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狐の住む岸辺  作者: マイソフ
第11章 嵐
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6月19日 オマハ・ビーチ


 アメリカ第29歩兵師団師団長補・コータ准将は、折角帰ってきたオマハ・ビーチで、またしても見たくないものを見ることになった。


 連合軍の秘密兵器、オマハ海岸の人工港、秘匿名称マルベリー。これはコンクリート製のケーソン(潜函)を沈めた上に鋼鉄製の仮設道路をつけた桟橋と、それを守る二重の防波堤から成っている。防波堤としては、フランスから脱出した戦艦を含めて、大小の老朽船舶が自沈する計画であった。


 ところがドイツ軍のために工事が大幅に遅れ、始まったばかりのところへ、天候が一変したのである。激しい風雨にあって、防波堤を欠いた桟橋は、次々に基部から横倒しになる。危険を冒して補給物資を運んできた輸送船は、揚陸もままならず、再び波涛の中へ戻って行く。


 もともと予定通りでないところへパットンが湯水のように使ったせいで、弾薬の不足が目立ち始めていた。遠浅のユタ・ビーチに物資を運べる上陸用舟艇は、メンテナンスの暇もないほど立ち働いていたが、この嵐で不運な位置に乗り上げて座礁する艇が多い。


 コータは師団の前線に戻ることにした。前線に行っても、出来ることは少ない。シェルブール港が陥落して、補給状態が改善されるまでは。


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