりほどけない強さで抱きしめられる。


「ねぇ詩織さん。呪いは、真実の愛と口づけで解けるんでしょう?」


 楽しそうに、声が旋律を刻む。

 私は耳を塞ぎたいのに、両手ごと抱きしめられて身動きが出来ない。

 その代わりとでも言うように、ぱっと視界が開けて、目の前には聖女の、綺麗な笑顔がとろけて言う。


「俺に、惚れてくれました?」


 



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