表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】転生した私は幼い女伯爵 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです  作者: もーりんもも
第二章 領地を改革します

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

157/180

157 ワークショップ

このラノ2026の投票をお願いしたくて更新しました!

あとがきの下にリンクがありますので応援よろしくお願いします!

 王太子たちは昼食後にいったん部屋で休むとのことだったので、私もカントリーハウスに戻ろうと思ったら、護衛の方が一人足早にやって来た。


「恐れながら、モンテンセン伯爵」

「はい。なんでしょうか?」

「……主人がそちらの店舗も気になるとのことでしたので、よろしければご案内いただけると助かるのですが」


 今、王太子のことを何て言おうか迷ったね? 

 そりゃ、『ガイ』なんて呼べないもんね。


「こちらでは、お好きなハーブをブレンドして自分だけのハーブティーを作る体験をしていただく場所になります。もちろん私どもがお勧めするブレンドティーも販売する予定ですが。体験を希望されるのでしたら私がご案内いたします」

「さようでございましたか。それでは、その旨を主人に確認して参りますので、少々お待ちいただけますでしょうか」

「ええ、もちろん構いませんわ」




 結局、三人とも「体験してみたい」と、ちっとも休まずに揃って降りて来た。

 何も言わなくてもローラがお湯の準備のために厨房に行ってくれる。


「それでは皆様ご案内いたします。こちらのドアからお入りください」


 接客をしていた前世の癖で、ドアを開けて押さえ、お客様に「どうぞ」と言うと、公爵に眉を(ひそ)められた。

 今の私ってどういう立場なの? 店員じゃなくてオーナーだとしても、『伯爵』である私がやるのは駄目だった?

 急に手が軽くなったと思ったら、先ほどの騎士がドアの上の方を押さえてくれていた。


「女性に、しかも子どもにそのような真似をさせたとなると、僕たちは随分と礼儀知らずな人間になっちゃうよ」


 あ、そっちか。多少の逸脱は気にも留めないパトリックに注意されるとは心外だけど。


「失礼いたしました。初めてお客様をお迎えするものですから、つい」


「何が『つい』だ」と言いたげに公爵は睨みつけてくるけど、謝ったでしょ。

 でも気をつけないと平民に対してもうっかりやっちゃいそうだなぁ。

 とりあえずさっさと中に入って始めてしまおう。


「コホン。まずは簡単にご説明させていただきます」


 今から喋るよって言ったのに、王太子が先に話し出しちゃった。


「この大きな瓶は中身がよく見えていいね。こうして並んでいると、いい具合に目移りするから色々と手に取りたくなるね」


 はい、特注しました。単に私がそうやって並べたかっただけなんですけどね。


「ありがとうございます。そちらの壁面の棚に並べてあるのが乾燥ハーブになります。まずはミントティーをどうぞ。こちらは裏の畑から摘んだばかりの新鮮なミントになります」


 部屋に入る前から、既にローラとホール係の一人が準備してくれていたのだ。


 平民なら立ったまま受け取ってソーサーを持って飲みそうだけど、さすがは高位貴族の三人。ちゃんと椅子に腰掛けてサーブされるのを待った。

 一応、中央の大きな作業台の両側にそれぞれ、立ち飲み屋にあるような小ぶりな丸テーブルが二つと、カフェの一人がけのテーブル席のようなものを二セット置いてある。


「すごい香りだね! ミントティーか。僕は初めて飲んだよ。ジュリアンに頼めば王都に帰ってからも飲めるかな?」


 パトリックが最初に褒めてくれた。


「ええ。ジュリアンさんも育てられていると思います。こちらのレモングラスもお勧めですので、ぜひお味をお確かめください」


 ちょうどローラが二つ目のポットを持ってきてくれたところだ。


「レモングラスはブレンドしやすいので、こちらをベースに気になるハーブを足すのがよろしいかと。ミントをブレンドしてもよいですし、柑橘系やローズなどもお勧めです」


 ええと。女性が好むブレンドの話になっちゃったけど、男性にも通じるかな?


「マルティーヌ嬢は博識だね? いったいどこでそんな知識を?」


 王太子はさっきからうるさいね。


「もちろんリュドビク様が支援なさっている薬師のジュリアンさんです。私も縁あって昨年からジュリアンさんに師事しております」

「へぇ……。だとしたらフランクール公の功績はすごいね」


 まあ、そうなるのかな?

 公爵は無言のままレモングラスティーを飲んでいる。王太子とあんまり仲良くないのかな?


 ……ん?

 今ちょっと……見てはいけないものを目にしたような……?

 うわっ! 何で!? どうして!?


 ハードルを低くするため、外からワークショップの様子が見えるようにと高額な透明ガラスを特注したので、部屋の中からも外の様子がよく見える。


 公爵も気がついたみたい。

 ――そう。

 どうしてアレスターがニタニタ笑っているんでしょうね。

このラノ2026の投票よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された悪辣幼女の辺境生活 〜チート魔法と小人さんのお陰で健康で文化的な最高レベルの生活を営んでいます〜
第二部の連載を再開しました!

12月17日(水)に発売される『転生した私は幼い女伯爵』4巻の書影が公開されました。
あらすじやイラストは詳細ページをご覧ください。
予約受付中です!amazon 楽天紀伊國屋書店ヨドバシカメラなど
i1056363

カドコミ にて『転生した私は幼い女伯爵』のコミカライズ連載中です。

『転生した私は幼い女伯爵』コミック1巻 好評発売中です!
amazon 楽天紀伊國屋書店ヨドバシカメラなど
i1033447

『私が帰りたい場所は ~居場所をなくした令嬢が『溶けない氷像』と噂される領主様のもとで幸せになるまで~』
DREノベルスから全2巻発売中!
購入はこちらから。amazon 楽天紀伊國屋書店ヨドバシカメラなど
i929017
― 新着の感想 ―
休むとフェイントかけて、人員出払わせておいて睨む公爵…… お前なんでポッと出ご迷惑殿下に好感度負けそうなことを……
レモングラスは柑橘系じゃなくて、草だよー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ